2024年10月2日 (仮訳)Panus属の包括的な系統解析およびブラジルにおける多様性の再検討 Sousa-Guimarães, DK. et al. 2024. A comprehensive phylogeny of Panus (Panaceae, Polyporales) and revisited Brazilian diversity. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-024-01955-3 [Accessed October 2, 2024] 【R3-12121】2024/10/2投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ブラジル産Panus属菌について包括的な分子系統解析による再検討を実施し、10種を認めた。 そのうちP. capelariaeなど4種を新種記載した。 また、Endopandanicola属をPanus属のシノニムとし、2新組み合わせを提唱した。 Brazil, Santa Catarina, Florianópolis, Parque Municipal da Lagoa do Peri (新種) Panus capelariae Sousa-Guimarães, Menolli & Drechsler-Santos 語源…ブラジルの菌類学者、Marina Capelari博士に献名 【よく似た種との区別】 Panus similis 傘表面に放射状の扇畳状~溝状の線をあらわす 襞の間隔がやや疎 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりブラジルではなくスリランカ、ベトナム(、アフリカ)などに分布する 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が円錐形~狭円錐形 本種と異なり側シスチジアが厚壁 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Panus fulvus 本種と異なりブラジルではなくスリランカなどに分布する 本種と異なり傘表面に直立した束状の毛を有する 本種と異なり襞の間隔が疎 Panus stiptonotatus ブラジルに分布する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘表面が放射状の扇畳状~溝状でない 本種と異なり襞の間隔がやや疎でない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Brazil, Rio Grande do Sul, Gramado, Várzea Grande (新種) Panus pachysporus Sousa-Guimarães, Menolli & Drechsler-Santos 語源…厚い胞子の(担子胞子の壁厚から) 【よく似た種との区別】 Panus velutinus ブラジルに分布する 傘が栗褐色 傘表面がビロード状で条線が顕著である 傘が革質 襞の間隔が中程度~密 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体のサイズが大きい 本種より傘の最大直径が大きい 本種より柄のサイズが大きい 本種と異なり偽菌核を有する 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が薄壁 本種より縁シスチジアのサイズが大きい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Panus stiptonotatus ブラジルに分布する 傘が栗褐色 傘表面がビロード状 襞の間隔が中程度~密 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より担子胞子のサイズが小さい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Brazil, Santa Catarina, Florianópolis, Universidade Federal de Santa Catarina (新種) Panus speciosus Sousa-Guimarães & Drechsler-Santos 語源…美しい 【よく似た種との区別】 Panus bambusinus 子実体が白色、淡クリーム色~帯桃色 襞が帯桃色 本種より子実体のサイズが大きい 本種より傘の直径が大きい 本種と異なり傘表面に条線をあらわす Panus purpuratus 子実体が白色、淡クリーム色~帯桃色 襞が帯桃色 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりブラジルではなくニュージーランドなどに分布する 本種より担子胞子のサイズが小さい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Panus paraibensis ブラジルに分布する 子実体が白色、淡クリーム色~帯桃色 襞が帯桃色 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より担子胞子のサイズが小さい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Panus hirtiformis 傘が新鮮時帯桃黄褐色 傘表面が無毛 本種と異なりブラジルではなくベリーズなどに分布する 本種と異なり傘が帯褐黄色 本種より担子器のサイズが小さい 本種より側シスチジアが短い Panus caespiticola 傘がクリーム色~淡黄褐色 傘が扁平である 本種と異なりブラジルではなくマリなどに分布する 本種より側シスチジアが僅かに長い 本種と異なり側シスチジアが紡錘状~瓶形 本種より縁シスチジアが短い 本種と異なり縁シスチジアが円筒状槍形~便腹状紡錘状 Brazil, Santa Catarina, Florianópolis, Parque Municipal do Córrego Grande (新種) Panus stiptonotatus Sousa-Guimarães & Drechsler-Santos 語源…柄が著しい 【よく似た種との区別】 Panus caespiticola 柄が小結節状 本種と異なりブラジルではなくマリなどに分布する 本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい 本種より縁シスチジアが長い 本種と異なり縁シスチジアが円筒状槍形~便腹状紡錘状 Panus velutinus ブラジルに分布する 傘が栗褐色 傘表面がビロード状 襞の間隔が中程度~密 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より側シスチジアのサイズが小さい 本種と異なり側シスチジアが棍棒形 本種と異なり側シスチジアが薄壁 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Panus pachysporus ブラジルに分布する 傘が栗褐色 傘表面がビロード状 襞の間隔が中程度~密 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Panus capelariae ブラジルに分布する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘表面が放射状の扇畳状~溝状 本種と異なり襞の間隔がやや疎 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Panus ciliatus ブラジルに分布する 偽菌核を有する 本種と異なりスリランカ、フィリピン、シンガポール、ベトナム、インド、中国、米国における分布が知られている 本種と異なり襞の間隔が中程度に密ではなく密 本種と異なり襞が褐色ではなくワイン色を帯びる 本種と異なり襞が柄の部分で吻合するのではなく吻合しない 本種と異なり柄が結節状ではなく円筒形 (新組み合わせ) Panus thailandicus (Tibpromma & K.D. Hyde) Menolli, Alves-Silva, Sousa-Guimarães & Drechsler-Santos 旧名:Endopandanicola thailandica Tibpromma & K.D. Hyde (その他掲載種) Panus velutinus (Fries) Fries 【よく似た種との区別】 Panus pachysporus ブラジルに分布する 傘が栗褐色 傘表面がビロード状で条線が顕著である 傘が革質 襞の間隔が中程度~密 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体のサイズが小さい 本種より傘の最大直径が小さい 本種より柄のサイズが小さい 本種と異なり偽菌核を欠く 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が薄壁でない 本種より縁シスチジアのサイズが大きい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Panus stiptonotatus ブラジルに分布する 傘が栗褐色 傘表面がビロード状 襞の間隔が中程度~密 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より側シスチジアのサイズが大きい 本種と異なり側シスチジアが棍棒形でない 本種と異なり側シスチジアが薄壁でない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Panus campinensis (Teixeira) Drechsler-Santos & Robledo 旧名:Lentinus campinensis Teixeira