2016年12月30日 (仮訳)北米西部産の1新種を含むLecanora variaグループの分子系統 Pérez-Ortega, S. et al., 2010. A molecular phylogeny of the Lecanora varia group, including a new species from western North America. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-010-0660-y [Accessed December 30, 2016]. 【R3-03613】2016/12/30投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ Lecanora variaグループの分類群を対象として形態学的検討および分子系統解析を実施した。 北米西部産の新種L. schizochromaticaを記載し、新組み合わせL. filamentosaを提唱した。 Biatora pullulaをL. anoptaのシノニムとし、北米本土から初めて報告した。 Canada, British Columbia, Purcell Mountains, St.Mary’ s Alpine Provincial Park, trail to Mortar Lake (新種) Lecanora schizochromatica Pérez-Ortega, T. Sprib. & Printzen 語源…”schizochromatic”な(子器盤および果殻の色に変異が大きいことから) 【よく似た種との区別】 Lecanora filamentosa 形態的に類似している(混同のおそれがある) 子器盤が幼時淡ベージュ色~黄褐色で成熟すると暗色になり最終的に完全に黒色になる ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じL. filamentosaグループに含まれる) 本種と異なりカナダおよび米国ではなくドイツ、チェコなどから知られている 本種と異なり子器の縁部が盤よりも暗色で最初に黒色になるのではなく顕著な差がないか縁部の方が淡色 本種と異なり子器に幼時レカノラ型の果托を有する 本種より子器の”cinereorufa green”色素の量が少ないことがある 本種より子嚢胞子のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lecanora symmicta 形態的に類似している(誤同定の事例がある) 子器の形態が類似している 本種と異なりカナダおよび米国ではなくドイツなどから知られている 本種と異なり主要な地衣成分としてアトラノリンを含むという特徴を欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード1ではなく2に含まれる) Lecanora carnulenta 米国に分布する 形態的に類似している(誤同定の事例がある) 本種と異なり子嚢がPorpidia型 Cliostomum griffithii(イボゴケモドキ) 子器が幼時形態的に類似している(混同のおそれがある) 子器盤がベージュ色 果殻が帯灰色 本種と異なり子嚢がBacidia型 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が0ではなく1 本種と異なり粉子器を形成する(大型、K+紫色) (北米本土、カナダ、米国新産種) Lecanora anopta Nyl. ※Biatora pullulaを本種のシノニムとした。 【よく似た種との区別】 Lecidea spp. 形態的に類似している(容易に混同されうる) 果托の縁を欠くことがある Lecanora cadubriae 本種と異なり地衣体がK+橙色~赤色 本種と異なり切片にK+赤色の針状構造を含む 本種と異なり地衣成分としてノルスチクチン酸を含む Lecanora sarcopidoides ヨーロッパに分布する 子器に粉霜を伴うことがある 本種と異なり北米における分布が知られていない 本種より子嚢胞子の幅が狭い 本種と異なり主な地衣成分としてプソイドプラコジオール酸を含む Lecidea rubrocastanea 子器が赤色を帯びることがある 本種より子嚢胞子が短い 本種と異なり子嚢がMicarea型類似ではなくレキデア型 本種と異なり子嚢胞子が狭楕円形でない 本種と異なり地衣成分としてイソウスニン酸を含まない Lecanora saligna 米国に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じL. salignaグループに含まれる) 本種と異なり果托の縁が消失性という特徴を欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Lecanora filamentosa (Stirt.) Elix & Palice 旧名:Lecidea filamentosa Stirt. ※本種のレクトタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Lecanora schizochromatica 形態的に類似している(混同のおそれがある) 子器盤が幼時淡ベージュ色~黄褐色で成熟すると暗色になり最終的に完全に黒色になる ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じL. filamentosaグループに含まれる) 本種と異なりドイツ、チェコなどにおける分布が知られていない 本種と異なり子器の縁部が盤と縁部で顕著な差がないか縁部の方が淡色なのではなく縁部が盤よりも暗色で最初に黒色になる 本種と異なり子器に幼時レカノラ型の果托を有するという特徴を欠く 本種より子器の”cinereorufa green”色素の量が多いことがある 本種より子嚢胞子のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される