2020年5月26日 (仮訳)臨床関連のMucor circinelloides複合種の新たな種概念 Wagner, L. et al., 2020. A new species concept for the clinically relevant Mucor circinelloides complex. Persoonia. https://www.ingentaconnect.com/content/nhn/pimj/pre-prints/content-nbc-persoonia-0509 [Accessed May 26, 2020] 【R3-07353】2020/5/26投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ Mucor circinelloides複合種を対象とした多相分類学的検討を行った。 複数遺伝子に基づく分子系統解析により16の系統学的種を認め、そのうち5種を新種記載した。 本複合種の全ての認められた種を含む検索表を掲載した。 Armenia, Goris (新種) Mucor amethystinus L. Wagner & G. Walther 語源…紫水晶の(菌糸体の生長領域の色から) 【よく似た種との区別】 Mucor janssenii 小胞子嚢を欠く cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり菌糸体が紫色を帯びない 本種より胞子嚢のサイズがずっと小さい 本種と異なり柱軸が主に球形なのではなく顕著に細長い 本種と異なり胞子嚢胞子が球形~類球形ではなく類球形 cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新種) Mucor atramentarius L. Wagner & G. Walther 語源…インクの(胞子嚢の色から) ※本種のタイプロカリティは不明である。 【よく似た種との区別】 Mucor ramosissimus cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりコロニーがクリーム色および灰色ではなく灰色 本種と異なり柱軸が僅かに楕円形、球形、または半球形ではなく扁平 本種より胞子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり胞子嚢胞子が球形~類球形ではなく僅かに角形、類球形 本種と異なり厚壁胞子を欠く cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される South Africa (新種) Mucor pseudocircinelloides L. Wagner & G. Walther 語源…偽のMucor circinelloides 【よく似た種との区別】 Mucor circinelloides 小胞子嚢を欠く 胞子嚢胞子のサイズの範囲が重なる cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり胞子嚢が僅かに橙色なのではなく褐灰色 本種より胞子嚢胞子のL/D比が小さい cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Germany (新種) Mucor pseudolusitanicus L. Wagner & G. Walther 語源…偽のMucor lusitanicus 【よく似た種との区別】 Mucor lusitanicus 小胞子嚢を欠く 胞子嚢胞子のサイズの範囲が重なる 胞子嚢胞子が不規則形または楕円形 cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり胞子嚢が幼時淡橙色ではなくクリーム色 本種と異なりコロニーに隆起を欠く 本種と異なり最大生長温度が35°C以下ではなく35-37°C cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Germany, Hann.-Münden (新種) Mucor variicolumellatus L. Wagner & G. Walther 【よく似た種との区別】 Mucor lusitanicus 小胞子嚢を欠く cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で近縁 本語源…変異のある柱軸の(柱軸の形状から) cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Ellisomyces anomalus (Hesselt. & P. Anderson) Benny & R.K. Benj. 【よく似た種との区別】 Mucor ctenidius cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり胞子嚢の形成が知られている 本種と異なり小胞子嚢が不規則~シンポジオ状に分枝した胞子嚢柄上に生じるのではなくしばしば胞子嚢柄から側生する 本種と異なり小胞子嚢が多胞子性ではなく単胞子性または多胞子性 cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Mucor bainieri B.S. Mehrotra & Baijal (その他掲載種) Mucor circinelloides Tiegh. 【よく似た種との区別】 Mucor pseudocircinelloides 小胞子嚢を欠く 胞子嚢胞子のサイズの範囲が重なる cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり胞子嚢が褐灰色ではなく僅かに橙色 本種より胞子嚢胞子のL/D比が大きい cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Mucor ctenidius (Durrell & M. Fleming) G. Walther & de Hoog 【よく似た種との区別】 Ellisomyces anomalus cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり胞子嚢の形成が知られていない 本種と異なり小胞子嚢がしばしば胞子嚢柄から側生するのではなく不規則~シンポジオ状に分枝した胞子嚢柄上に生じる 本種と異なり小胞子嚢が単胞子性または多胞子性ではなく多胞子性 cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Mucor griseocyanus Hagem ※本種のレクトタイプおよびエピタイプ標本を指定した。 (その他掲載種) Mucor janssenii Lendn. 【よく似た種との区別】 Mucor velutinosus 小胞子嚢を欠く 胞子嚢胞子が類球形 cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり柱軸が主に倒卵状で時に鍵穴形なのではなくしばしば鍵穴形 本種より胞子嚢胞子のサイズが大きい cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mucor amethystinus 小胞子嚢を欠く 本種と異なり菌糸体が紫色を帯びる 本種より胞子嚢のサイズがずっと大きい 本種と異なり柱軸が顕著に細長いのではなく主に球形 本種と異なり胞子嚢胞子が類球形ではなく球形~類球形 cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Mucor lusitanicus Bruderl. 【よく似た種との区別】 Mucor pseudolusitanicus 小胞子嚢を欠く 胞子嚢胞子のサイズの範囲が重なる 胞子嚢胞子が不規則形または楕円形 cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり胞子嚢が幼時クリーム色ではなく淡橙色 本種と異なりコロニーに隆起を有する 本種と異なり最大生長温度が35-37°Cではなく35°C以下 cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mucor variicolumellatus 小胞子嚢を欠く 本種と異なり柱軸が球形ではなく倒卵状、卵形、イチゴ形 cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Mucor ramosissimus Samouts. 【よく似た種との区別】 Mucor atramentarius cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりコロニーが灰色ではなくクリーム色および灰色 本種と異なり柱軸が扁平ではなく僅かに楕円形、球形、または半球形 本種より胞子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり胞子嚢胞子が僅かに角形、類球形ではなく球形~類球形 本種と異なり厚壁胞子を有する cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Mucor velutinosus E. Álvarez, Stchigel, Cano, Deanna A. Sutton & Guarro 【よく似た種との区別】 Mucor janssenii 小胞子嚢を欠く 胞子嚢胞子が類球形 cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり柱軸がしばしば鍵穴形なのではなく主に倒卵状で時に鍵穴形 本種より胞子嚢胞子のサイズが小さい cfs+mcm7+ITS+rpb1+tsr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される