2024年3月11日 (仮訳)韓国産の外生菌根菌の属、Laccaria属の系統学的改訂 Cho, HJ. et al. 2018. A systematic revision of the ectomycorrhizal genus Laccaria from Korea. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/00275514.2018.1507542 [Accessed March 11, 2024] 【R3-11506】2024/3/11投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 韓国産のLaccaria属菌を分子系統解析を用いて再検討し、10種を同定した。 そのうちL. araneosaなど4種を新種記載し、3種を韓国新産種として報告した。 本属菌の形態のみに基づく同定が信頼性に欠けることを指摘したほか、韓国産の本属菌の検索表を掲載した。 韓国全北特別自治道茂朱郡德裕山 (新種) Laccaria araneosa H.J. Cho & Y.W. Lim 語源…クモの巣の(傘中央部表面を菌糸マットが覆うことから) 【よく似た種との区別】 Laccaria acanthospora 子実体のサイズが類似している 子実体の色が類似している ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種より担子胞子の小刺が長い ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria alba 韓国に分布する 子実体のサイズが類似している 子実体の色が類似している 襞が橙褐色 担子器が4胞子性 ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり縁シスチジアを欠くのではなく有する ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 韓国ソウル特別市大学洞 ソウル大学校 (新種) Laccaria parva H.J. Cho & Y.W. Lim 語源…小さな(子実体のサイズから) 【よく似た種との区別】 Laccaria alba 韓国に分布する 襞が橙褐色 担子器が4胞子性 縁シスチジアを有する 本種と異なり側シスチジアを有するのではなく欠く 本種と異なり柄シスチジアを欠くのではなく有する ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria laccata(キツネタケ) 形態的に類似している(この種に同定されていた) 本種と異なり側シスチジアを有するのではなく欠く Laccaria torosa 韓国に分布する 襞が橙褐色 担子器が4胞子性 側シスチジアを有する 縁シスチジアを有する ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり柄シスチジアを欠くのではなく有する ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 韓国慶尚北道鬱陵郡北面羅里キル (新種) Laccaria torosa H.J. Cho & Y.W. Lim 語源…膨らんだ円筒形の(柄基部の形状から) 【よく似た種との区別】 Laccaria bicolor(オオキツネタケ) 韓国に分布する 柄の幅が広い 柄が膨らんだ形状をしている 顕微鏡的形態が類似している 担子器が4胞子性 ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり襞が橙褐色でない 本種と異なり柄下部が淡紫色~紫色の綿毛に覆われない 本種より担子胞子の小刺が短い ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria parva 韓国に分布する 襞が橙褐色 担子器が4胞子性 側シスチジアを有する 縁シスチジアを有する ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり柄シスチジアを有するのではなく欠く ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 韓国忠清南道公州市長安面武城山 (新種) Laccaria versiforma H.J. Cho & Y.W. Lim 語源…多型の(傘の色と形状から) 【よく似た種との区別】 Laccaria bicolor(オオキツネタケ) 形態的に類似している(混同のおそれがある) 傘が褐色 襞が帯桃色 担子器が4胞子性 ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種より担子器のサイズが小さい 本種より担子胞子のサイズが小さい ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria salmonicolor 形態的に類似している ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体が赤色を帯びる 本種と異なり側シスチジアを有するのではなく欠く ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (韓国新産種) Laccaria alba Zhu L. Yang & Lan Wang 【よく似た種との区別】 Laccaria parva 韓国に分布する 襞が橙褐色 担子器が4胞子性 縁シスチジアを有する ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり側シスチジアを欠くのではなく有する 本種と異なり柄シスチジアを有するのではなく欠く ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (韓国新産種) Laccaria japonica Popa & K. Nara 【よく似た種との区別】 Laccaria vinaceoavellanea(カレバキツネタケ) 韓国に分布する 担子器が4胞子性 ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種より傘のサイズが大きい 本種と異なり子実体が新鮮時濃紫色、老成または乾燥時帯灰褐色なのではなく新鮮時淡い帯灰ラベンダー色、老成または乾燥時帯灰黄褐色 本種と異なり担子胞子が類球形ではなく球形 本種より担子胞子のQ値が小さい ITSおよびITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (韓国新産種) Laccaria murina S. Imai ギンコタケ