2014年12月29日 (仮訳)日本と韓国のピンゴケ類菌類相への追加および2新種の記載 Tibell, L., Frisch, A. & Thor, G., 2014. Additions to the calicioid flora of Japan and Korea, with the descriptions of two new species. Annales Botanici Fennici. Available at: http://www.bioone.org/doi/abs/10.5735/085.053.0108 [Accessed December 29, 2014]. 【R3-01415】2014/12/29投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 北海道からPhaeocalicium triseptatum、北海道および韓国からSphinctrina intermediaを新種記載した。 また、韓国からS. leucopodaとして報告されていた地衣がS. intermediaの誤同定であったことを指摘した。 また、アジア新産種P. flabelliforme、日本新産種Microcalicium arenariumおよびChaenothecopsis savonica、北海道新産種S. tubaeformisを報告した。 北海道斜里郡斜里町(岩尾別温泉ホテル~羅臼岳の登山道) (新種) Phaeocalicium triseptatum Tibell 語源…3隔壁の 【よく似た種との区別】 Phaeocalicium flabelliforme 同所的に分布する(北海道知床) 本種と異なりダケカンバではなくミヤマハンノキおよびナナカマド属の一種を宿主とする 本種より子嚢が短い 本種より子嚢の幅が広い 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3ではなく1(-2) Phaeocalicium matthewsianum カバノキ属植物を宿主とする 形態的に類似している(誤同定のおそれがある) 子嚢胞子が成熟すると3隔壁を有する 本種より子嚢果のサイズが小さい 本種と異なり果托がK-あるいは非常に淡い赤色を帯びるのではなく強いK+を示す 本種と異なり子嚢胞子の隔壁のコントラストが弱く不明瞭 本種と異なり子嚢胞子の隔壁が発生初期に形成されるのではなく長い間形成されない Phaeocalicium compressulum 子嚢果が扁平 本種より子嚢果のサイズが小さい 本種より子嚢が短い 本種より子嚢胞子が短い 本種と異なり子嚢胞子の壁に顕著な装飾を有する 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3ではなく0 Phaeocalicium interruptum 本種と異なり日本ではなくフィンランド・ノルウェー・スウェーデンに分布する 本種と異なり有柄の球状子囊盤が鐘形で、扁平ではない 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3ではなく0-1 本種とITS領域の塩基配列がかなり異なる Phaeocalicium betulinum 有柄の球状子囊盤が強く扁平になる 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3ではなく0 北海道斜里郡斜里町(岩尾別温泉ホテルへの道) (新種) Sphinctrina intermedia Tibell 語源…中間の(様々な面がSphinctrina leucopodaとS. turbinataの中間的であることから) 【よく似た種との区別】 Sphinctrina leucopoda(エツキイチジクゴケ) 子嚢胞子が球形~類球形 本種と異なり柄が黒色でない 本種と異なり果托にK+赤色の色素を含まない 本種とITS領域の塩基配列がかなり異なる Sphinctrina turbinata(マルミイチジクゴケ) 子嚢胞子が球形~類球形 本種と異なり子器に顕著な柄を有さない 本種より子嚢のサイズが大きい 本種より子嚢胞子が長い 本種とITS領域の塩基配列がかなり異なる Sphinctrina tubaeformis 同所的に分布する(北海道知床) 本種と異なり担子胞子が球形~立方体状ではなく先端が尖る楕円形 (日本新産種) Chaenothecopsis savonica (Räsänen) Tibell (日本新産種) Microcalicium arenarium (Hampe) Tibell (アジア、日本新産種) Phaeocalicium flabelliforme Tibell 【よく似た種との区別】 Phaeocalicium triseptatum 同所的に分布する(北海道知床) 本種と異なりミヤマハンノキおよびナナカマド属の一種ではなくダケカンバを宿主とする 本種より子嚢が長い 本種より子嚢の幅が狭い 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が1(-2)ではなく3 (北海道新産種) Sphinctrina tubaeformis A. Massal. イチジクゴケ 【よく似た種との区別】 Sphinctrina intermedia 同所的に分布する(北海道知床) 本種と異なり担子胞子が先端が尖る楕円形ではなく球形~立方体状