2014年4月16日 (仮訳)ハンノキのハラタケ類 (2):ヒメムサシタケ属菌の3新種およびヨーロッパにおいてAlnus alnobetulaと関係を持つ種の検索表 Moreau, P-A. et al., 2013. Agarics of alders 2-Three new species of Alnicola (Agaricales, Hymenogastraceae) with a key to species associated with Alnus alnobetula in Europe. Cryptogamie, Mycologie …. Available at: http://www.bioone.org/doi/abs/10.7872/crym.v34.iss2.2013.149 [Accessed April 16, 2014]. 【R3-00610】2014/04/16投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ヨーロッパのアルプス山脈やコルシカ島などで採集された、ヒメムサシタケ属菌の3新種を記載した。 3新種はいずれもAlnus alnobetula(Alnobetula亜属)と関係を持ち、同じハンノキ属でもAlnus亜属の種との関係性は確認されなかった。 また、Alnus alnobetulaと関係を持つヨーロッパ産の本属菌の検索表を掲載した。 France, Bastelica, val d’Ese (新種) Alnicola badiofusca P.-A. Moreau 語源…暗黄褐色の(A. badiaよりも暗色であることも示唆している) 【よく似た種との区別】 Alnicola umbrina 酸性の基質に発生する傾向がある 子実体が紫色を帯びることがある ITS+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(ITS領域の塩基配列が完全に一致し、同じ/umbrinaクレードに含まれる) 本種と異なりAlnus alnobetulaではなくA. glutinosa、A. incana、A. cordataを宿主とする 本種と異なり傘表面に条線を持つ 本種と異なり傘表面が完全に糠状にならない 本種と異なり被膜の名残を持つ 本種より担子胞子のサイズが大きく、長径が11.5 μmを超える 本種と異なり担子胞子が紡錘形でない ITS+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ただしITS領域の配列は完全に一致する) Alnicola badia ヨーロッパに分布する Alnus alnobetulaと関係を持つ 形態的に類似している(特に紫色や赤色を欠く子実体) 傘表面が強く糠状になる 傘に吸水性を持つ 担子胞子のサイズの範囲が重なる 担子胞子のQ値の範囲が重なる 側シスチジアを持つ 本種と異なり傘が狐黄褐色・狐褐色・さび褐色・帯赤褐色・帯紫褐色・白黒ではなく淡黄色~帯赤褐色または老成すると帯黄色 本種と異なり傘が典型的には2色からなる 本種と異なり成熟すると傘にいくぶん条線を生じる 本種と異なり襞が初め帯紫色~肉桂褐色でのちにさび褐色になるのではなく、類白色~帯黄色でのちに肉桂褐色になる 本種と異なり強い大根臭ではなく弱い大根臭・樹脂臭あるいは微かな果実臭がある 本種と異なり担子胞子の頂部が先細りになるか尖るのではなく鈍頭 本種と異なり傘表皮の表面の菌糸が全体的かつ規則的に付着物に覆われず、平滑または一部しか付着物に覆われない 本種と異なり柄シスチジアが紡錘形~槍形ではなく、部分的に槍形で類球形の”articles”が鎖状になる ITS+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(/umbrinaクレードではなく/badiaクレードに含まれる) Alnicola pallidifolia 同所的に発生することがある Alnus alnobetulaと関係を持つ 本種と異なり傘表面が強い糠状~鱗片状ではなく亀裂を生じる 本種と異なり傘表面に吸水性を欠く 本種と異なり側シスチジアの分布が襞の縁部に限られる 本種と異なり柄シスチジアを欠く ITS+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Alnicola dubis ITS+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(同じ/umbrinaクレードに含まれる) ITS+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Alnicola striatula ITS+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(同じ/umbrinaクレードに含まれる) ITS+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Austria, Tirol, Obergurgl (新種) Alnicola pallidifolia P.-A. Moreau & Peintner 語源…淡色の襞の 【よく似た種との区別】 Alnicola badia 同所的に発生することがある Alnus alnobetulaと関係を持つ 傘が二色からなる 本種と異なり傘表面に亀裂が生じるのではなく、強い糠状~鱗片状になる傾向がある 本種と異なり成熟すると傘にいくぶん条線を生じる 本種と異なり傘表面に吸水性を持つ 本種と異なり側シスチジアが襞の縁部に限られずより広く分布する 本種と異なり柄シスチジアを持つ ITS+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Alnicola badiofusca 同所的に発生することがある Alnus alnobetulaと関係を持つ 本種と異なり傘表面に亀裂が生じるのではなく、強い糠状~鱗片状になる傾向がある 本種と異なり傘表面に吸水性を持つ 本種と異なり側シスチジアが襞の縁部に限られずより広く分布する 本種と異なり柄シスチジアを持つ ITS+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Alnicola luteolofibrillosa 老成した子実体が類似していることがある 本種と異なり味が温和または大根状ではなく強い苦味がある(ただし、本種も例外的に苦味を持つことはある) ITS+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Alnicola citrinella ヨーロッパに分布する ITS+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりAlnus alnobetulaとの関係が知られていない 本種と異なり味が温和または大根状ではなく強い苦味がある(ただし、本種も例外的に苦味を持つことはある) 本種と異なり縁シスチジアに長い頸部を持つ ITS+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Alnicola spectabilis ヨーロッパに分布する Alnus alnobetulaと関係を持つ 傘に吸水性を欠く 傘表面が僅かに糠状である 傘表面に条線を持たない 襞の縁部以外に側シスチジアが形成されない 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なり傘が淡黄色~黄褐色ではなく赤褐色~暗いさび褐色 本種と異なり肉が脆くなく肉質 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種より担子胞子のQ値が大きい 本種と異なり担子胞子が広扁桃形ではなく狭扁桃形 本種と異なり担子胞子の頂部が鈍頭ではなく鋭頭 本種と異なり担子胞子の装飾が低いトゲ状ではなく微細な点状 本種と異なり柄の頂部に柄シスチジアを持つ ITS+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Austria, Tirol, Obergurgl (新種) Alnicola spectabilis P.-A. Moreau & Peintner 語源…顕著な(本属菌としては例外的にがっしりとした子実体を形成することから) 【よく似た種との区別】 Alnicola salabertii 形態的に類似している(本種にpseudosalabertiiの種小名が検討されたこともあった) 本種と異なりAlnus alnobetulaではなくAlnus cordataと関係を持つ 本種より子実体のサイズが小さい 本種と異なり味が温和またはきのこ様ではなく強い苦味を持つ 本種と異なり側シスチジアを持つ Alnicola badiofusca ヨーロッパに分布する Alnus alnobetulaと関係を持つ 肉眼的形態が類似している 本種より子実体のサイズが小さい 本種より傘表面が糠状 本種より柄が細い 本種と異なり柄の頂部が粉状ではなく粗い綿毛状~糠状 本種より担子胞子が濃色 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり側シスチジアを持つ 本種と異なり傘表皮に”chains of articles”を持つ ITS+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Alnicola pallidifolia ヨーロッパに分布する Alnus alnobetulaと関係を持つ 傘に吸水性を欠く 傘表面が僅かに糠状である 傘表面に条線を持たない 襞の縁部以外に側シスチジアが形成されない 本種より子実体のサイズが小さい 本種と異なり傘が赤褐色~暗いさび褐色ではなく淡黄色~黄褐色 本種と異なり肉が肉質ではなく脆い 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より担子胞子のQ値が小さい 本種と異なり担子胞子が狭扁桃形ではなく広扁桃形 本種と異なり担子胞子の頂部が鋭頭ではなく鈍頭 本種と異なり担子胞子の装飾が微細な点状ではなく低いトゲ状 本種と異なり柄の頂部に柄シスチジアを持たない ITS+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される