2014年10月10日 (仮訳)耐熱性・耐乾性担子菌の新系統、Basidioascus属およびGeminibasidium属 Nguyen, HDT., Nickerson, NL. & Seifert, KA., 2013. Basidioascus and Geminibasidium: a new lineage of heat-resistant and xerotolerant basidiomycetes. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/105/5/1231.short [Accessed October 10, 2014]. 【R3-01175】2014/10/10投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 米国、カナダにおいて土壌試料を加熱処理して耐熱性・耐乾性担子菌のBasidioascus属菌および(新属)Geminibasidium属菌を分離し、前者に1新種を加えた。 両属は子実体を欠く点、担子器や担子胞子の形態などが類似し、系統的にも近縁であったが、前者は担子器自体に射出性を有していた。 分子系統解析でWallemia属との類縁性が示唆されたことから、両属に対して新目ジェミニバシディウム目を提唱し、ワレミア綱に含めた。 Wizard Island, Oregon, United States (新種) Basidioascus magus H.D.T. Nguyen, N.L. Nickerson and Seifert 語源…魔法使いの(ウィザード島で採集されたことから) 【よく似た種との区別】 Basidioascus undulatus 担子胞子が褐色 担子胞子が類球形 担子胞子の壁が波打ち厚い 最適生長温度が30℃前後 M40Y培地でのコロニーが類似している SSU+5.8S+LSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種より担子器のサイズが一般的に大きい 本種より担子胞子のサイズが一般的に大きい 本種と異なり不稔の担子胞子を形成するという特徴を持つ 本種と異なりGeotrichum属類似の分節分生子を形成するアナモルフを持つ 本種より生長が速い 本種と異なり37℃で生育可能 本種よりMEA培地でのコロニーが星形に近い 本種と異なりDG18培地でのコロニーが平らではなく凸形 本種と異なりDG18培地でのコロニーの表面に溝線を生じるのではなくロゼット状 本種と異なり塩分耐性を有する SSU+5.8S+LSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Manitoba, Canada (その他掲載種) Basidioascus undulatus Matsush. ※本種のエピタイプを指定した。 【よく似た種との区別】 Basidioascus magus 担子胞子が褐色 担子胞子が類球形 担子胞子の壁が波打ち厚い 最適生長温度が30℃前後 M40Y培地でのコロニーが類似している SSU+5.8S+LSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種より担子器のサイズが一般的に小さい 本種より担子胞子のサイズが一般的に小さい 本種と異なり不稔の担子胞子を形成するという特徴を欠く 本種と異なりGeotrichum属類似の分節分生子を形成するアナモルフを欠く 本種より生長が遅い 本種と異なり37℃で生育不能 本種ほどMEA培地でのコロニーが星形にならず一様 本種と異なりDG18培地でのコロニーが凸形ではなく平ら 本種と異なりDG18培地でのコロニーの表面がロゼット状ではなく溝線を生じる 本種と異なり塩分耐性を欠く SSU+5.8S+LSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sable River, Nova Scotia, Canada (新種) Geminibasidium donsium H.D.T. Nguyen, N.L. Nickerson and Seifert 語源…(属名)双子の担子器/(種小名)筆頭著者の友人、Don Brissonに献名 【よく似た種との区別】 Geminibasidium hirsutum 塩分耐性を有する MYA培地での最適生長温度が30℃ 37℃である程度生育可能 M40Y培地でのコロニーが類似している(桃色) DG18培地でのコロニーが類似している(桃色) SSU+5.8S+LSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり担子器に小柄状の連結部を伴う膨大した細胞の列を形成しない 本種と異なり担子胞子の装飾が成熟時僅かに疣状ではなく長粗毛状 本種と異なりM40Y培地での最適生長温度が37℃ではなく30℃ 本種と異なりMEA培地でのコロニーが桃色ではなくベージュ色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Shingle Bolt Trail, Capilano Gorge, base of Grouse Mountain, North Vancouver, British Columbia, Canada (新種) Geminibasidium hirsutum H.D.T. Nguyen, N.L. Nickerson and Seifert 語源…毛状の(担子胞子の装飾より) 【よく似た種との区別】 Geminibasidium donsium 塩分耐性を有する MYA培地での最適生長温度が30℃ 37℃である程度生育可能 M40Y培地でのコロニーが類似している(桃色) DG18培地でのコロニーが類似している(桃色) SSU+5.8S+LSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり担子器に小柄状の連結部を伴う膨大した細胞の列を形成する 本種と異なり担子胞子の装飾が成熟時長粗毛状ではなく僅かに疣状 本種と異なりM40Y培地での最適生長温度が30℃ではなく37℃ 本種と異なりMEA培地でのコロニーがベージュ色ではなく桃色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される