2024年11月25日 （仮訳）半島マレーシア産発光菌類：分類学的および系統学的概観 Chew, ALC. et al. 2014. Bioluminescent fungi from Peninsular Malaysia—a taxonomic and phylogenetic overview. Fungal Diversity. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s13225-014-0302-9 [Accessed November 25, 2024] 【R3-12284】2024/11/25投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません（大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため）。 3行まとめ 半島マレーシアで採集された15種の発光性菌類について系統分類学的研究を実施した。 Mycena gombakensisなどMycena属の3種と、従来Panellus pusillusと誤同定されたてきたP. luxfilamentusを新種記載した。 半島マレーシア産発光性菌類の検索表を掲載した。 Malaysia, Selangor, Ulu Gombak （新種） Mycena coralliformis A.L.C. Chew & Desjardin 語源…珊瑚形の（傘表皮と柄表皮の菌糸の形状から） 【よく似た種との区別】 Mycena noctilucens マレーシアに分布する 襞に縁取りがある 傘表皮菌糸の形態が類似している ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なり子実体に発光性を有する 本種より傘の直径が大きい 本種と異なり傘が帯紫褐色～淡桃色 本種と異なり傘が凸形 本種と異なり傘中央部表面を粉状～繊維状の粒子が覆う 本種と異なり一次襞の数が最大28 本種と異なり襞が湾生～直生から直生～垂生する 本種と異なり襞の幅が広い 本種と異なり脈間襞を有する 本種と異なり柄表面が繊維状 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり担子胞子が類球形～広楕円形 本種と異なり側シスチジアを有する 本種より縁シスチジアのサイズが大きい 本種と異なり柄シスチジアを有する 本種と異なり菌糸に帯赤褐色～紫色の油滴を含む ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mycena lux-coeli（シイノトモシビタケ） 子実体の形態が類似している 側シスチジアを欠く 本種より傘のサイズが大きい 本種と異なり一次襞の数が14-21 本種と異なり襞が直生～上生する 本種と異なり襞の間隔がやや疎 本種と異なり襞に発光性を有する 本種と異なり襞縁部が帯紫褐色 本種と異なり襞に僅かに脈間襞を有する 本種と異なり柄に発光性を有する 本種と異なり柄基部表面が毛状 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が広楕円形 本種と異なり担子胞子が非アミロイド 本種より縁シスチジアのサイズが大きい 本種と異なり縁シスチジアに帯紫褐色の内容物を含む 本種と異なり傘シスチジアに帯紫褐色の内容物を含む 本種と異なり傘シスチジアが棍棒形で鈍頭 本種と異なり柄シスチジアに帯紫褐色の内容物を含む 本種と異なり柄シスチジアが棍棒形で鈍頭 Mycena seynii 本種と異なり傘が帯褐灰色～淡桃色 本種と異なり傘表面が繊維状 本種と異なり一次襞の数が18-28 本種と異なり襞が”ascending”から直生する 本種と異なり襞の幅が広い 本種と異なり襞が類白色で縁部が帯赤紫色 本種と異なり襞に僅かに脈間襞を有する 本種と異なり柄表面が毛状 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子がアミロイド 本種より縁シスチジアのサイズが大きい 本種と異なり縁シスチジアに暗赤色～褐色の小粒を含む 本種と異なり傘表皮の末端細胞が類棍棒形～円筒形 本種と異なり柄表皮の末端細胞が類棍棒形～円筒形 本種と異なり傘表皮に暗赤色～褐色の小粒を含む 本種と異なり柄表皮に暗赤色～褐色の小粒を含む Malaysia, Kelantan, Kuala Koh National Park （新種） Mycena nocticaelum A.L.C. Chew & Desjardin 語源…夜空の（地面に散らばった小枝に生育する様子が澄んだ星空のようであることから） 【よく似た種との区別】 Mycena pseudostylobates（キュウバンタケモドキ） アジアに分布する 本種と異なりマレーシアではなく日本などに分布する 本種と異なり小枝ではなく葉上に生息する 本種と異なり子実体に発光性が知られていない 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり傘縁部細胞に小刺を欠く Mycena pseudoseta アジアに分布する 本種と異なりマレーシアではなくタイなどに分布する 本種と異なり小枝ではなく葉上に生息する 本種と異なり発光性が知られていない 本種より襞の数が僅かに少ない 本種より柄が長い 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり縁シスチジアの頂部に長い刺状突起を多数有する 本種と異なり柄表皮菌糸に僅かに刺状突起を有する 本種と異なり柄基部円盤の末端細胞が糸状 Mycena tenuispora 本種と異なりマレーシアではなくヨーロッパなどに分布する 本種と異なり生きたハンノキ属植物に生息する 本種と異なり発光性が知られていない 本種と異なり縁シスチジア頂部に円筒形の突起を多数有する 本種と異なり柄シスチジアが明瞭な集まりをなす 本種と異なり柄シスチジアが槍形 本種と異なり柄シスチジア表面が平滑 Mycena kentingensis アジアに分布する 発光性が知られている ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりマレーシアではなく台湾などに分布する 本種より傘のサイズが大きい 本種より柄が長い 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形～洋梨形 本種と異なり縁シスチジア頂部に密な刺状突起を有する 本種と異なり縁シスチジアが薄壁 本種と異なり傘表皮が集まって傘の刺をなす有柄球状～球形の密に刺状突起のある刺状細胞の菌糸層からなる 本種より柄基部円盤シスチジアの幅が狭い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Malaysia, Selangor, Ulu Gombak （新種） Mycena gombakensis A.L.C. Chew & Desjardin 語源…（ウル・）ゴンバック産の 【よく似た種との区別】 Mycena umbellula アジアに分布する 本種と異なりマレーシアではなくシンガポールなどに分布する 本種と異なり葉上に生息する 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形で頂部に突起を有する 本種と異なり傘表皮菌糸に突起を欠き平滑 Mycena polygramma（アシナガタケ） 縁シスチジアの一部に類似の突起を有する 傘表皮の構造が類似している nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が鐘形で中央部が突出する 本種と異なり一次襞の数が20-40 本種と異なり襞が上生～ほぼ離生する 本種と異なり襞の間隔が密 本種と担子胞子のサイズが異なる 本種と柄表皮の構造が異なる nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mycena inclinata var. kinabaluensis 材上に生育する 傘が褐色で縁部が淡色 担子胞子が楕円形 本種より傘のサイズが大きい 本種と異なり傘中央部が突出する 本種と縁シスチジアの幅が異なる 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形で短い中空の円筒形突起を有する 本種と異なり傘表皮が4層からなり、その内3-4細胞層が偽柔組織状である Mycena cahaya マレーシアに分布する 子実体のサイズが中型 子実体に発光性を有する 傘表面が乾性 傘表面が平滑 襞が垂生する 担子胞子が長楕円形 担子胞子がアミロイド nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり落葉上に生息する 本種と異なり襞の間隔がやや疎 本種と異なり側シスチジアが便腹形～紡錘形で先端が尖る 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形～便腹形で突起を欠く 本種と異なり傘表皮菌糸が平滑 本種と異なり柄表皮菌糸が平滑 nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mycena sinar マレーシアに分布する 子実体のサイズが中型 傘表面が乾性 傘表面が平滑 襞が垂生する 担子胞子が長楕円形 担子胞子がアミロイド nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり落葉上に生育する 本種と異なり襞の間隔がやや疎 本種と異なり襞縁部が不稔 本種と異なり縁シスチジアが平滑 本種と異なり傘表皮菌糸に分岐する突起を欠く 本種と異なり柄表皮菌糸に分岐する突起を欠く nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mycena seminau マレーシアに分布する 子実体のサイズが中型 傘表面が乾性 傘表面が平滑 襞が垂生する 担子胞子が長楕円形 担子胞子がアミロイド nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり落葉上に生育する 本種と異なり襞の間隔がやや疎 本種と異なり襞縁部が不稔 本種と異なり縁シスチジアが平滑 本種と異なり傘表皮菌糸に分岐する突起を欠く 本種と異なり柄表皮菌糸に分岐する突起を欠く nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Malaysia, Selangor, Pahang, Fraser’s Hill, Pine Tree trail （新種） Panellus luxfilamentus A.L.C. Chew & Desjardin 語源…光の糸の 【よく似た種との区別】 Panellus pusillus（スズメタケ） 形態的に類似している（誤同定されてきた） 子実層托が孔状～時にやや襞状 ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりマレーシアではなく米国、イスパニョーラ島などに分布する 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なり子実体に発光性を有する 本種と異なり傘が類白色、淡い帯褐色または帯桃褐色 本種と異なり傘表面が微毛状～圧着した綿毛状 本種と異なり子実層托が時に帯桃色 本種と異なり子実層托が放射状に伸長した孔状 本種より柄が長い 本種と担子胞子のサイズが異なる 本種と異なり縁シスチジアに屈折性の内容物を含む 本種と異なり孔縁部菌糸に赤褐色の結晶を伴う 本種と異なり側シスチジアを孔縁部付近に有することがある 本種と異なり側シスチジアが稀 本種と異なり側シスチジアが円筒形～槍形 本種と異なり子実層托実質が密な交錯菌糸組織からなる 本種と異なり傘実質が密な交錯菌糸組織からなる 本種と異なり傘表皮が緩い交錯菌糸組織からなる 本種と異なり傘シスチジアが円筒形で屈曲する 本種と異なり傘シスチジアに屈折性の内容物を含む 本種と異なり柄表皮が緩い交錯菌糸組織からなる 本種と異なり柄シスチジアが円筒形で屈曲する 本種と異なり柄シスチジアに屈折性の内容物を含む ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される （その他掲載種） Neonothopanus nambi (Spegazzini) R.H. Petersen & Krisai （新組み合わせ） Roridomyces pruinosoviscidus (Corner) Blanco-Dios 旧名：Mycena pruinosoviscida Corner （その他掲載種） Mycena chlorophos (Berkeley & M.A. Curtis) Saccardo ヤコウタケ （半島マレーシア新産種） Mycena noctilucens Corner 【よく似た種との区別】 Mycena coralliformis マレーシアに分布する 襞に縁取りがある 傘表皮菌糸の形態が類似している ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体のサイズが小さい 本種と異なり子実体に発光性を欠く 本種より傘の直径が小さい 本種と異なり傘が帯紫褐色～淡桃色でない 本種と異なり傘が凸形でない 本種と異なり傘中央部表面を粉状～繊維状の粒子が覆うという特徴を欠く 本種と異なり一次襞の数が最大28でない 本種と異なり襞が湾生～直生から直生～垂生するという特徴を欠く 本種と異なり襞の幅が狭い 本種と異なり脈間襞を欠く 本種と異なり柄表面が繊維状でない 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子が類球形～広楕円形でない 本種と異なり側シスチジアを欠く 本種より縁シスチジアのサイズが小さい 本種と異なり柄シスチジアを欠く 本種と異なり菌糸に帯赤褐色～紫色の油滴を含むという特徴を欠く ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される （その他掲載種） Mycena illuminans Hennings （その他掲載種） Filoboletus manipularis (Berkeley) Singer （その他掲載種） Panellus luminescens Corner