(仮訳)中国においてネギ属作物に病害を引き起こすハイイロカビの新種Botrytis sinoallii
Zhang, J. et al., 2010. Botrytis sinoallii: a new species of the grey mould pathogen on Allium crops in China. Mycoscience. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s10267-010-0057-4 [Accessed March 12, 2015].
【R3-01636】2015/03/13投稿

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3行まとめ

中国湖北省においてタマネギ、ネギ、ニンニク、ニラなど複数のネギ属作物に発生したBotrytis属菌を検討し、5種と1新種を認めた。
本種はPDA培地上で無数の小型の菌核を形成し、複数遺伝子に基づく分子系統解析では独自の系統を形成した。
本種は接種試験でネギ、ニンニク、ニラに葉枯病の症状を起こし、新規病原菌と認められた。
中国湖北省咸寧市

(新種)

Botrytis sinoallii J. Zhang, G.Q. Li & W.Y. Zhuang
語源…中国のネギの
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Botrytis elliptica
G3PDH+RPB2+HSP60に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりネギ属ではなくユリ属植物およびチョウセンバイモを宿主とする
本種より菌核のサイズが大きい
本種より分生子のサイズが大きい
G3PDH+RPB2+HSP60に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Botrytis ficariarum
G3PDH+RPB2+HSP60に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりネギ属ではなくヒメリュウキンカを宿主とする
本種より菌核のサイズが大きい
本種より分生子のサイズが小さい
G3PDH+RPB2+HSP60に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Botrytis ranunculi
G3PDH+RPB2+HSP60に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりネギ属ではなくキンポウゲ属植物を宿主とする
本種より菌核のサイズが大きい
本種より分生子のサイズが小さい
G3PDH+RPB2+HSP60に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Botrytis squamosa
中国湖北省に分布する
ネギ属植物を宿主とする
葉枯病を引き起こす病原菌である
菌核が球形~楕円形
コロニーが白色
培養下で分生子を形成しない
G3PDH+RPB2+HSP60に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のQ値が小さい
本種と異なり分生子が楕円形~長楕円形ではなく長楕円形
本種より菌核のサイズが大きい
本種と異なり培養下で菌核を豊富に形成するのではなく疎らにしか形成しない
本種よりコロニーの生長が遅い(有意差なし)
G3PDH+RPB2+HSP60に基づく分子系統解析で明瞭に区別される