(仮訳)ガイアナ産アンズタケ科菌類 (2):Craterellus属の新種、Cantharellus guyanensisおよびCraterellus excelsusの南米における新分布記録、新熱帯産分類群の検索表
Henkel, T. et al., 2014. Cantharellaceae of Guyana II: New species of Craterellus, new South American distribution records for Cantharellus guyanensis and Craterellus excelsus, and a key to the Neotropical taxa. Mycologia. …. Available at: http://www.mycologia.org/content/106/2/307.short [Accessed November 25, 2014].
【R3-01314】2014/11/25投稿

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3行まとめ

ガイアナからCraterellus olivaceoluteusおよびC. cinereofimbriatusの2種を新種記載した。
ガイアナ産の多数の標本を基にC. guyanensisの再記載を行ったほか、C. excelsusを仏領ギアナから初めて報告した。
新熱帯産の種を中心としたCantharellus属およびCraterellus属の種の検索表を掲載した。
Guyana, Potaro-Siparuni, Pakaraima Mountains, Upper Potaro River Basin, 2.5 km southwest of base camp near Dicymbe plot 3

(新種)

Craterellus olivaceoluteus T.W. Henkel, Aime & A.W. Wilson
語源…オリーブ黄色の(子実体の色から)
※本種はWilson et al. (2012)Craterellus sp. 2と呼ばれていた種である。
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【よく似た種との区別】
Craterellus pleurotoides
同所的に分布する(ガイアナ)
高度に腐朽した材に発生する
子実体が微小
傘が帯オリーブ黄色で縁部にかけて淡色の黄色
子実層面が淡灰色
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が常にヒラタケ型
本種より担子器が短い
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Craterellus lutescens(トキイロラッパタケ)
子実体が有柄
傘が暗色
子実層面が淡色
柄がいくぶん上下同大
柄表面が無毛
クランプを有する
本種と異なり熱帯域ではなく北半球温帯に分布する
本種より傘の幅が常に狭い
傘が帯オリーブ褐色で縁部が帯黄緑色ではなく暗褐色
本種と異なり傘表面が無毛ではなく繊維状~羊毛状
本種と異なり子実層面が帯灰色~帯黄オリーブ色ではなく黄色~帯赤橙色
本種より柄が短い
本種と異なり担子器が4-6胞子性ではなく2-4胞子性
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Craterellus tubaeformis(ミキイロウスタケ)
子実体が有柄
傘が暗色
子実層面が淡色
柄がいくぶん上下同大
柄表面が無毛
クランプを有する
本種と異なり熱帯域ではなく北半球温帯に分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり皺襞がよく発達する
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Craterellus ignicolor
子実体が有柄
傘が暗色
子実層面が淡色
柄がいくぶん上下同大
柄表面が無毛
クランプを有する
本種と異なり熱帯域ではなく北半球温帯に分布する
本種と異なり傘が帯オリーブ褐色ではなく暗橙色
本種と異なり皺襞を有する
本種より担子胞子が長い
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus xanthoscyphus
新熱帯に分布する
子実体が小型
子実体が有柄
子実体の全体的な色が類似している
子実層面が平滑~皺状
クランプを有する
本種と異なりガイアナではなくブラジルに分布する
本種より傘の幅が狭い
本種と異なり傘が帯オリーブ褐色ではなく淡黄色
本種と異なり傘の縁部が長縁毛状ではなく不規則な切れ込み状
本種より柄が短い
本種と異なり傘表皮の菌糸が厚壁で強く膨大するという特徴を欠く
Cantharellus lateritius var. colombianus
新熱帯に分布する
子実体が黄橙色を帯びる
子実層面が平滑~皺状
本種と異なりガイアナではなくコロンビアに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より子実体が広い漏斗形
本種と異なり傘が穿孔状でない
本種と異なり傘表面に小鱗片を伴う
本種と異なり柄が中実
Pseudocraterellus laeticolor
子実体のサイズが類似している
子実体全体が黄色~橙色
子実体が類漏斗形
本種と異なりガイアナではなくコンゴに分布する
本種と異なり子実層面が傘と同色の橙色
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり実質の菌糸にクランプを欠く
本種と異なり実質の菌糸に二次隔壁を豊富に含む
Craterellus aureus
熱帯域に分布する
傘が黄橙色を帯びる
子実層面が平滑~皺状
柄が黄橙色を帯びる
本種と異なり新熱帯ではなく旧熱帯に分布する
本種と異なり傘が帯オリーブ褐色ではなく橙色
本種と異なり担子胞子が楕円形ではなく類球形
本種と異なりクランプを欠く
Guyana, Potaro-Siparuni, Pakaraima Mountains, Upper Potaro River Basin, 2 km southwest of base camp

(新種)

Craterellus cinereofimbriatus T.W. Henkel, Aime & A.W. Wilson
語源…淡灰色で長縁毛状の(傘の色と縁部の性状から)
※本種はWilson et al. (2012)Craterellus sp. 1と呼ばれていた種である。
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【よく似た種との区別】
Craterellus excelsus
同所的に分布する(ガイアナ)
子実体全体の色が淡灰色~灰褐色で類似している
傘の縁部が成熟すると広く波打つ
子実層面が常に平滑
柄が中空
担子器のサイズが類似している
担子器の形状が類似している
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が単生または小さな叢生する集まりをなすのではなく大きな叢生する集まりをなす
本種より子実体の高さが常に高い
本種ほど子実体の傘と柄がはっきりとしていない
本種より傘が広い漏斗形
本種より傘中央部の穿孔部が広い
本種と異なり傘の最縁部が長縁毛状~円鋸歯状ではなく平滑
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Craterellus orinocensis
熱帯域に分布する
南米に分布する
低地に分布する
子実体のサイズが類似している
子実体の全体的な色が類似している
本種と異なり子実体が帯褐色~汚褐色
本種より子実体が完全な漏斗形に近い
本種と異なり柄表面に毛の束を伴う
本種より担子器がずっと短い
本種と異なり担子器が常に6胞子性
Craterellus verrucosus
子実体が叢生する
子実体の高さが低い
子実層面が淡灰色
肉が薄く柔軟
担子胞子のサイズが類似している
本種と異なりガイアナおよびベネズエラではなくマレーシアに分布する
本種と異なり子実層面が疣状
本種と異なり柄の基部が汚暗褐色~黒色
本種と異なり柄の基部が疣状
本種より担子器がやや短い
本種と異なり担子器が類棍棒形
本種より実質の菌糸が膨大する
Craterellus cornucopioides(クロラッパタケ)
子実体が叢生する
子実層面が淡灰色
担子器が100 μmに達する
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南米ではなく北半球温帯に分布する
本種と異なり子実体が汚褐色~黒色
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Craterellus cornucopioides var. flavicans
本種と異なり南米ではなくヨーロッパに分布する
本種と異なり子実層面が淡灰色ではなく淡黄色
Craterellus cornucopioides var. roseus
本種と異なり南米ではなくヨーロッパに分布する
本種と異なり子実層面が淡灰色ではなく帯ばら色
Craterellus cornucopioides var. mediosporus
熱帯域に分布する
本種と異なり南米(新熱帯)ではなくマレーシア(旧熱帯)に分布する
6胞子性の担子器を有する
担子胞子のサイズが類似している
本種と異なり子実体が汚褐色~黒色
Craterellus cornucopioides var. parvisporus
本種と異なり南米ではなくコンゴに分布する
本種と異なり子実体が帯黒褐色
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子器が常に4胞子性
Pseudocraterellus sinuosus
ギアナ楯状地に分布する
子実体のサイズが一見類似している
子実体の色が一見類似している
本種と異なり実質の菌糸が豊富に二次隔壁を有し数珠状の列をなす
Craterellus atratoides
ガイアナに分布する
傘が帯灰褐色
傘に狭い穿孔部を有する
柄が中空
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘の縁部が淡灰色ではなく帯灰黄褐色
本種と異なり子実層面が淡灰色ではなく淡い帯青灰色
本種と異なり子実層面が平滑~やや皺状ではなく平滑~皺状
本種より柄の幅が狭い
本種と異なり柄が淡い帯褐灰色ではなく傘と同色
本種と異なりクランプを有する

(その他掲載種)

Cantharellus guyanensis Mont.
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【よく似た種との区別】
Cantharellus aurantioconspicuus
ブラジルに分布する
子実体の傘と柄がはっきりとしている
子実体全体が橙色
子実層托がよく発達した襞状
担子器のサイズが類似している
担子胞子のサイズが類似している
本種より子実体がしっかりとしている
本種より傘の直径が常に大きい
本種と異なり傘表皮の末端細胞が厚壁でない
Cantharellus amazonensis
ブラジルに分布する
子実体が小型
本種と異なり傘が鮮やかな赤色
本種と異なり襞が互いに連絡しない
本種と異なり担子器が3-6胞子性ではなく主に6胞子性
本種と異なり傘表皮の末端細胞が厚壁でない
Cantharellus protectus
ブラジルに分布する
子実体のサイズが類似している
傘が主に黄橙色からなる
子実層托がはっきりとした互いに連絡する襞状
本種と異なり子実層面が帯橙クリーム色ではなく帯橙黄色
本種と異なり柄が帯桃橙色~淡橙色ではなく帯橙黄色
本種より担子器が短い
本種と異なり担子器が3-6胞子性ではなく主に6胞子性
本種より担子胞子のサイズが常に小さい
本種より傘表皮の末端細胞の壁が薄壁

(仏領ギアナ新産種)

Craterellus excelsus T.W. Henkel & Aime
Coccoloba lianasが本種の新宿主となると見られた。
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【よく似た種との区別】
Craterellus orinocensis
南米に分布する
本種と異なりガイアナおよび仏領ギアナではなくベネズエラに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり子実体が淡い帯灰褐色ではなく暗い帯灰褐色
本種と異なり子実層面が帯灰クリーム色~淡灰色ではなく帯紫灰色
本種と異なり子実層面が平滑ではなく平滑~皺状
本種と異なり担子器が2-6胞子性ではなく常に6胞子性
本種より担子胞子のサイズが小さい
Craterellus cinereofimbriatus
同所的に分布する(ガイアナ)
子実体全体の色が淡灰色~灰褐色で類似している
傘の縁部が成熟すると広く波打つ
子実層面が常に平滑
柄が中空
担子器のサイズが類似している
担子器の形状が類似している
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が大きな叢生する集まりをなすのではなく単生または小さな叢生する集まりをなす
本種より子実体の高さが常に低い
本種より子実体の傘と柄がはっきりとしている
本種ほど傘が広い漏斗形でない
本種より傘中央部の穿孔部が狭い
本種と異なり傘の最縁部が平滑ではなく長縁毛状~円鋸歯状
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される