2015年1月2日 (仮訳)南アフリカにおいてユーカリ属樹木から見出された2新規分類群を含むCeratocystis属菌 Nkuekam, GK., Wingfield, MJ. & Roux, J., 2013. Ceratocystis species, including two new taxa, from Eucalyptus trees in South Africa. Australasian Plant Pathology. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s13313-012-0192-9 [Accessed January 1, 2015]. 【R3-01426】2015/01/01投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 南アフリカ6州においてユーカリ属樹木の傷および3科5属の昆虫から得られたCeratocystis属菌の260分離株を検討し、9種を認めた。 形態学的検討および分子系統解析の結果を基に、そのうちC. salinariaおよびC. decipiensの2種を新種記載した。 接種試験では両種のEucalyptus grandis苗に対する病原性は認められなかった(病変部がごく微小でコッホの原則を満たさない)。 South Africa, Limpopo Province, Soutpansberg area (新種) Ceratocystis salinaria Kamgan-Nkuek. & Jol. Roux 語源…塩田の(塩田で有名なサウトパンスバーグ地域で見出されたことから) 【よく似た種との区別】 Ceratocystis decipiens 同じC. moniliformis種複合体に含まれる 同所的に分布する(南アフリカ、リンポポ州) ユーカリ属樹木およびそれと関係する昆虫から分離される 子嚢果の基部が刺状 子嚢果頸部の基部にプレート状の構造を有する 子嚢胞子が帽子形 コロニーの生長が速い 人工培地での培養下でバナナの芳香がある 接種試験でEucalyptus grandis苗に対する病原性が認められない BT1およびEF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢果頸部の幅が狭い 本種より孔口毛が短い 本種よりコロニーの生長が遅い 本種と異なり培養下で胞子を形成しないか植え継ぐと形成しなくなる傾向がある BT1およびEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ceratocystis oblonga BT1およびEF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢果の頸部がずっと長い 本種より分生子がずっと長い BT1およびEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ceratocystis savannae BT1およびEF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢果の頸部がずっと長い 本種より分生子がずっと長い BT1およびEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される South Africa, Limpopo Province, Soutpansberg area (新種) Ceratocystis decipiens Kamgan-Nkuek. & Jol. Roux 語源…騙す(BTに基づく分子系統解析で1種、EF1-αに基づく分子系統解析で2種に見えることから) 【よく似た種との区別】 Ceratocystis salinaria 同じC. moniliformis種複合体に含まれる 同所的に分布する(南アフリカ、リンポポ州) ユーカリ属樹木およびそれと関係する昆虫から分離される 子嚢果の基部が刺状 子嚢果頸部の基部にプレート状の構造を有する 子嚢胞子が帽子形 コロニーの生長が速い 人工培地での培養下でバナナの芳香がある 接種試験でEucalyptus grandis苗に対する病原性が認められない BT1およびEF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢果頸部の幅が広い 本種より孔口毛が長い 本種よりコロニーの生長が速い 本種と異なり培養下で容易に胞子を形成する傾向がある BT1およびEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ceratocystis oblonga BT1およびEF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢果の頸部がずっと長い 本種より子嚢果頸部の基部の幅が狭い 本種より分生子がずっと長い BT1およびEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ceratocystis savannae BT1およびEF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢果の頸部がずっと長い 本種より子嚢果頸部の基部の幅が狭い 本種より分生子がずっと長い BT1およびEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Ceratocystis pirilliformis I. Barnes & M.J. Wingfield ※形態的に区別できず(厚壁胞子の有無およびフィアライドの形状)、遺伝的にも区別できないCeratocystis zombamontanaを本種のシノニムとした。 ※本種を昆虫から初めて分離、報告した。 【よく似た種との区別】 Ceratocystis obpyriformis 南アフリカに分布する ITSおよびITS+BT1+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 ITS+BT1+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ceratocystis polyconidia 南アフリカに分布する ITSおよびITS+BT1+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 ITS+BT1+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (南アフリカ新産種) Thielaviopsis thielavioides (Peyr.) A.E. Paulin, T.C. Harr. & McNew