(仮訳)ヨーロッパの寒冷環境および北極圏に産した新種Cystobasidium alpinumおよびRhodosporidiobolus oreadorum
Turchetti, B. et al., 2018. Cystobasidium alpinum sp. nov. and Rhodosporidiobolus oreadorum sp. nov. from European Cold Environments and Arctic Region. Life. Available at: https://www.mdpi.com/2075-1729/8/2/9 [Accessed November 9, 2019] 【R3-06755】2019/11/9投稿

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3行まとめ

ヨーロッパの寒冷環境において酵母群集の調査を実施し、Cystobasidium alpinumおよびRhodosporidiobolus oreadorumの2新種を記載した。
前者はイタリアのアルプスの氷河において氷河上堆積物および岩石から分離され、初めRhodotorula属の一種と同定され、分子系統解析ではC. laryngisに近縁であった。
後者はスヴァールバル諸島およびポルトガルの山地において氷雪から分離され、R. lustitaniaeおよびR. colostriに近縁であった。
Miage glacier, Mont Blanc, Italian Alps, Italy

(新種)

Cystobasidium alpinum Turchetti, Selbmann, Onofri & Buzzini
語源…アルプスの
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【よく似た種との区別】
Cystobasidium laryngis
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーがクリーム色~帯褐灰色ではなく淡桃色
本種と異なりメチルα-グルコシド、ラフィノース、亜硝酸塩を資化不能
本種と異なり生育適温が15°Cではなく20°C
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystobasidium tubakii
30°Cで生育不能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーがクリーム色~帯褐灰色ではなく淡い帯桃色
本種と異なりD-ガラクトースを資化可能
本種と異なりメチルα-グルコシド、ラフィノース、メレジトース、D-グルシトール、D-マンニトールを資化不能
本種と異なり0.01%シクロヘキシミド添加培地で生育不能
本種と異なり生育適温が15°Cではなく15-17°C
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystobasidium ongulense
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーがクリーム色~帯褐灰色ではなく淡い帯桃色
本種と異なりセロビオース、ラフィノースを資化不能
本種と異なり0.01%シクロヘキシミド添加培地で生育不能
本種と異なり30°Cで生育可能
本種と異なり生育適温が15°Cではなく20°C
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystobasidium pinicola
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーがクリーム色~帯褐灰色ではなく淡桃色
本種と異なりD-ガラクトース、D-リボース、L-ラムノース、マルトースを資化可能
本種と異なりメチルα-グルコシド、D-グルシトール、亜硝酸塩を資化不能
本種と異なり0.01%シクロヘキシミド添加培地で生育不能
本種と異なり30°Cで生育可能
本種と異なり生育適温が15°Cではなく20°C
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystobasidium ritchiei
30°Cで生育不能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーがクリーム色~帯褐灰色ではなく赤色
本種と異なりD-リボースを資化可能
本種と異なりメチルα-グルコシド、ラフィノース、亜硝酸塩、エチルアミン、L-リシン、カダベリンを資化不能
本種と異なり生育適温が15°Cではなく20-22°C
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystobasidium benthicum
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーがクリーム色~帯褐灰色ではなく淡桃色
本種と異なりD-ガラクトース、D-リボース、L-ラムノース、マルトースを資化可能
本種と異なりサリシン、D-グルシトール、D-マンニトール、亜硝酸塩を資化不能
本種と異なり30°Cで生育可能
本種と異なり生育適温が15°Cではなく20°C
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystobasidium pallidum
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーがクリーム色~帯褐灰色ではなく淡桃色
本種と異なりD-リボースを資化可能
本種と異なりメチルα-グルコシド、セロビオース、サリシン、ラフィノース、メレジトース、亜硝酸塩を資化不能
本種と異なり0.01%シクロヘキシミド添加培地で生育不能
本種と異なり30°Cで生育可能
本種と異なり生育適温が15°Cではなく20°C
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystobasidium portillonense
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーがクリーム色~帯褐灰色ではなく鮭桃色
本種と異なりD-ガラクトースを資化可能
本種と異なりメチルα-グルコシド、ラフィノース、亜硝酸塩、エチルアミン、カダベリンを資化不能
本種と異なりウレアーゼ試験陽性
本種と異なり0.01%シクロヘキシミド添加培地で生育不能
本種と異なり30°Cで生育可能
本種と異なり生育適温が15°Cではなく25°C
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Kongsvegen glacier, Kongsfjorden, Svalbard, Norway

(新種)

Rhodosporidiobolus oreadorum Zalar, J.P. Samp. & Gunde-Cim.
語源…ギリシャ神話に登場する山のニンフ、オレアードにちなむ
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【よく似た種との区別】
Rhodosporidiobolus colostri
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーが帯赤色ではなく濃桃色
本種と異なり真の菌糸ではなく偽菌糸を形成する
本種と異なり有性生殖が知られていない
本種と異なりマルトース、セロビオース、亜硝酸塩を資化可能
本種と異なりD-リボース、L-アラビノース、ラフィノースを資化不能
本種と異なりデンプン様物質を産生しない
本種と異なりビタミン要求性を有する
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rhodosporidiobolus lusitaniae
真の菌糸を形成する
菌糸にクランプを有する
テリオスポアが節間生または末端生
ビタミン要求性を欠く
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーが帯赤色ではなく桃色
本種と異なりヘテロタリックでない
本種と異なり亜硝酸塩を資化可能
本種と異なりD-リボース、L-アラビノース、スクロース、ラフィノースを資化不能
本種と異なりデンプン様物質を産生しない
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rhodosporidiobolus azoricus
菌糸にクランプを有する
テリオスポアを形成する
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーが帯赤色ではなく淡橙色
本種と異なり真の菌糸ではなく偽菌糸を形成する
本種と異なり亜硝酸塩を資化可能
本種と異なりマルトース、セロビオースを資化可能
本種と異なりデンプン様物質を産生しない
本種と異なりビタミン要求性を有する
本種と異なり0.01%シクロヘキシミド添加培地で生育可能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rhodosporidiobolus fluvialis
真の菌糸を形成する
テリオスポアを形成する
ビタミン要求性を欠く
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーが帯赤色ではなく濃桃色
本種と異なり菌糸のクランプが不完全
本種と異なりマルトース、セロビオース、メレジトース、亜硝酸塩を資化可能
本種と異なりデンプン様物質を産生しない
本種と異なり0.01%シクロヘキシミド添加培地で生育可能
本種と異なり37°Cで生育可能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rhodosporidiobolus nylandii
真の菌糸を形成する
ビタミン要求性を欠く
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーが帯赤色ではなく濃橙色~帯赤橙色
本種と異なり偽菌糸を形成する
本種と異なり射出分生子を形成する
本種と異なり有性生殖が知られていない
本種と異なりマルトース、セロビオース、メレジトース、亜硝酸塩を資化可能
本種と異なりD-ガラクトース、D-キシロース、L-アラビノース、クエン酸を資化不能
本種と異なりデンプン様物質を産生しない
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rhodosporidiobolus microsporus
真の菌糸を形成する
菌糸にクランプを有する
テリオスポアを形成する
ビタミン要求性を欠く
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーが帯赤色ではなく淡桃色
本種と異なり射出分生子を形成する
本種と異なりセロビオース、亜硝酸塩を資化可能
本種と異なりデンプン様物質を産生しない
本種と異なり0.01%シクロヘキシミド添加培地で生育可能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rhodosporidiobolus poonsookiae
真の菌糸を形成する
ビタミン要求性を欠く
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーが帯赤色ではなく帯赤橙色
本種と異なり偽菌糸を形成する
本種と異なり射出分生子を形成する
本種と異なり有性生殖が知られていない
本種と異なりセロビオース、亜硝酸塩を資化可能
本種と異なりスクロース、ラフィノースを資化不能
本種と異なりデンプン様物質を産生しない
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される