(仮訳)海産の渦鞭毛藻に感染するツボカビ類の新属新種、Dinomyces arenysensis
Lepelletier, F., et al., 2014. Dinomyces arenysensis gen. et sp. nov. (Rhizophydiales, Dinomycetaceae fam. nov.), a Chytrid Infecting Marine Dinoflagellates. Protist. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1434461014000170 [Accessed April 17, 2014].
【R3-00616】2014/04/18投稿

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3行まとめ

有毒の渦鞭毛藻、Alexandrium minutumに寄生するツボカビの一種を、Dinomyces arenysensisとして新種記載した。
感染実験で、本種は特定の渦鞭毛藻類にしか感染しなかったが、Alexandrium属に関してはほとんどの種に感染することが示された。
分子系統解析で本種はフタナシツボカビ目のクレードで独自の系統を形成し、独特の遊走子の微細構造からも、新科新属に含められた。
Arenys de Mar, Spain

(新種)

Dinomyces arenysensis Karpov and Guillou
語源…渦鞭毛藻 (Dinophyta) の菌/アレニス産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Coralloidiomyces digitatus
同じフタナシツボカビ目に含まれる
遊走子に層状の”spur”を持つ
ITS+LSUに基づく分子系統解析で比較的近縁
本種と異なり土壌菌である
本種と異なり寄生菌ではなく腐生菌である
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Operculomyces laminatus
同じフタナシツボカビ目に含まれる
遊走子に層状の”spur”を持つ
ITS+LSUに基づく分子系統解析で比較的近縁
本種と異なり土壌菌である
本種と異なり寄生菌ではなく腐生菌である
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rhizophlyctis harderi
同じフタナシツボカビ目に含まれる
遊走子に層状の”spur”を持つ
ITS+LSUに基づく分子系統解析で比較的近縁
本種と異なり土壌菌である
本種と異なり寄生菌ではなく腐生菌である
本種と異なり遊走子に2つの油滴を含む
本種と異なりミトコンドリアのサイズが小さい
本種と異なりミトコンドリアが単一ではなく数個含まれる
本種と異なり中心小体がキネトソームと並行に配列する
本種と異なり”dense bodies”を欠く
本種とリボソーマルコアが小胞体によって隔てられる形質が異なる
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Kappamyces laurelensis
同じフタナシツボカビ目に含まれる
中心小体がキネトソームと並行に配列しない
本種と異なりディノマイセス科ではなくカッパマイセス科に含まれる
本種と異なり遊走子の細胞の中心にMLCを持つ
本種と異なりキネトソームがミトコンドリアに付着する
本種と異なり微小管性鞭毛根を欠く
Rhizophydium aestuarii
同じフタナシツボカビ目に含まれる
海生菌である
藻類の表面に生じることがある
リボソーマルコアが小胞体によって隔てられる
本種と異なりディノマイセス科ではなくフタナシツボカビ科に含まれる
本種と異なり渦鞭毛藻ではなく緑藻に生じる
本種と異なり海生の生態型が藻類ではなくカニの卵に生じる
Rhizophydium littoreum
同じフタナシツボカビ目に含まれる
リボソーマルコアが小胞体によって隔てられる
本種と異なりディノマイセス科ではなくフタナシツボカビ科に含まれる
Pateramyces spp.
遊走子の微細構造が類似している
本種と異なり中心小体がキネトソームと並行に配列する
本種と異なりリボソーマルコアが小胞体によって隔てられない
本種と異なり”spur”のサイズがかなり小さい
本種と異なり”spur”がMLCの後方に位置する