(仮訳)サボテンの壊死部に生じる酵母の新種、Dipodascus starmeri
Phaff, HJ. et al., 1997. Dipodascus starmeri sp. nov., a New Species of Yeast Occurring in Cactus Necroses. International Journal of Systematic Bacteriology. Available at: https://www.microbiologyresearch.org/content/journal/ijsem/10.1099/00207713-47-2-307 [Accessed January 12, 2023] 【R3-10235】2023/1/12投稿

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3行まとめ

腐敗したサボテンの組織から127菌株を分離し、Candida ingensと同定していたが、DNAハイブリダイゼーションおよび追加の形質調査に基づき少なくとも3つの異なる種が明らかになった。
3種は窒素源としてのL-リジン、炭素源としての2-プロパノールまたはアセトンの資化能、ジギトニン感受性などが互いに異なっていた。
そのうちの一種でハプロイドかつヘテロタリックであり、C. ingensとは脂肪分解活性やビタミン要求性、塩分耐性などで区別される種をDipodascus starmeriとして新種記載した。
Southern Arizona, USA

(新種)

Dipodascus starmeri Phaff, Blue, Hagler & Kurtzman
語源…酵母遺伝学者、生物学者のWilliam T. Starmer氏に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Dipodascus ingens
形質が類似している(当初この種に同定されていた)
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりリパーゼを資化不能
本種と異なりビタミン要求性を欠く
本種と異なり10%NaCl添加培地で生育可能
本種と異なりウレアーゼ試験陽性である
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Dipodascus australiensis
同じOpuntia属のサボテンを宿主とする
宿主の壊死部から分離される
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコおよび米国ではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なりヘテロタリックではなくホモタリックである
本種と異なり子嚢が最大20胞子性
本種と異なり菌糸体に広範に隔壁を有する
本種と異なり気生菌糸を有する
本種と異なり分節分生子を形成する
本種と異なりD-キシロース、D-マンニトール、およびD-グルシトールを資化可能
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Dipodascus spicifer
米国に分布する
同じOpuntia属のサボテンを宿主とする
宿主の壊死部から分離される
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヘテロタリックではなくホモタリックである
本種と異なりD-キシロース、β-グルコシド類を資化可能
本種よりGC含量が高い
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される