2021年9月10日 (仮訳)イランおよびチェコにおいて高炎症性白癬症の原因となった新種のTrichophyton属菌、T. persicumおよびT. spiraliformeの発見 Cmoková, A. et al., 2021. Discovery of New Trichophyton Members, T. persicum and T. spiraliforme spp. nov., as a Cause of Highly Inflammatory Tinea Cases in Iran and Czechia. Microbiology Spectrum. Available at: https://journals.asm.org/doi/10.1128/Spectrum.00284-21 [Accessed September 10, 2021] 【R3-08768】2021/9/10投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ イランおよびチェコにおける白癬症例からの分離菌株を遡及的に検討し、Trichophyton persicumおよびT. spiraliformeの2新種を記載した。 前者は主にイラン南部と西部のヒト36例、ネコ1例から同定された。 後者はおそらくイヌから感染した単一の体白癬患者に見出された。 Iran, Qaen (新種) Trichophyton persicum Rezaei-Matehkolaei, Cmokova & Hubka 語源…ペルシャの 【よく似た種との区別】 Trichophyton concentricum アジアに分布する ヒト病原菌である コロニーが橙黄色 コロニーの生長が遅い(SDA、MEA、PDA、SAB37培地での生長速度の範囲が重なる) gapdh+tubb+ITS+tef1-aに基づく分子系統解析で近縁(同じT. benhamiaeクレードに含まれる) 本種と異なりイランではなく東南アジア、オセアニア、ラテンアメリカなどに分布する 本種と生態的に異なる 本種と異なりコロニー表面がビロード状~綿毛状ではなく膜状~ビロード状 本種と異なりコロニーのリバースが黄色 本種と小分生子の形状が異なる gapdh+tubb+ITS+tef1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Trichophyton benhamiae var. luteum 動物病原菌とする 大分生子を形成しない 小分生子のサイズの範囲が重なる コロニーの生長が遅い gapdh+tubb+ITS+tef1-aに基づく分子系統解析で近縁(同じT. benhamiaeクレードに含まれる) 本種と異なりイランではなくヨーロッパなどに分布する 本種と異なりヒトおよびネコではなくネズミなどを宿主とする 本種と異なりコロニーが鮮橙黄色ではなく鮮黄色 本種と異なりコロニー表面がビロード状~綿毛状ではなくビロード状~繊維状 本種と異なりコロニーのリバースが黄色 本種と小分生子の形状が異なる 本種よりPDAおよびSAB37培地での生長が速い gapdh+tubb+ITS+tef1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Trichophyton eriotrephon イランに分布する 動物病原菌である 小分生子の形状の変異が類似している 37°Cでの生育が制限される 本種と異なりヒトおよびネコではなくイヌなどを宿主とする 本種と異なりコロニーが鮮橙黄色ではなく濃帯赤褐色 本種と異なりコロニー表面がビロード状~綿毛状ではなくビロード状~微粒状 本種より小分生子のサイズが大きい 本種よりSDA、MEA、PDA培地での生長が速い 本種よりSAB37培地での生長が遅い gapdh+tubb+ITS+tef1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(T. benhamiaeではなくT. erinaceiクレードに含まれる) Trichophyton verrucosum 同じネコを宿主とする コロニーの外観が類似することがある コロニーの生長が遅い 厚壁胞子を形成する 本種と異なりイランのみではなく世界的に分布する 本種と異なりウシやその他の反芻動物、哺乳類、鳥類などを宿主とする 本種と異なりコロニーが鮮橙黄色ではなく淡黄色 本種と異なりコロニー表面がビロード状~綿毛状ではなくビロード状または蝋状 本種と異なり大分生子を形成する 本種と異なり小分生子を通常形成しない 本種より小分生子の幅が広い 本種よりSDAおよびSAB37培地での生長が速い gapdh+tubb+ITS+tef1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(T. benhamiaeではなくT. erinaceiクレードに含まれる) Czech Republic, Hostouň near Prague (新種) Trichophyton spiraliforme Cmokova, Kuklova & Hubka 語源…螺旋形の(菌糸の形状から) 【よく似た種との区別】 Trichophyton europaeum ヨーロッパに分布する コロニーの質感が類似している 小分生子がブドウの房状に分生子柄から多数生じる 小分生子が比較的小型(サイズの範囲が重なる) gapdh+tubb+ITS+tef1-aに基づく分子系統解析で近縁(同じT. benhamiaeクレードに含まれる) 本種と異なりヒトではなく動物を宿主とする 本種と異なりコロニーが鮮橙黄色ではなく濃橙色~赤色 本種と異なりコロニー表面が小粒状ではなく粗い小粒状 本種と大分生子の形態が異なる 本種よりSDA、PDA、SAB37培地での生長が速い gapdh+tubb+ITS+tef1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Trichophyton japonicum ヨーロッパに分布する コロニーの質感が類似している 小分生子がブドウの房状に分生子柄から多数生じる 小分生子が比較的小型(サイズの範囲が重なる) gapdh+tubb+ITS+tef1-aに基づく分子系統解析で近縁(同じT. benhamiaeクレードに含まれる) 本種と異なりアジアにおける分布が知られている 本種と異なりヒトではなく動物を宿主とする 本種と大分生子の形態が異なる 本種と異なりコロニーが鮮橙黄色ではなく濃橙黄色~鮮赤色 本種と異なりコロニー表面が小粒状ではなく粗い小粒状 本種よりSDA、PDA、SAB37培地での生長が速い gapdh+tubb+ITS+tef1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Trichophyton benhamiae コロニーの質感が類似している 小分生子がブドウの房状に分生子柄から多数生じる 小分生子が比較的小型(サイズの範囲が重なる) gapdh+tubb+ITS+tef1-aに基づく分子系統解析で近縁(同じT. benhamiaeクレードに含まれる) 本種と異なりチェコではなく北米などに分布する 本種と異なりヒトではなく動物を宿主とする 本種と大分生子の形態が異なる 本種と異なりコロニーが鮮橙黄色ではなく鮮橙色~濃帯赤橙色 本種と異なりコロニー表面が小粒状ではなくビロード状~小粒状 本種よりSDA、PDA、SAB37培地での生長が速い gapdh+tubb+ITS+tef1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Trichophyton mentagrophytes ヨーロッパに分布する イヌを宿主とするとみられる コロニーの質感が類似している 小分生子がブドウの房状に分生子柄から多数生じる 小分生子が比較的小型