2015年10月15日 (仮訳)西欧産の重宝されてきたフラグシップ地衣、Sticta fuliginosaの4種への分割 Magain, N. & Sérusiaux, E., 2015. Dismantling the treasured flagship lichen Sticta fuliginosa (Peltigerales) into four species in Western Europe. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-015-1109-0 [Accessed October 15, 2015]. 【R3-02288】2015/10/15投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 西欧の4地域で行われたヨロイゴケ属地衣の調査プロジェクトにおいて、Sticta fuliginosaが4種からなることが明らかになった。 そのうち新熱帯、アフリカ、マカロネシア、西欧に産し、さらに分割の余地がある種に対してS. ciliataの古い学名を適用した。 また、S. fuliginoidesおよびS. atlanticaの2新種を記載し、これら4種を同定可能な予備的な検索表を掲載した。 Portugal, Azores archipelago, Pico Is., Parque Forestal along the road to Prainha de Cima (新種) Sticta atlantica Magain & Sérus. 語源…大西洋の 【よく似た種との区別】 Sticta fuliginosa(コウヤクゴケ) アゾレス諸島およびアイルランドに分布する 形態的に類似している(混同のおそれがある) ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりフランス、イギリス、カナリア諸島など南半球と北半球の両方に広く分布する 本種より裂片のサイズが大きい 本種と異なり”cyphella membrane”にパピラを有する 本種と異なり地衣体の裂芽が発達する部位が膨大するという特徴を欠く ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta fuliginoides 形態的に類似している(従来Sticta fuliginosaとして扱われていた) ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり地衣体の裂芽が発達する部位が膨大するという特徴を欠く 本種と異なり”cyphella membrane”にパピラを有する ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta sylvatica アイルランドに分布する 形態的に類似している(混同のおそれがある) “cyphella membrane”にパピラを欠く ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりフランス、イギリス、コロンビアなどにおける分布が知られている 本種と異なり地衣体が顕著に二叉分岐する 本種と異なり地衣体の縁部が内側に巻く 本種と異なり地衣体に典型的には光沢を有する 本種と異なり地衣体の裂芽が発達する部位が膨大するという特徴を欠く 本種と異なり地衣体下面がより濃色の褐色~黒色 本種と異なりトメンタが顕著な束状~箒状の毛からなるのではなくスポンジ状のマットをなす ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Spain, Canary Is., Gomera, Parque Nacional de Garajonay, SW of the summit (Alto de Garajonay) (新種) Sticta fuliginoides Magain & Sérus. 語源…Sticta fuliginosa類似の 【よく似た種との区別】 Sticta fuliginosa(コウヤクゴケ) 形態的に類似している(従来Sticta fuliginosaとして扱われていた) ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種より地衣体のサイズが大きい 本種と異なり地衣体の縁部が内側に巻くことが稀である 本種と異なり”cyphella membrane”にパピラを欠く ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta atlantica 形態的に類似している(従来Sticta fuliginosaとして扱われていた) ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり地衣体の裂芽が発達する部位が膨大する 本種と異なり”cyphella membrane”にパピラを欠く ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta ciliata フランス、アイルランド、カナリア諸島に分布する 形態的に類似している(従来Sticta fuliginosaとして扱われていた) “cyphella membrane”にパピラを有する ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりハワイ、中米、南米、ルワンダにおける分布が知られている 本種と異なり北米東部、コロンビア、イギリスにおける分布が知られていない 本種より”cyphella membrane”のパピラが通常ずっと多い ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Sticta canariensis (Bory) Bory ex Delise (その他掲載種) Sticta ciliata Taylor ※Sticta fuliginosa f. ciliataのレクトタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Sticta fuliginoides フランス、アイルランド、カナリア諸島に分布する 形態的に類似している(従来Sticta fuliginosaとして扱われていた) “cyphella membrane”にパピラを有する ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりハワイ、中米、南米、ルワンダにおける分布が知られていない 本種と異なり北米東部、コロンビア、イギリスに分布する 本種より”cyphella membrane”のパピラが通常ずっと少ない ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta fuliginosa(コウヤクゴケ) 形態的に類似している(従来本種として扱われていた) ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種より地衣体のサイズが通常ずっと大きい 本種と異なり地衣体がごく繊細という特徴を欠く 本種と異なり地衣体の縁部が繊毛状でない ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Sticta fuliginosa (Hoffm.) Ach. コウヤクゴケ 【よく似た種との区別】 Sticta fuliginoides 形態的に類似している(従来Sticta fuliginosaとして扱われていた) ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種より地衣体のサイズが小さい 本種と異なり地衣体の縁部が内側に巻くことが稀ではなく普通 本種と異なり”cyphella membrane”にパピラを有する ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta ciliata 形態的に類似している(従来本種として扱われていた) ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種より地衣体のサイズが通常ずっと小さい 本種と異なり地衣体がごく繊細 本種と異なり地衣体の縁部が繊毛状 ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sticta atlantica アゾレス諸島およびアイルランドに分布する 形態的に類似している(混同のおそれがある) ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりフランス、イギリス、カナリア諸島など南半球と北半球の両方に広く分布するという特徴を欠く 本種より裂片のサイズが小さい 本種と異なり”cyphella membrane”にパピラを欠く 本種と異なり地衣体の裂芽が発達する部位が膨大する ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Sticta limbata (Sm.) Ach. コフキセンスゴケ 【よく似た種との区別】 Sticta umbilicariiformis 本種より地衣体のサイズが大きい 本種と異なりパスチュールが主に側生する 本種と異なり複雑な中空の裂芽様構造を有する 本種と異なり真の粉芽を有さない (その他掲載種) Sticta umbilicariiformis Hochst. ex Flot. ※Sticta limbata var. umbilicariiformisのレクトタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Sticta limbata(コフキセンスゴケ) 本種より地衣体のサイズが大きい 本種と異なりパスチュールが主に側生するという特徴を欠く 本種と異なり複雑な中空の裂芽様構造を有するという特徴を欠く 本種と異なり真の粉芽を有する (その他掲載種) Sticta sylvatica (Huds.) Ach. 【よく似た種との区別】 Sticta atalantica アイルランドに分布する 形態的に類似している(混同のおそれがある) “cyphella membrane”にパピラを欠く ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりフランス、イギリス、コロンビアなどにおける分布が知られていない 本種と異なり地衣体が顕著に二叉分岐するという特徴を欠く 本種と異なり地衣体の縁部が内側に巻くという特徴を欠く 本種と異なり地衣体に典型的には光沢を有するという特徴を欠く 本種と異なり地衣体の裂芽が発達する部位が膨大する 本種と異なり地衣体下面が褐色~黒色ではなくより淡色 本種と異なりトメンタがスポンジ状のマットをなすのではなく顕著な束状~箒状の毛からなる ITS+nrLSU+mtSSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される