2020年5月11日 (仮訳)鳥かごに囚われた多様性:Blumenavia属の再検討により3種の隠蔽種が明らかになった Gislaine, CS. et al., 2020. Diversity trapped in cages: Revision of Blumenavia Möller (Clathraceae, Basidiomycota) reveals three hidden species. PLOS ONE. Available at: https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0232467 [Accessed May 11, 2020] 【R3-07308】2020/5/11投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ Blumenavia属について、曖昧であった種の定義に有用な形質の特定を目的に再検討を実施した。 系統地理学的再構築を含む分子系統解析の結果、本属に7種を認め、そのうちB. baturitensisなど3種の隠蔽種を新種記載した。 また、B. rhacodesのレクトタイプおよびエピタイプ標本を選定した。 Brazil, Ceará, Guaramiranga, APA do Macic¸o de Baturité, Trilha dos Veadeiros -4.254222, -38.930356 (新種) Blumenavia baturitensis Melanda, M.P. Martı´n & Baseia 語源…バトゥリテ産の 【よく似た種との区別】 Blumenavia rhacodes ブラジルに分布する 托が帯白黄色 ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり腕が中ほどから子実体の頂部にかけて細まるのではなく全長にわたって同じ太さである 本種と異なり腕の外面に溝を欠く 本種と異なり”glebifer”が皺状、指状の突起から形成されるという特徴を欠く 本種と異なり外皮頂部に繊維状菌糸のみが含まれるという特徴を欠く ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Blumenavia heroica 子実体が帯黄色 托が帯白黄色 ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりブラジルではなくメキシコに分布する 本種より子実体の丈が低い 本種と異なり腕の外面に溝を欠く 本種と異なり”glebifer”が皺状、指状の突起から形成されるという特徴を欠く 本種と異なり外皮頂部に繊維状菌糸のみが含まれるのではなく繊維状および類球形~楕円形の菌糸からなる ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Blumenavia toribiotalpaensis 腕が帯白黄色 腕が子実体の中ほどから頂部にかけて細まる “glebifer”が腕の中ほど~基部から生じる “glebifer”がねじれた形状をしている 外皮が繊維状菌糸からなる ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりブラジルではなくメキシコなどに分布する 本種と異なり腕の外面に溝を欠く 本種と異なり”glebifer”が皺状、指状の突起から形成されるという特徴を欠く ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Brazil, Rio Grande do Sul, São Francisco de Paula, Potreiro Velho, Centro de Pesquisa e Formação da Natureza Pró Mata (CPCN Pró Mata) (新種) Blumenavia crucis-hellenicae G. Coelho, Sulzbacher, Grebenc & Cortez 語源…ギリシャ十字の(glebiferの形状から) 【よく似た種との区別】 Blumenavia angolensis 形態的に類似している(この種に同定されたことがある) 腕が白色 ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりブラジルではなくサントメプリンシペなどに分布する 本種と異なり”glebifer”が十字形でない 本種と異なり腕の内側に溝を有するという特徴を欠く 本種と異なり担子胞子が長楕円形でない 本種より担子胞子のQm値が大きい ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mexico, Veracruz, Xalapa, Parque Ecológico Francisco Javier Clavijero (新種) Blumenavia heroica Melanda, Baseia & M. P. Martı´n 語源…タイプロカリティであるベラクルスの異名、Heroica Veracruzにちなむ 【よく似た種との区別】 Blumenavia rhacodes 子実体が帯黄色 腕の色が類似している ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりメキシコではなくブラジルに分布する 本種より子実体の丈が高い 本種と異なり外皮頂部が繊維状および類球形~楕円形の菌糸からなるのではなく繊維状菌糸のみが含まれる ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Blumenavia baturitensis 子実体が帯黄色 托が帯白黄色 ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりメキシコではなくブラジルに分布する 本種より子実体の丈が高い 本種と異なり腕の外面に溝を有する 本種と異なり”glebifer”が皺状、指状の突起から形成される 本種と異なり外皮頂部が繊維状および類球形~楕円形の菌糸からなるのではなく繊維状菌糸のみが含まれる ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Blumenavia toribiotalpaensis メキシコに分布する ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体の丈が高い 本種と”glebifer”の形状が異なる 本種と異なり外皮頂部が繊維状および類球形~楕円形の菌糸からなるのではなく繊維状菌糸のみが含まれる ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Blumenavia angolensis (Welw. & Curr.) Dring 【よく似た種との区別】 Blumenavia usambarensis 形態的に類似している(同種とされたことがある) 腕が白色 “glebifer”が子実体の上部1/4にのみ分布する 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が円筒形 Blumenavia crucis-hellenicae 形態的に類似している(この種に同定されたことがある) 腕が白色 ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりサントメプリンシペではなくブラジルなどに分布する 本種と異なり”glebifer”が十字形 本種と異なり腕の内側に溝を有する 本種と異なり担子胞子が長楕円形 本種より担子胞子のQm値が小さい ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Brazil, Rio Grande do Sul, Porto Alegre, Campus Vale UFRGS (その他掲載種) Blumenavia rhacodes Möller ※本種のエピタイプおよびレクトタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Blumenavia baturitensis ブラジルに分布する 托が帯白黄色 ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり腕が全長にわたって同じ太さではなく中ほどから子実体の頂部にかけて細まる 本種と異なり腕の外面に溝を有する 本種と異なり”glebifer”が皺状、指状の突起から形成される 本種と異なり外皮頂部に繊維状菌糸のみが含まれる ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Blumenavia heroica 子実体が帯黄色 腕の色が類似している ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりブラジルではなくメキシコに分布する 本種より子実体の丈が低い 本種と異なり外皮頂部が繊維状菌糸のみではなく繊維状および類球形~楕円形の菌糸からなる ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Blumenavia toribiotalpaensis 腕の色が類似している ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりブラジルではなくメキシコなどに分布する 本種と異なり腕が全長にわたって同じ太さなのではなく、子実体の中ほどから頂部にかけて細まる 本種と異なり腕に沿って不規則な形状の”glebifer”が生じる 本種と異なり外皮頂部に繊維状菌糸のみが含まれる ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Blumenavia toribiotalpaensis Vargas-Rodriguez 【よく似た種との区別】 Blumenavia heroica メキシコに分布する ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体の丈が低い 本種と”glebifer”の形状が異なる 本種と異なり外皮頂部が繊維状菌糸のみではなく繊維状および類球形~楕円形の菌糸からなる ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Blumenavia baturitensis 腕が帯白黄色 腕が子実体の中ほどから頂部にかけて細まる “glebifer”が腕の中ほど~基部から生じる “glebifer”がねじれた形状をしている 外皮が繊維状菌糸からなる ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりメキシコなどではなくブラジルに分布する 本種と異なり腕の外面に溝を有する 本種と異なり”glebifer”が皺状、指状の突起から形成される ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Blumenavia rhacodes 腕の色が類似している ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりメキシコなどではなくブラジルに分布する 本種と異なり腕が子実体の中ほどから頂部にかけて細まるのではなく全長にわたって同じ太さ 本種と異なり腕に沿って不規則な形状の”glebifer”が生じるという特徴を欠く 本種と異なり外皮頂部に繊維状菌糸のみが含まれるという特徴を欠く ITS+nrLSU+ATP6+RPB2+TEF-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Blumenavia usambarensis Henn. 【よく似た種との区別】 Blumenavia angolensis 形態的に類似している(同種とされたことがある) 腕が白色 “glebifer”が子実体の上部1/4にのみ分布する 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が円筒形でない