2021年12月26日 (仮訳)新属FasciodontiaおよびDeviodontiaの分類学的ステータス Yurchenko, E., Riebesehl, J. & Langer, E. 2020. Fasciodontia gen. nov. (Hymenochaetales, Basidiomycota) and the taxonomic status of Deviodontia. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11557-019-01554-7 [Accessed December 26, 2021] 【R3-09089】2021/12/26投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ Xylodon bugellensisに対して新属Fasciodontiaを提唱し、本属にブラジル産の新種F. brasiliensisを含めた。 本新属は担子胞子が厚壁で、針実質において骨格様菌糸が束をなすことなどで特徴づけられ、分子系統解析でも独自の系統を形成した。 また、Hyphodontia fimbriataをLyomyces属に移したほか、F. bugellensisとL. pruniが別種であることを示した。 Brazil, Rio de Janeiro, State, Serra dos Órgãos Mt. Range, E slopes of Mt. Pico do Tinguá, Tinguá village vicinity (新種) Fasciodontia brasiliensis Yurchenko & Riebesehl 語源…(属名)束+Hyphodontia属(針実質において骨格様菌糸が束をなすことから)/(種小名)ブラジル産の 【よく似た種との区別】 Fasciodontia bugellensis 南米に分布する ITS+nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベネズエラ、ギリシャ、フランス、ベラルーシ、カナリア諸島における分布が知られている 本種と異なり子実体が膜質ではなく膜質~ほぼチョーク質 本種と異なり子実下層が僅かに空隙を含むのではなく菌糸が凝集して密 本種と異なり子実下層の結晶がほとんどの部分で豊富でないか乏しいのではなく豊富 本種より担子器が長い 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり類数珠状のシスチジアが散在するか稀なのではなく散在する~普通にみられる 本種と異なりシスチジアがほとんどの場合薄壁またはほぼ薄壁なのではなくしばしば基部にかけて僅かに厚壁 本種と異なり骨格様菌糸がしばしば子実体形成菌糸層から針の先端までを貫くのではなくほとんどの場合基部の子実下層および針に位置する 本種と異なり子実体形成菌糸層の結晶がほとんどの部分で豊富でないか乏しいのではなく豊富 ITS+nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Fasciodontia bugellensis (Ces.) Yurchenko, Riebesehl & Langer 旧名:Xylodon bugellensis (Cesati) Hjortstam & Ryvarden (基礎異名はOdontia bugellensis Ces.) 【よく似た種との区別】 Fasciodontia brasiliensis 南米に分布する ITS+nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベネズエラ、ギリシャ、フランス、ベラルーシ、カナリア諸島における分布が知られていない 本種と異なり子実体が膜質~ほぼチョーク質ではなく膜質 本種と異なり子実下層が菌糸が凝集して密ではなく僅かに空隙を含む 本種と異なり子実下層の結晶が豊富ではなくほとんどの部分で豊富でないか乏しい 本種より担子器が短い 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり類数珠状のシスチジアが散在する~普通にみられるのではなく散在するか稀 本種と異なりシスチジアしばしば基部にかけて僅かに厚壁なのではなくほとんどの場合薄壁またはほぼ薄壁 本種と異なり骨格様菌糸がほとんどの場合基部の子実下層および針に位置するのではなくしばしば子実体形成菌糸層から針の先端までを貫く 本種と異なり子実体形成菌糸層の結晶が豊富ではなくほとんどの部分で豊富でないか乏しい ITS+nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lyomyces pruni 形態的に類似している(かつて同種と考えられた) 針が並行に配列する傾向がある 担子胞子のサイズが同一 担子胞子の形状が同一 シスチジアが円筒形 結晶のサイズが同一 結晶の形状が同一 本種より子実体の針と針の間が薄い 本種と異なり子実体が硬い膜質~ほぼチョーク質ではなく柔らかい膜質で乾燥時脆い 本種より針のサイズが小さい 本種と異なり針に稔性のある菌糸体を欠くか基部に少量の子実層細胞を有するのではなく頂部を除いて稔性がある 本種より担子器の幅が広い 本種と異なり担子器の内容物がいくぶん油滴状ではなく同質 本種と異なり担子器の下部2/3がしばしば僅かに厚壁なのではなく薄壁 本種と異なりバシディオールが類円筒形ではなくほとんどの場合棍棒形 本種と異なり担子胞子がいくぶん厚壁ではなく薄壁 本種と異なりシスチジアの下部2/3がしばしば僅かに厚壁なのではなく薄壁 本種と異なりシスチジアが狭窄するのではなくボウリングのピン形 本種と異なり子実体形成菌糸層菌糸がやや厚壁~厚壁ではなく薄壁 本種と異なり骨格様菌糸を欠く 本種と異なり針の先端から突出する菌糸の末端が鈍頭または先細りではなく鈍頭または頭状 ITS+nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Kneiffiella pilaecystidiata (S. Lundell) Jülich & Stalpers (新組み合わせ) Lyomyces fimbriatus (Sheng H. Wu) Riebesehl & Yurchenko 旧名:Hyphodontia fimbriata Sheng H. Wu