(仮訳)ヨーロッパの柑橘類からのPhyllosticta citricarpaの初報告およびP. paracapitalensisP. paracitricarpaの2新種の記載
Guarnaccia, V. et al., 2017. First report of Phyllosticta citricarpa and description of two new species, P. paracapitalensis and P. paracitricarpa, from citrus in Europe. Studies in Mycology. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5502700/ [Accessed March 20, 2021] 【R3-08247】2021/3/20投稿

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3行まとめ

ヨーロッパの主要な柑橘類生産地域でPhyllosticta属菌の調査を実施し、カンキツ黒星病の原因菌であるP. citricarpaを同定した。
P. paracapitalensisP. paracitricarpaの2新種を記載した。
接種試験でこれらの種の潜在的な病原性を評価したところ、P. capitalensisおよびP. paracapitalensisでは病変が生じなかった。
Italy, Sicily

(新種)

Phyllosticta paracapitalensis Guarnaccia & Crous
語源…para+Phyllosticta capitalensis
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phyllosticta capitalensis
イタリア、スペイン、ニュージーランドに分布する
同じミカン属植物を宿主とする
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子がレモン形
分生子が倒卵状~楕円形
ITS+actA+tef1+gapdh+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジル、ハワイ、タイなどにおける分布が知られている
本種と異なり多様な植物から知られている
本種より子嚢果の最大サイズが小さい
本種と異なり子嚢果が球形ではなく球形~洋梨形
本種より子嚢殻頸部が短い
本種より子嚢の幅が広い
本種と異なり子嚢が類円筒形~棍棒形ではなく棍棒形
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり分生子果が単生ではなく凝集して生じる
本種より分生子果の最大サイズが大きい
本種と異なり分生子果が球形ではなく球形~アンプル形
本種より分生子果孔口のサイズが大きい
本種より分生子形成細胞が長い
本種と異なり分生子形成細胞が類円筒形ではなく類円筒形~アンプル形~樽形
本種より分生子が短い
ITS+actA+tef1+gapdh+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Greece, Mastro

(新種)

Phyllosticta paracitricarpa Guarnaccia & Crous
語源…para+Phyllosticta citricarpa
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phyllosticta citricarpa
ヨーロッパに分布する
同じミカン属植物を宿主とする
葉のリターに生じる
分生子果のサイズが類似している
分生子が倒卵状~楕円形
ITS+actA+tef1+gapdh+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりジンバブエ、オーストラリア、南アフリカなどにおける分布が知られている
本種と異なり分生子果が球形ではなく球形~アンプル形
本種より分生子柄が短い
本種より分生子柄の幅が僅かに広い
本種より分生子形成細胞が短い
本種と異なり分生子形成細胞が類円筒形ではなく樽形~類円筒形
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なりMEA培地でのコロニーが中央部で鉛灰色、縁部で黄色ではなく帯オリーブ灰色
ITS+actA+tef1+gapdh+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Phyllosticta citricarpa (McAlpine) Aa
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【よく似た種との区別】
Phyllosticta capitalensis
ヨーロッパに分布する
同じミカン属植物を宿主とする
分生子のサイズの範囲が重なる
ITS+actA+tef1+gapdh+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりミカン属植物に対する病原性を示さない
本種と異なりミカン属植物のみではなく多様な植物から知られている
本種より分生子に伴う粘液質の鞘が厚い
本種よりコロニーの生長が通常速い
本種と異なりOA培地で顕著な黄色色素を産生するという特徴を欠く
本種ほど加水分解酵素の産生レベルが高くない
ITS+actA+tef1+gapdh+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phyllosticta paracitricarpa
ヨーロッパに分布する
同じミカン属植物を宿主とする
葉のリターに生じる
分生子果のサイズが類似している
分生子が倒卵状~楕円形
ITS+actA+tef1+gapdh+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりジンバブエ、オーストラリア、南アフリカなどにおける分布が知られていない
本種と異なり分生子果が球形~アンプル形ではなく球形
本種より分生子柄が長い
本種より分生子柄の幅が僅かに狭い
本種より分生子形成細胞が長い
本種と異なり分生子形成細胞が樽形~類円筒形ではなく類円筒形
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なりMEA培地でのコロニーが帯オリーブ灰色ではなく中央部で鉛灰色、縁部で黄色
ITS+actA+tef1+gapdh+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Phyllosticta capitalensis Henn.
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【よく似た種との区別】
Phyllosticta citricarpa
ヨーロッパに分布する
同じミカン属植物を宿主とする
分生子のサイズの範囲が重なる
ITS+actA+tef1+gapdh+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりミカン属植物に対する病原性を示す
本種と異なり多様な植物ではなくミカン属植物のみから知られている
本種より分生子に伴う粘液質の鞘が薄い
本種よりコロニーの生長が通常遅い
本種と異なりOA培地で顕著な黄色色素を産生する
本種ほど加水分解酵素の産生レベルが高い
ITS+actA+tef1+gapdh+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phyllosticta paracapitalensis
イタリア、スペイン、ニュージーランドに分布する
同じミカン属植物を宿主とする
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子がレモン形
分生子が倒卵状~楕円形
ITS+actA+tef1+gapdh+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジル、ハワイ、タイなどにおける分布が知られていない
本種と異なり多様な植物から知られているという特徴を欠く
本種より子嚢果の最大サイズが大きい
本種と異なり子嚢果が球形~洋梨形ではなく球形
本種より子嚢殻頸部が長い
本種より子嚢の幅が狭い
本種と異なり子嚢が棍棒形ではなく類円筒形~棍棒形
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり分生子果が凝集して生じるのではなく単生する
本種より分生子果の最大サイズが小さい
本種と異なり分生子果が球形~アンプル形ではなく球形
本種より分生子果孔口のサイズが小さい
本種より分生子形成細胞が短い
本種と異なり分生子形成細胞が類円筒形~アンプル形~樽形ではなく類円筒形
本種より分生子が長い
ITS+actA+tef1+gapdh+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される