2014年1月5日 (仮訳)アオカビ属Sclerotiora節の5新種:オランダ王家に捧ぐ Visagie, C., Houbraken, J., Rodriques, C., et al., 2013. Five new Penicillium species in section Sclerotiora: a tribute to the Dutch Royal family. Persoonia. Available at: http://www.persoonia.org/Issue/31/02.pdf [Accessed January 5, 2014]. 【R3-00237】2014/01/05投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 黄色~橙色の色素を持つことなどで特徴づけられるSclerotiora節の節概念を修正するとともに、土壌などに由来する5新種を加え、計23種を認めた。 また、Penicillium bilaiaeのシノニムとされてきたP. lilacinoechinulatumとP. nodositatumを独立種と認めた。 本論文で扱った全種の形質比較表と写真、同定のためのDNAマーカーの情報を掲載した。 Tunisia, Tabarka (新種) Penicillium vanoranjei Visagie, Houbraken, Samson 語源…van Oranjeの(ウィレム=アレクサンダー王にちなんだオランダ王家の「オラニエ」とコロニーの「オレンジ色」を掛けた命名) 【よく似た種との区別】 Penicillium sclerotiorum 橙色の菌核を形成する ほとんどの培地で菌核の形成が見られる 本種と異なり分生子が球状から類球状ではなく類球状~楕円形 本種よりもCYA培地での生長が良好 本種と異なりCYA培地で分生子形成が見られる ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium johnkrugii 分生子が球状から類球状 橙色の菌核を形成する 本種よりもCYA培地での生長が良好 本種と異なりMEA培地でしか菌核の形成が見られない ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で明瞭に区別される USA, Florida (新種) Penicillium maximae Visagie, Houbraken, Samson 語源…オランダ王妃、マクシマ・ソレギエタに献名 【よく似た種との区別】 Penicillium sclerotiorum 形態的に類似している 本種と異なり菌核を形成する 本種と異なりCREA培地で酸の産生が見られる 本種と異なりCYA培地での胞子形成が見られる ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で明瞭に区別される South Africa, Western Cape Province, Struisbaai (新種) Penicillium amaliae Visagie, Houbraken & K. Jacobs 語源…オランダ王女のカタリナ=アマリア・ファン・オラニエ=ナッサウ(長女)に献名 【よく似た種との区別】 Penicillium lilacinoechinulatum 分生子が集まると淡緑色 ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で近縁 本種より30°Cでのコロニーの生長が速い 本種より37°Cでのコロニーの生長が遅い ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium adametzii ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で近縁 本種よりフィアライドの数が少ない 本種より30°Cおよび37°Cでのコロニーの生長が速い ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium brocae ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で近縁 本種よりフィアライドの数が少ない 本種より培地上での生長が遅い ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium arianeae 本種と異なりほとんどの培地で生長が遅い 本種と異なり分生子が粗面厚壁になる ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tunisia, Tabarka (新種) Penicillium alexiae Visagie, Houbraken, Samson 語源…オランダ王女のアレクシア・ファン・オラニエ=ナッサウ(次女)に献名 【よく似た種との区別】 Penicillium bilaiae コロニーの生長が遅い ほとんどの培地で水溶性の褐色の色素を産生する 本種と異なり頂嚢が膨大しない 本種と異なり白色の菌核を形成しない 本種より30°Cおよび37°Cでのコロニーの生長が速い 本種と異なりCREA培地で盛んに酸を産生する ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium adametzioides コロニーの生長が遅い ほとんどの培地で水溶性の褐色の色素を産生する 本種と異なり頂嚢が膨大しない 本種と異なり白色の菌核を形成しない 本種と異なりCREA培地でやや酸の産生が見られる ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Netherlands, Bussum, Spanderswoud (新種) Penicillium arianeae Visagie, Houbraken, Samson 語源…オランダ王女のアリアーネ・ファン・オラニエ=ナッサウ(三女)に献名 【よく似た種との区別】 Penicillium amaliae 本種と異なりほとんどの培地で生長が遅いという特徴を持たない 本種と異なり分生子が粗面厚壁ではなく薄壁粗面 ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium lilacinoechinulatum 本種と異なりほとんどの培地で生長が遅いという特徴を持たない 本種と異なり分生子が粗面厚壁ではなく薄壁粗面 ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium adametzii 本種と異なりほとんどの培地で生長が遅いという特徴を持たない 本種と異なり分生子が粗面厚壁ではなく平滑~細かい粗面 ITS、β-チューブリン、カルモジュリンなどに基づく分子系統解析で明瞭に区別される