2020年8月1日 (仮訳)Fuscoporia属菌の地球規模多様性および系統分類 Chen, Q. et al., 2020. Global diversity and phylogeny of Fuscoporia (Hymenochaetales, Basidiomycota). Mycosphere. Available at: http://mycosphere.org/pdf/MYCOSPHERE_11_1_10.pdf [Accessed August 1, 2020] 【R3-07553】2020/8/1投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ Fuscoporia属の41種105標本を用いて本属の系統的位置を検討した。 分子系統解析から本属が6つのグループに分かれることを示し、9新種を記載するとともに2新組み合わせを提唱した。 全世界の本属菌の検索表を掲載した。 中国雲南省普洱市景東イ族自治県哀牢山国家級自然保護区 (新種) Fuscoporia australasica Q. Chen, F. Wu & Y.C. Dai 語源…南アジアの 【よく似た種との区別】 Fuscoporia eucalypti 担子胞子が類球形~広楕円形 子実層剛毛が鉤状 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくオーストラリアに分布する 本種と異なり子実体が常に傘状という特徴を欠く 本種より担子胞子の幅が広い nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia wahlbergii(ツリバリサルノコシカケ) 子実層剛毛が鉤状 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が常に傘状という特徴を欠く 本種より担子胞子が短い 本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく球形 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia discipes(ウラギンタケ) アジアに分布する 子実体が多年生 子実体が常に傘状 本種と異なり中国ではなくスリランカなどに分布する 本種より担子胞子が長い 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく円筒形 本種より担子胞子のQ値が大きい 本種と異なり子実層剛毛を欠く ITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Australia, Sydney, Sydney Botanical Garden (新種) Fuscoporia australiana Q. Chen, F. Wu & Y.C. Dai 語源…オーストラリアの 【よく似た種との区別】 Fuscoporia atlantica 子実体が半背着生~傘状 孔壁が裂ける 担子胞子が楕円形 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が常に傘状という特徴を欠く 本種と異なり傘表面に暗褐色の殻皮を有する 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり子実層剛毛が鉤状 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia chinensis 子実体が半背着生~傘状 孔壁が裂ける 担子胞子が楕円形 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が常に傘状という特徴を欠く 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり子実層剛毛に隔壁を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia formosana 子実体が半背着生~傘状 孔壁が裂ける 担子胞子が楕円形 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種より孔口のサイズが大きい 本種より担子胞子のサイズが小さい nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia gilva(ネンドタケ) 子実体が半背着生~傘状 孔壁が裂ける 担子胞子が楕円形 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が常に傘状という特徴を欠く 本種と異なり孔壁が歯牙状のことがある 本種より担子胞子が短い 本種と異なり骨格菌糸に隔壁を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia plumeriae オーストラリアに分布する 子実体が一年生 子実体が半背着生~傘状 孔壁が裂ける 担子胞子が楕円形 子実層剛毛を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体縁部が尖るという特徴を欠く 本種より担子胞子が短い 本種と異なり骨格菌糸に隔壁を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia eucalypti オーストラリアに分布する 同じユーカリ属植物に生じる 本種と異なり子実体が常に傘状という特徴を欠く 本種より担子胞子の幅が顕著に広い 本種と異なり担子胞子が類球形 本種と異なり子実層剛毛が鉤状 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループが異なる) Thailand, Rai Empress, Dowager University Campus (新種) Fuscoporia bambusae Q. Chen, F. Wu & Y.C. Dai 語源…タケの 【よく似た種との区別】 Fuscoporia bambusicola 同じタケ類に生じる 子実体が一年生 子実体が背着生 菌糸体剛毛を有する 本種より孔口のサイズが大きい nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループが異なる) Fuscoporia subchrysea 熱帯アジアに分布する 同じタケ類に生じる 子実体が背着生 菌糸体剛毛を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりタイではなく中国に分布する 本種より孔口のサイズが小さい 本種より担子胞子が短い nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia chrysea 子実体が一年生 子実体が背着生 本種と異なりタイではなくコロンビアなどに分布する 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が楕円形ではなく滴形~広楕円形 本種より担子胞子のQ値が小さい nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループが異なる) 中国雲南省大理ペー族自治州賓川県鶏足山 (新種) Fuscoporia chinensis Q. Chen, F. Wu & Y.C. Dai 語源…中国産の 【よく似た種との区別】 Fuscoporia gilva(ネンドタケ) 形態的に類似している(以前はほぼ全ての標本がこの種に同定されていた) 子実体が半背着生 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が一年生ではなく多年生 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり骨格菌糸に隔壁を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia plumeriae nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくオーストラリアに分布する 本種と異なり子実体が半背着生ではなく常に傘状 本種より孔口のサイズが小さい 本種と異なり骨格菌糸に隔壁を有する 本種と異なり子実層剛毛に隔壁を欠く nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia formosana 中国に分布する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が半背着生ではなく常に傘状 本種より孔口のサイズが大きい nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Australia, Tasmania, Arve River, Streamside Nature Reserve (新種) Fuscoporia eucalypti Q. Chen, F. Wu & Y.C. Dai 語源…ユーカリ属の 【よく似た種との区別】 Fuscoporia australasica 担子胞子が類球形~広楕円形 子実層剛毛が鉤状 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストラリアではなく中国に分布する 本種と異なり子実体が常に傘状 本種より担子胞子の幅が狭い nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia australiana オーストラリアに分布する 同じユーカリ属植物に生じる 本種と異なり子実体が常に傘状 本種より担子胞子の幅が顕著に狭い 本種と異なり担子胞子が類球形でない 本種と異なり子実層剛毛が鉤状でない nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループが異なる) Fuscoporia atlantica 子実体が半背着生~傘状 孔口が小型 子実層剛毛が鉤状 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり子実体が多年生ではなく一年生 本種と異なり担子胞子が楕円形 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループが異なる) Fuscoporia wahlbergii(ツリバリサルノコシカケ) 子実体が多年生 子実体が半背着生 管孔層に暗色の線を欠く 子実層剛毛が鉤状 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストラリアではなく南アフリカなどに分布する 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種より担子胞子のQ値が大きい nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国吉林省延辺朝鮮族自治州安図県長白山国家級自然保護区 (新種) Fuscoporia karsteniana Q. Chen, F. Wu & Y.C. Dai 語源…フィンランドの菌学者、Petter Adolf Karsten氏に献名 【よく似た種との区別】 Fuscoporia ferruginosa(サビアナタケ) 子実体が多年生 子実体が背着生 担子胞子が楕円形 担子胞子のQ値の範囲が重なる 子実層剛毛を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくドイツなどに分布する 本種と異なり子実体が多年生ではなくほとんどの場合一年生 本種と異なり子実体が背着生平坦ではなく結節状 本種と異なり孔壁が薄いのではなく非常に厚い 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なりシスチジオールを有する 本種と異なり菌糸体剛毛に隔壁を欠く nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Australia, Queensland, Cains, Crater Lake National Park (新種) Fuscoporia plumeriae Q. Chen, F. Wu & Y.C. Dai 語源…インドソケイ属の 【よく似た種との区別】 Fuscoporia gilva(ネンドタケ) 肉眼的形態が類似している nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が常に傘状なのではなく半背着生 本種より孔口のサイズが大きい 本種より担子胞子のサイズが大きい nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia australiana オーストラリアに分布する 子実体が一年生 子実体が半背着生~傘状 孔壁が裂ける 担子胞子が楕円形 子実層剛毛を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体縁部が尖る 本種より担子胞子が長い 本種と異なり骨格菌糸に隔壁を欠く nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia callimorpha 子実体が一年生 子実体が常に傘状 骨格菌糸に隔壁を有する 子実層剛毛を有する 本種と異なりオーストラリアではなくマダガスカルなどに分布する 本種と異なり傘表面が結節状ではなく無毛 本種より担子胞子が長い 本種と異なり担子胞子が楕円形ではなく長楕円形~ほぼ類円筒形 本種より担子胞子のQ値が大きい nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループが異なる) Fuscoporia chinensis nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストラリアではなく中国に分布する 本種と異なり子実体が常に傘状ではなく半背着生 本種より孔口のサイズが大きい 本種と異なり骨格菌糸に隔壁を欠く 本種と異なり子実層剛毛に隔壁を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Singapore, Bukit Timah Nature Reserve (新種) Fuscoporia shoreae Q. Chen, F. Wu & Y.C. Dai 語源…サラノキ属の 【よく似た種との区別】 Fuscoporia longisetulosa 子実層剛毛を欠く 本種と異なり子実体が常に傘状なのではなく背着生 本種と異なり菌糸体剛毛を有する Fuscoporia discipes(ウラギンタケ) 子実体が常に傘状 子実層剛毛を欠く 本種と異なり子実体が一年生ではなく多年生 本種より孔口のサイズが大きい 本種と異なり柄が通常側生する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループが異なる) 中国海南省五指山市五指山国家級自然保護区 (新種) Fuscoporia subchrysea Q. Chen, F. Wu & Y.C. Dai 語源…Fuscoporia chrysea類似の 【よく似た種との区別】 Fuscoporia chrysea 形態的に類似している(混同のおそれがある) 子実体が背着生 孔口が小型 担子胞子が広楕円形 本種と異なり子実体が多年生 本種と異なり孔口面が黄金色 本種より孔口のサイズが大きい 本種と異なり菌糸体剛毛を欠く nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループが異なる) Fuscoporia rufitincta 子実体が背着生 担子胞子が楕円形 菌糸体剛毛を有する 本種と異なり中国ではなくキューバなどに分布する 本種と異なりシスチジオールを有する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループが異なる) Fuscoporia bambusae 熱帯アジアに分布する 同じタケ類に生じる 子実体が背着生 菌糸体剛毛を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくタイに分布する 本種より孔口のサイズが大きい 本種より担子胞子が長い nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Fuscoporia bambusicola (L.W. Zhou & B.S. Jia) Q. Chen, F. Wu & Y.C. Dai 旧名:Phellinus bambusicola L.W. Zhou & B.S. Jia 【よく似た種との区別】 Fuscoporia latispora 子実体が一年生 子実体が背着生 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく中米などに分布する 本種と異なり子実体の不稔の縁部が孔口面より淡色ではなく暗色 本種より子実層剛毛が長い 本種と異なり菌糸体剛毛がしばしば子実体の不稔の縁部に生じる nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia monticola 中国に分布する 子実体が一年生 子実体が背着生 担子胞子の形態が類似している 菌糸体剛毛を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体の不稔の縁部が孔口面より淡色ではなく暗色 本種より孔口のサイズが大きい 本種より担子胞子が長い 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子が長楕円形 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia bambusae 同じタケ類に生じる 子実体が一年生 子実体が背着生 菌糸体剛毛を有する 本種より孔口のサイズが大きい nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループが異なる) (新組み合わせ) Fuscoporia roseocinerea (Murrill) Q. Chen, F. Wu & Y.C. Dai 旧名:Phellinus roseocinereus (Murrill) D.A. Reid (基礎異名はPyropolyporus roseocinereus Murrill) 【よく似た種との区別】 Fuscoporia callimorpha nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が半背着生ではなく常に傘状 本種より孔口のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が長楕円形 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fuscoporia chrysea 子実体が半背着生 nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり多年生ではなく一年生 本種より担子胞子のサイズが小さい nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される