(仮訳)イタリア、サルデーニャ島北部の海岸砂地植物群集に発生した新種Gymnopilus maritimusおよびG. arenophilusについて
Guzmán-Dávalos, L. et al. 2009. Gymnopilus maritimus (Basidiomycota, Agaricales), a new species from coastal psammophilous plant communities of northern Sardinia, Italy, and notes on G. arenophilus. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-009-0591-7 [Accessed May 6, 2025] 【R3-12770】2025/5/6投稿

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3行まとめ

イタリア、サルデーニャ島の海岸砂丘で採集された菌を検討し、Gymnopilus maritimusとして新種記載した。
本種は生息環境が特異であり、傘が黄褐色繊維状で、味が温和、担子胞子に大型で顕著な疣を有することなどで特徴づけられ、分子系統解析ではG. imperialisG. spectabilisを含むクレードの姉妹群であった。
また、G. arenophilusのタイプ標本を検討し、原記載で観察されなかった側シスチジアが存在することを明らかにしたほか、フランスにおける分布を初めて確かめた。
Italy, Sardinia prov., Sassari, Olbia, Pittulongu

(新種)

Gymnopilus maritimus Contu, Guzm.-Dáv., A. Ortega & Vizzini
語源…海洋の
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【よく似た種との区別】
Gymnopilus arenophilus
南欧に分布する
生息環境が類似している
形態的に類似している(当初この種と考えられた)
肉眼的形態が類似している
クモの巣膜を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイタリアではなくスペイン、フランスなどに分布する
本種と異なりJuncus maritimusとの関連が知られていない
本種と異なり傘表面が繊維状~微細な小鱗片状ではなく無毛~繊維状
本種と異なり子実体に僅かに苦味がある
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり担子胞子表面の疣が大型ではなく小型~中型
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Gymnopilus decipiens(ヤケノヒメチャツムタケ)
砂質土壌に発生する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりJuncus maritimusとの関連が知られておらず、焼けた土、コケの間から発生することもある
本種と担子胞子のサイズが異なる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Gymnopilus fulgens
南欧に分布する
砂丘に生息する
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
担子胞子の装飾が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイタリアではなくスペインなどに分布する
本種と異なりJuncus maritimusとの関連が知られておらず、ミズゴケやその他のコケとともにピートボグに生息する
本種より子実体のサイズが小さい
本種より子実体の形状ががっしりとしているのではなく細長い
本種と異なりクモの巣膜を有するのではなく欠く
本種と異なり担子胞子頂部が鈍頭または僅かにやや先細りになることがあるのではなく先細りになり時に頂部に乳頭突起を有する
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
本種より柄シスチジアのサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Gymnopilus fulgens var. luteicystis
南欧に分布する
本種と異なりイタリアではなくスペインなどに分布する
本種と生息環境が顕著に異なる
本種より担子胞子のサイズが小さい
Gymnopilus flavus
地中海地域に分布する
形態的に類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイタリアではなくスペインなどに分布する
本種と異なりJuncus maritimusではなくイネ科植物と関係を持つ
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Gymnopilus pseudofulgens
イタリアに分布する
本種と異なりJuncus maritimusとの関連が知られていない
本種より子実体のサイズが小さい
本種より傘の直径が小さい
本種より柄の幅が狭い
本種と担子胞子のサイズが異なる
本種より担子胞子の疣が小さい
Gymnopilus corsicus
南欧に分布する
本種と異なりイタリアではなくフランスなどに分布する
本種と異なりマツ林に生息する
本種と異なり砂質土壌ではなく切り株またはおがくずから生じる
本種と異なりクモの巣膜を欠く
本種と異なり担子胞子が非デキストリノイド
Gymnopilus spadiceus
南欧に分布する
子実体ががっしりとしている
クモの巣膜が消失性
担子胞子表面に大きな疣を有する
担子胞子がデキストリノイド
本種と異なりイタリアではなくフランスなどに分布する
本種と異なりマツ林に生息する
本種と異なり砂質土壌ではなく切り株またはおがくずから生じる
本種と担子胞子のサイズが異なる
本種と異なり担子胞子が長楕円形
Gymnopilus arenicola
砂浜に生息する
本種と異なりイタリアではなく北米などに分布する
本種と異なりJuncus maritimusとの関連が知られていない
本種より担子胞子のサイズが小さい

(フランス新産種)

Gymnopilus arenophilus A. Ortega & Esteve-Raventós
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【よく似た種との区別】
Gymnopilus maritimus
南欧に分布する
生息環境が類似している
形態的に類似している(当初この種と考えられた)
肉眼的形態が類似している
クモの巣膜を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスペイン、フランスなどではなくイタリアに分布する
本種と異なりJuncus maritimusとの関連が知られている
本種と異なり傘表面が無毛~繊維状ではなく繊維状~微細な小鱗片状
本種と異なり子実体に僅かに苦味があるという特徴を欠く
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なり担子胞子表面の疣が小型~中型ではなく大型
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Gymnopilus fulgens
南欧に分布する
形態的に類似している(この種に誤同定されていた)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Gymnopilus penetrans(キツムタケ)
形態的に類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体の味が弱い苦味ではなく強い苦味である
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり側シスチジアを欠くかごく稀に有するのではなく非常に一般的に有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される