2015年7月7日 (仮訳)日本産の類白色子実体を形成するカノシタ属菌 Yanaga, K. et al., 2015. Hydnum species producing whitish basidiomata in Japan. Mycoscience. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1340354015000029 [Accessed July 6, 2015]. 【R3-01985】2015/07/07投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 千葉、兵庫、岡山の混生林に産した類白色のカノシタ属菌について、形態学的検討および分子系統解析を行い、Hydnum minumとして新種記載した。 本種は子実体が小型で、傘表面が平滑、子実層托が円錐形~針形、柄が細く、担子胞子が類球形~広卵形であることなどで特徴づけられた。 本新種のほか、H. albomagnum(日本新産種)、H. albidum、H. repandum var. albumを報告した。 岡山県真庭市蒜山 (新種) Hydnum minum Yanaga & N. Maek. 語源…小さい(子実体のサイズから) 【よく似た種との区別】 Hydnum albomagnum 日本に分布する 子実体が類白色 担子胞子のQ値の範囲が重なる ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり日本だけでなくカナダおよび米国に分布する 本種より傘の直径が大きい 本種より柄のサイズが大きい 本種より担子胞子が顕著に長い 本種と異なり担子胞子が類球形~広卵形ではなく球形~広楕円形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hydnum albidum(ヒメハリタケ) 日本に分布する 子実体が類白色 担子胞子のサイズの範囲が重なる ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり日本だけでなくヨーロッパなどに分布する 本種より子実体の丈が高い 本種より傘の直径が大きい 本種より傘の厚みが大きい(乾燥標本) 本種より柄のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hydnum repandum var. album(シロカノシタ) 日本に分布する 子実体が類白色 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より傘の直径が大きい 本種より柄のサイズが大きい 本種より担子胞子のサイズが顕著に大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (日本新産種) Hydnum albomagnum Banker 【よく似た種との区別】 Hydnum minum 日本に分布する 子実体が類白色 担子胞子のQ値の範囲が重なる ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりカナダおよび米国における分布が知られていない 本種より傘の直径が小さい 本種より柄のサイズが小さい 本種より担子胞子が顕著に短い 本種と異なり担子胞子が球形~広楕円形ではなく類球形~広卵形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hydnum albidum(ヒメハリタケ) 日本に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より柄の幅が狭い 本種より担子胞子のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hydnum repandum var. album(シロカノシタ) 日本に分布する 形態的に非常に類似している(おそらく混同されてきた) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体の丈が高い 本種より柄が長い 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Hydnum albidum Peck ヒメハリタケ 【よく似た種との区別】 Hydnum minum 日本に分布する 子実体が類白色 担子胞子のサイズの範囲が重なる ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヨーロッパなどにおける分布が知られていない 本種より子実体の丈が低い 本種より傘の直径が小さい 本種より傘の厚みが小さい(乾燥標本) 本種より柄のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hydnum albomagnum 日本に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より柄の幅が広い 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Hydnum repandum var. album (Quél.) Rea シロカノシタ 【よく似た種との区別】 Hydnum repandum(カノシタ) 色以外の肉眼的形質が一致する 顕微鏡的形質が一致する ITS領域に基づく分子系統解析で同一の系統を形成する 本変種と異なり子実体が類白色~淡い帯黄色ではなく橙ベージュ色~橙色 Hydnum minum 日本に分布する 子実体が類白色 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本変種より傘の直径が小さい 本変種より柄のサイズが小さい 本変種より担子胞子のサイズが顕著に小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hydnum albomagnum 日本に分布する 形態的に非常に類似している(おそらく混同されてきた) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体の丈が低い 本種より柄が短い 本種より担子胞子のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される