2015年10月7日 (仮訳)北米西部産の地衣類の2新種、Hypogymnia recurvaおよびHypogymnia wilfiana Goward, T. et al., 2010. Hypogymnia recurva and Hypogymnia wilfiana spp. nov., two new lichens from western North America. Botany. Available at: http://www.nrcresearchpress.com/doi/abs/10.1139/B10-028 [Accessed October 7, 2015]. 【R3-02263】2015/10/07投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 北米産のHypogymnia metaphysodesと呼ばれてきた地衣を検討し、子嚢胞子などの形態や地衣成分などが異なることを示した。 Hypogymnia recurvaとH. wilfianaの2新種を記載し、狭義のH. metaphysodesは北米の地衣類相から除外すべきとした。 前者はビッタトール酸、後者は2-メチレン-3-カルボキシ-18-ヒドロキシノナデカン酸を含むことなどで特徴づけられた。 Canada, British Columbia, Clearwater Valley, kame terrace north above Philip Creek (新種) Hypogymnia recurva Goward, C.R.Björk & Hollinger 語源…反曲した(裂片の先端の形態から) 【よく似た種との区別】 Hypogymnia wilfiana 同所的に分布する(カナダ) 地衣成分としてアトラノリン、フィソド酸、3-ヒドロキシフィソド酸を含む 本種と異なり地衣体が緩く圧着するのではなく圧着するか中央部に向けて斜上する 本種と異なり地衣体がしばしば緑色を帯びるのではなくしばしば青色を帯びる 本種より最大の裂片の幅が狭い 本種と異なり裂片の先端が反曲しない 本種と異なり周縁の裂片がしばしば”trailing”という特徴を欠く 本種と異なり地衣体表面が紙のような質感ではなくガラス質 本種と異なり地衣体表面が柔軟ではなくかなり脆い 本種より子嚢胞子の平均の長さが短い 本種と異なり地衣成分として”apinnatic acid”を含む 本種と異なり地衣成分としてビッタトール酸を含まない Hypogymnia metaphysodes(ヤマトフクロゴケ) 形態的に類似している(混同のおそれがある) 地衣成分としてアトラノリン、フィソド酸、3-ヒドロキシフィソド酸を含む 本種と異なり北米における分布が知られていない 本種と異なり地衣成分としてビッタロール酸を含まない Hypogymnia occidentalis 地衣体の形態が類似していることがある 本種と異なり末端の裂片の分岐点の皮層にしばしば大きな穿孔を有する 本種と異なり髄層の上端が白色ではなく連続的に暗色 Hypogymnia physodes(フクロゴケ) 形態が一見類似していることがある 本種より地衣体の光沢が強い 本種と異なり通常粉子器を欠く 本種と異なり地衣成分としてビッタトール酸を含まない Canada, British Columbia, Clearwater Valley, kame terrace north above Philip Creek (新種) Hypogymnia wilfiana Goward, T.Sprib. & Ahti 語源…故Wilfred Borden Schofield氏(蘚苔学者、地衣類のコレクター)に献名 【よく似た種との区別】 Hypogymnia recurva 同所的に分布する(カナダ) 地衣成分としてアトラノリン、フィソド酸、3-ヒドロキシフィソド酸を含む 本種と異なり地衣体が圧着するか中央部に向けて斜上するのではなく緩く圧着 本種と異なり地衣体がしばしば青色を帯びるのではなくしばしば緑色を帯びる 本種より最大の裂片の幅が広い 本種と異なり裂片の先端が反曲する 本種と異なり周縁の裂片がしばしば”trailing”である 本種と異なり地衣体表面がガラス質ではなく紙のような質感である 本種と異なり地衣体表面がかなり脆いのではなく柔軟 本種より子嚢胞子の平均の長さが長い 本種と異なり地衣成分としてビッタトール酸を含む 本種と異なり地衣成分として”apinnatic acid”を含まない Hypogymnia metaphysodes(ヤマトフクロゴケ) 形態的に類似している(混同のおそれがある) 地衣成分としてアトラノリン、フィソド酸、3-ヒドロキシフィソド酸を含む 本種と異なり北米における分布が知られていない 本種と異なり髄層の上端が白色ではなく主に暗色 本種と異なり髄層がK+帯赤桃色ではなくK陰性 本種と異なり子嚢胞子が楕円形ではなく球形 本種と異なり地衣成分として3-ヒドロキシフィソド酸を含む 本種と異なり地衣成分として”apinnatic acid”を含まない Hypogymnia canadensis 北米西部に分布する 地衣成分としてアトラノリン、フィソド酸を含む 本種と異なり髄層の上端が白色ではなく常に暗色 本種と異なり地衣成分として3-ヒドロキシフィソド酸を含む 本種と異なり地衣成分として”apinnatic acid”を含まない