(仮訳)Halimium属と外生菌根により共生するアセタケ科菌類、およびサルデーニャ産のInocybe属2新種
Sanna, M. et al. 2024. Inocybaceae (Basidiomycota) in ectomycorrhizal symbiosis with Halimium (Cistaceae), and the description of two new species of Inocybe from Sardinia (Italy). Diversity. Available at: https://www.mdpi.com/1424-2818/16/8/505 [Accessed August 23, 2024] 【R3-12003】2024/8/23投稿

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3行まとめ

イタリア、サルデーニャ島において海岸沿いのHalimium halimifoliumの純群落に発生したアセタケ科菌類を調査した。
現在Halimium属植物との関連が報告されているアセタケ科の17種を一覧にまとめた。
そのうちInocybe halimiphilaI. rubripesの2新種を記載し、その外生菌根の形態も観察した。
Italy, Sardinia, Gonnesa (CA), Guroneddu locality

(新種)

Inocybe halimiphila Mua, Sanna, A. Rinaldi & Casula
語源…Halimium属を好む
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【よく似た種との区別】
Inocybe giacomi
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイタリアではなくフィンランド、ノルウェーなどに分布する
本種と異なり北欧や高山に分布する
本種と異なりHalimium属ではなくカバノキ属、マツ属、チョウノスケソウ造、ヤナギ属植物などと関係を持つ
本種と子実体のサイズが異なる
本種と異なり襞が直生する
本種より担子胞子が短い
本種と異なり担子胞子表面が平滑ではなく結節状
本種と異なり側シスチジア頂部がほぼ完全に結晶に覆われる
本種と異なり縁シスチジア頂部がほぼ完全に結晶に覆われる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe subgiacomi
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイタリアではなくスウェーデン、米国などに分布する
本種と異なり北欧や高山に分布する
本種と異なりHalimium属ではなくチョウノスケソウ造、ヤナギ属植物などと関係を持つ
本種より担子器の平均長が長い
本種より担子胞子が短い
本種と異なり担子胞子表面が平滑ではなく結節状
本種より縁シスチジアが長い
本種と異なり縁シスチジア頂部が常に結晶に覆われる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe lacera(クロトマヤタケ)
ヨーロッパに分布する
担子胞子の形態が類似している
本種と異なりイタリアではなくドイツ、オランダなどに分布する
本種より子実体の平均サイズが大きい
本種ほど傘が暗色でない
本種と異なり柄表皮に被膜の名残を有する
本種より担子胞子の平均サイズが大きい
本種と異なり縁シスチジアが規則的で非多型という特徴を欠く
本種と異なり柄シスチジアが稀か欠くこともあるという特徴を欠く
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Italy, Sardinia, Gonnesa (CA), Guroneddu locality

(新種)

Inocybe rubripes Sanna, Mua, A. Rinaldi & Casula
語源…赤い柄の
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【よく似た種との区別】
Inocybe roseipes
本種と異なりHalimium属ではなくヒマラヤスギ属植物などと関係を持つ
本種より傘中央部が一般的に残りの部分より淡色である
本種と異なり傘表面が羊毛状繊維状
本種と異なり肉に弱い精液臭がある
本種と異なり担子器が”lamellar thread”に位置する
本種と異なり側シスチジア頂部に粘液質の泡を伴い、結晶が埋生する
本種より縁シスチジアが厚壁
Inocybe pseudodestricta(カガヤキトマヤタケ)
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイタリアではなくドイツ、オランダなどに分布する
本種と異なりHalimium属ではなくオーク類、ブナ、シナノキ、カバノキ類などと関係を持つ
本種より子実体が頑丈である
本種と異なり傘中央部が帯赤褐色
本種より子実層シスチジアの平均サイズが大きい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される