2014年5月11日 (仮訳)ユタ州産のアセタケ属オオキヌハダトマヤタケ節:系統関係および新種 Kropp, BR., Matheny, PB. & Hutchison, LJ., 2013. Inocybe section Rimosae in Utah: phylogenetic affinities and new species. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/105/3/728.short [Accessed May 11, 2014]. 【R3-00700】2014/05/11投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 米国ユタ州産のアセタケ属オオキヌハダトマヤタケ節(広義)の菌類を検討し、Pseudospermaクレードに7種を、Inospermaクレードに1種を認めた。 8種のうち5種は、形態学的検討および分子系統解析に基づき本論文で記載された新種で、2種はヨーロッパでも知られている種であった。 分子系統解析により、Pseudospermaクレードに53、Inospermaクレードに47のクラスターが含まれることが示唆され、その多くが未記載種に相当すると考えられた。 USA, Utah, Cache County, Uinta-Wasatch-Cache National Forest (新種) Inocybe aestiva Kropp, Matheny & Hutchison 語源…夏の(子実体の発生時期から) 【よく似た種との区別】 Inocybe rimosa(アセタケ) 形態的に類似している(従来は本種がこの種と同定されていた例もある) LSU、rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりロッキー山脈に産することが少ない LSU、rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Inocybe lanatodisca 米国ユタ州に分布する 傘が黄色を帯びる 傘が円錐形 本種と異なりマツ科樹木ではなく主に広葉樹と関係を持つ 本種と異なり柄が繊維状ではなく平滑 本種より担子胞子が短く、平均10 μm以下 USA, Utah, Cache County, Uinta-Wasatch-Cache National Forest (新種) Inocybe breviterincarnata Stuntz ex Kropp, Matheny & Hutchison 語源…一時的に肉色の(若い子実体の襞が肉色であることから;D.E. Stuntzが命名) 【よく似た種との区別】 Inocybe pseudo-orbata 襞が桃色 担子胞子が長い 本種と異なり米国ではなくスペインに分布する 本種より子実体のサイズが大きい 本種より子実体ががっしりとしている 本種と異なり傘が淡褐色~黄褐色ではなく類白色 Inocybe niveivelata 米国西部に分布する 傘表面に亀裂が生じない 成熟した子実体の襞の色が類似している 傘表皮が比較的よく発達した子実体が類似していることがある 担子胞子が平均13 μmを超える 本種と異なり傘が淡褐色~黄褐色ではなく白色 本種と異なり傘表皮に被膜が豊富に存在して絹状 本種と異なり若い子実体の襞が帯桃色(肉色)でない 本種と異なり若い子実体の柄の頂部が帯桃色でない USA, Utah, Boxelder County, Sawtooth National Forest (新種) Inocybe cercocarpi Kropp, Matheny & Hutchison 語源…Cercocarpus属の 【よく似た種との区別】 Inocybe spuria 米国ユタ州に分布する 形態的に類似している 子実体ががっしりとしている 傘表面に亀裂が生じない 若い子実体の襞が黄色を帯びる 精子臭がある 担子胞子の平均が13 μm以下 LSU、rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりCercocarpus ledifoliusおよびPinus monophyllaではなくヤマナラシ属および混生する針葉樹と関係を持つ 本種と異なり子実体がしばしば叢生するという特徴を欠く 本種と異なり傘が帯黄色でない 本種と異なり傘表面にしばしば鱗片を持つ LSU、rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される USA, Utah, Cache County, Uinta-Wasatch-Cache National Forest (新種) Inocybe niveivelata Stuntz ex Kropp, Matheny & Hutchison 語源…雪白色の被膜の(D.E. Stuntzが命名) 【よく似た種との区別】 Inocybe breviterincarnata 米国西部に分布する 傘表面に亀裂が生じない 成熟した子実体の襞の色が類似している 傘表皮が比較的よく発達した子実体が類似していることがある 担子胞子が平均13 μmを超える 本種と異なり傘が白色ではなく淡褐色~黄褐色 本種と異なり傘表皮の被膜が少なく、絹状にならない 本種と異なり若い子実体の襞が帯桃色(肉色)であるという顕著な特徴を持つ 本種と異なり若い子実体の柄の頂部が帯桃色 Inocybe arenicola 白色のタイプの子実体が本種と類似している 本種と異なり米国西部ではなくヨーロッパに分布する 本種と異なり山地ではなく海岸砂丘に発生する LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される USA, Utah, Cache County, Uinta-Wasatch-Cache National Forest (新種) Inocybe occidentalis Kropp, Matheny & Hutchison 語源…西の(北米西部に分布することから) 【よく似た種との区別】 Inocybe maculata(シラゲアセタケ) 形態的に類似している(誤同定されたことがある) (その他掲載種) Inocybe lanatodisca Kauffman 【よく似た種との区別】 Inocybe aestiva 米国ユタ州に分布する 傘が黄色を帯びる 傘が円錐形 本種と異なり主に広葉樹ではなくマツ科樹木と関係を持つ 本種と異なり柄が平滑ではなく繊維状 本種より担子胞子が長く、平均10 μm以上 Inocybe armoricana 形態的に類似している(同種の可能性がある) 本種と異なり柄が黄褐色を帯びる 本種より担子胞子のサイズがやや小さい Inocybe lanatodisca var. phaeoderma 米国に分布する 形態的に類似している(同種の可能性がある) 本種と異なり傘が琥珀色を帯びる Inocybe rimosa(アセタケ) 本種と異なり柄の表面が繊維状~羊毛状 本種より担子胞子の幅が広い Inocybe maculata f. fulva LSU、rpb2に基づく分子系統解析で近縁(LSUでは区別できない) 本種と異なり米国・メキシコ・コスタリカではなくヨーロッパに分布する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Inocybe obsoleta Romagn. ※Inocybe auroraを本種のシノニムとした。 【よく似た種との区別】 Inocybe rimosa(アセタケ) 形態的に類似している(誤同定されたことがある) LSU、rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Inocybe spuria Jacobsson & Larsson 【よく似た種との区別】 Inocybe cercocarpi 米国ユタ州に分布する 形態的に類似している 子実体ががっしりとしている 傘表面に亀裂が生じない 若い子実体の襞が黄色を帯びる 精子臭がある 担子胞子の平均が13 μm以下 LSU、rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヤマナラシ属および混生する針葉樹ではなくCercocarpus ledifoliusおよびPinus monophyllaと関係を持つ 本種と異なり子実体がしばしば叢生する 本種と異なり傘が黄色を帯びる 本種と異なり傘表面にしばしば鱗片を持つという特徴を欠く LSU、rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Inocybe squamata 形態的に類似している(従来本種がこの種に同定されてきた) 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり担子胞子が主に豆形ではなく楕円形