2025年4月15日 (仮訳)統合的分類学と複数遺伝子系統解析により明らかになったパキスタン、パンジャーブ州南部産のClitopilus属3新種 Asif, M. et al. 2025. Integrative taxonomy and multigene phylogeny uncover three novel taxa of the genus Clitopilus from southern Punjab, Pakistan. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-025-02047-6 [Accessed April 15, 2025] 【R3-12707】2025/4/15投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ パキスタン、パンジャーブ州からClitopilus albominimus、C. inops、およびC. pirosylvanusの3新種を記載した。 これらの新種はいずれもScyphoides節に分類された。 C. albominimusは子実体が白色から淡黄色で非常に小型、C. inopsは子実体が小型で側生し柄を欠き、C. pirosylvanusは傘が漏斗形で縁が波打ち、柄に触れると赤黄色に変色することなどで特徴づけられた。 Pakistan. Punjab prov., Village 183/F, Chonawala road Hasilpur, District Bahawalpur (新種) Clitopilus albominimus Asif, Saba & M. Raza 語源…白い小さな(子実体の色とサイズから) 【よく似た種との区別】 Clitopilus subscyphoides 南アジアに分布する ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなく中国、インドなどに分布する 本種と異なり傘が扁平 本種と異なり傘表面が吸水性 本種と異なり襞がやや垂生する 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Clitopilus kamaka アジアに分布する ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくニュージーランド、韓国などに分布する 本種と異なり子実体が岩面上に生息する 本種と異なり柄が成熟時痕跡的または非常に小型 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子表面が平滑 本種と異なり傘表皮に色素を欠く ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Clitopilus inops パキスタンに分布する ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりローム質土壌ではなく葉や小枝上に生育する 本種と異なり傘が凸形ではなく円形~扇形 本種と異なり柄を有するのではなく欠く ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pakistan. Punjab prov., Hasilpur Forest, Vehari road, District Bahawalpur (新種) Clitopilus inops Asif, Saba, & M. Raza 語源…柄を欠く 【よく似た種との区別】 Clitopilus albominimus パキスタンに分布する ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり葉や小枝上ではなくローム質土壌に生育する 本種と異なり傘が円形~扇形ではなく凸形 本種と異なり柄を欠くのではなく有する ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Clitopilus velutinus ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくドミニカ共和国などに分布する 本種と異なり子実体がカヤタケ型 本種と異なり傘が凸形 本種と異なり柄が偏心生 本種と異なり柄が明確に分化する 本種より柄が長い 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より担子胞子表面に縦方向の隆起が多い 本種と異なり傘表皮が円筒形菌糸からなる毛状被である ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Clitopilus hobsonii アジアに分布する ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなく中国、オーストラリア、イギリスなどに分布する 本種と異なり土壌、岩、植物基質、またはシロアリの塚など多様な基質に生息する 本種と異なり亜熱帯ではなく温帯~熱帯に広く分布する 本種と異なり傘が凸形 本種と異なり傘表面が微毛状 本種と異なり柄が偏心生 本種より担子胞子が僅かに長い ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pakistan. Punjab prov., Pirowal reserve forest, District Khanewal (新種) Clitopilus pirosylvanus Asif, Saba, & M. Raza 語源…ピーローウォールの森の 【よく似た種との区別】 Clitopilus cretoalbus パキスタンに分布する ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が臍状で縁部が波打つ 本種と異なり傘が手で触れると褐変する 本種と異なり傘表面が亀裂状 本種と異なり柄表面が微毛状 本種と異なり担子器がしばしば4胞子性 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が広楕円形~扁桃形 本種と異なり縁シスチジアがしばしば集まりをなす 本種と異なり縁シスチジアが瓶形~糸状 本種より傘表皮菌糸の幅が広い 本種と異なり柄表皮が幅広い錯綜する菌糸からなる ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Clitopilus scyphoides(タネサシヒメシロウラベニタケ) アジアに分布する ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくカナダ、中国、米国、フランス、イギリスなどに分布する 本種と異なり傘が帯白灰色~帯赤褐色 本種と異なり傘が扁平 本種と異なり傘表面が粉状からビロード状 本種と異なり柄を欠くことがある 本種と異なり柄が偏心生 本種より担子胞子が長い ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Clitopilus giovanellae ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくスペイン、イタリアなどに分布する 本種と異なり傘が淡灰色~灰黄褐色 本種と異なり傘が凸形~扁平 本種より担子胞子が僅かに長い 本種と異なり担子胞子が広楕円形~扁桃形 ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される