(仮訳)インド、ジャンムー・カシミール産の2新種、Lactarius indohirtipesおよびL. sharmai
Verma, K. et al. 2024. Lactarius indohirtipes and L. sharmai (Russulales, Basidiomycota): two novel species from Jammu and Kashmir, India. European Journal of Taxonomy. Available at: https://europeanjournaloftaxonomy.eu/index.php/ejt/article/view/2627 [Accessed August 20, 2024] 【R3-11992】2024/8/20投稿

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3行まとめ

インド、ジャンムー・カシミール連邦直轄領からLactarius indohirtipesおよびL. sharmaiの2新種を記載した。
前者はコナラ属樹木と関係を持ち、傘が橙色で、乳液が白色で変色しないことなどで特徴づけられた。
後者はコナラ属およびマツ属樹木と関係を持ち、傘が帯灰黄色で、乳液が橙色に変色することなどで特徴づけられた。
India, Jammu and Kashmir, Doda, Bhaderwah, Chatergala

(新種)

Lactarius indohirtipes K. Verma, Uniyal & Mehmood
語源…インドのLactarius hirtipes複合種
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【よく似た種との区別】
Lactarius fulvihirtipes
同じLactarius hirtipes複合種に含まれる
アジアに分布する
形態的に類似している(野外で容易に混同されうる)
乳液が白色
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなく中国などに分布する
本種と異なり傘が帯褐橙色ではなく帯褐黄色
本種と異なり襞の間隔が密ではなく疎
本種と異なり襞縁部が不稔である
本種と異なり乳液が水っぽい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく広楕円形
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなく粘質短細胞被~菌糸状上皮である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius hirtipes
同じLactarius hirtipes複合種に含まれる
アジアに分布する
同じブナ科樹木と関係を持つ
形態的に類似している(野外で容易に混同されうる)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなく中国などに分布する
本種と異なりコナラ属ではなくシイ属、トウヒ属、ツツジ属樹木などと関係を持つ
本種と異なり乳液が白色で変色しないのではなく白色で乳清白色に変色する
本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなく短細胞被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius subhirtipes
同じLactarius hirtipes複合種に含まれる
アジアに分布する
形態的に類似している(野外で容易に混同されうる)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなく中国などに分布する
本種と異なり子実体が帯褐橙色
本種と異なり子実体の形状が細長い
本種と異なり傘に乳頭突起を有する
本種と異なり傘表面に粘性ではなく光沢をあらわす
本種と異なり乳液が水っぽい
本種と異なり担子胞子が小型
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく球形
本種と異なり担子胞子の装飾が網目状ではなく比較的孤立した尖った装飾である
本種と異なりマクロシスチジアを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius alpinihirtipes
同じLactarius hirtipes複合種に含まれる
アジアに分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
形態的に類似している(野外で容易に混同されうる)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなく中国などに分布する
本種と異なりマツ属、トウヒ属樹木との関係が知られている
本種と異なり傘表面が皺状で縁部が不規則な条線状
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく広楕円形~楕円形
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなく菌糸状上皮である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius aurantiobruneus
同じLactarius hirtipes複合種に含まれる
アジアに分布する
形態的に類似している(野外で容易に混同されうる)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなく中国などに分布する
本種と異なり傘が帯褐橙色ではなくより橙色
本種と異なり傘縁部が全縁ではなく円鋸歯状
本種と異なり傘表面が粘性ではなく乾燥して強い皺状
本種と異なり襞の間隔が密ではなく中程度に疎
本種と異なり乳液が水っぽい~クリーム状で水っぽい
本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり担子胞子表面が網目状ではなく、丈が高くて網目状にならない
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなく短細胞被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius atrii
インドに分布する
形態的に類似している(野外で容易に混同されうる)
本種と異なりコナラ属ではなくトウヒ属、ツガ属、ビャクシン属の混交針葉樹林などに生じる
本種と異なり子実体が淡褐色
本種と異なり子実体基部が非常に剛毛状
本種と異なり担子胞子表面が鈍頭の孤立した疣状
本種と異なりマクロシスチジアが突出する
本種と異なりマクロシスチジアが大型
India, Jammu and Kashmir, Udhampur, Majalta, Samanabanj

(新種)

Lactarius sharmai K. Verma, Uniyal & Mehmood
語源…Yash Pal Sharma教授に献名
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【よく似た種との区別】
Lactarius pleuromacrocystidiatus
インドに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面が放射状の皺状
本種と異なり乳液が襞において淡い帯灰橙色、肉において黄色に変色する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子の装飾の丈が中程度に高い
本種と異なり側マクロシスチジアが無色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius azonites
形態的に類似している(野外で混同されうる)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくベルギーなどに分布する
本種と異なり傘が黄灰色~帯褐灰色ではなく淡黄褐色~帯灰褐色
本種と異なり襞がやや離生ではなく直生する
本種と異なり襞が淡黄色~帯灰橙色ではなく帯白クロム色
本種と異なり襞の間隔が密ではなく中程度に疎
本種と異なり肉が変色しないのではなく明るい桃色~橙桃色に変色する
本種と異なり傘表皮が毛状柵状被ではなく菌糸状上皮~毛状上皮である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius ruginosus
同じブナ科樹木と関係を持つ
形態的に類似している(野外で混同されうる)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくイタリアなどに分布する
本種と異なりコナラ属およびマツ属ではなくブナ属およびクマシデ属樹木などと関係を持つ
本種と異なり傘が黄灰色~帯褐灰色ではなく帯灰褐色~オリーブ色
本種と異なり傘縁部が円鋸歯状
本種と異なり襞がやや離生ではなく直生する
本種と異なり襞の間隔が密ではなく疎
本種と異なり肉がサーモンピンクに変色する
本種と異なり担子胞子の装飾が部分的に網目状なのではなく、より丈が高く網目をなさない螺旋状
本種と異なり傘表皮が毛状柵状被ではなく毛状上皮である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius pterosporus(ウスイロカラチチタケ)
形態的に類似している(野外で混同されうる)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくベルギー、フランス、スロベニアなどに分布する
本種と異なり傘が帯オリーブ黄褐色~暗い帯灰色
本種ほど乳液が豊富でない
本種と異なり乳液が乾燥すると襞において淡い帯灰橙色
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が類球形~楕円形
本種と異なり担子胞子の装飾が螺旋状で不完全な網目をなす隆起状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius acris(ハイイロカラチチタケ)
形態的に類似している(野外で混同されうる)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくフランス、スロバキアなどに分布する
本種と異なり傘が黄灰色~帯褐灰色ではなく帯クリーム白色~暗い帯桃色
本種と異なり傘縁部が円鋸歯状
本種と異なり傘表面が粘性で粘着質である
本種と異なり肉が白色で桃色~帯褐橙色に変色する
本種と異なり傘表皮が毛状柵状被ではなく”ixo-oedotrichoderm”~粘質毛状柵状被である
本種と異なり傘表皮の末端細胞が頭状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius sarthalanus
インドに分布する
同じマツ科樹木と関係を持つ
本種と異なりコナラ属およびマツ属ではなくヒマラヤスギの樹下などに発生する
本種と異なり傘が黄灰色~帯褐灰色ではなく淡褐色~暗褐色
本種と異なり襞が傷つくと濃橙色になる
本種と異なり乳液が白色で露出するとパステルレッドに変色する