(仮訳)分子系統解析によりCeratocystis属の3新種が明らかになり、同属のアフリカにおける地理的分化の証拠が得られた
Mbenoun, M. & Wingfield, M., 2013. Molecular phylogenetic analyses reveal three new Ceratocystis species and provide evidence for geographic differentiation of the genus in Africa. Mycological …. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-013-0907-5 [Accessed November 10, 2013].
【R3-00129】2013/12/13投稿

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3行まとめ

アフリカのサバンナでゾウなどにより傷つけられた25種の樹木からCeratocystis属を採集した。
形態、培養性状およびITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析に基づき、3新種を記載した。
分子系統解析の結果から、C. fimbriata種複合体で本属で初めて系統と地理的分化が関係づけられ、アフリカ大陸由来のクレードが少なくとも3つ確認された。
South Africa, Kruger National Park, near Skukuza

(新種)

Ceratocystis cryptoformis M. Mbenoun & Jol. Roux
語源…隠れた形の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ceratocystis oblonga
本種と同じくCeratocystis moniliformis種複合体に含まれる
南アフリカに同所的に分布する
一般的な形態が一致する(Ceratocystis moniliformisと同じ)
菌糸体に表面が粒状の菌糸を含む
培養性状が一致する(Ceratocystis moniliformisと同じ)
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で最も近縁な種の一つ
本種より僅かに子嚢果のサイズが小さい傾向がある
本種より僅かに一次分生子のサイズが小さい傾向がある
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で明瞭に区別される
β-チューブリン遺伝子を用いたGMYC解析で区別される
Ceratocystis savannae
本種と同じくCeratocystis moniliformis種複合体に含まれる
南アフリカに同所的に分布する
分布域が本種と同じく北に偏る
一般的な形態が一致する(Ceratocystis moniliformisと同じ)
培養性状が一致する(Ceratocystis moniliformisと同じ)
最適生長温度が30°C
35°Cで生存可能
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で最も近縁な種の一つ
本種と異なり分布域が南に偏る
本種より僅かに子嚢果のサイズが小さい傾向がある
本種より僅かに一次分生子のサイズが小さい傾向がある
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で明瞭に区別される
β-チューブリン遺伝子を用いたGMYC解析で区別される
South Africa, Kruger National Park, near Punda Maria

(新種)

Ceratocystis thulamelensis M. Mbenoun & Jol. Roux
語源…スラメラ産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ceratocystis albifundus
本種と同じくCeratocystis fimbriata種複合体に含まれる
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で近縁
形態が独特で明瞭に区別される
本種と異なり最適生長温度が30°C
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Ceratocystis zambeziensis
本種と同じくCeratocystis fimbriata種複合体に含まれる
子嚢果の基部に装飾を欠く
アレウリオ型分生子を形成する
生長速度が遅い
最適生長温度が25°C
コロニーが本種より明色の帯オリーブ緑色
生長速度が本種より速い
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で明瞭に区別される
South Africa, Kruger National Park, near Satara

(新種)

Ceratocystis zambeziensis M. Mbenoun & Jol. Roux
語源…ザンベジ産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ceratocystis tsitsikammensis
本種と同じくCeratocystis fimbriata種複合体に含まれる
コロニー性状が類似している
二次分生子を欠くか、ほとんど形成しない
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で最も近縁な種の一つ
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Ceratocystis albifundus
本種と同じくCeratocystis fimbriata種複合体に含まれる
形態が独特で明瞭に区別される
本種と異なり最適生長温度が30°C
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Ceratocystis tanganyicensis
本種と同じくCeratocystis fimbriata種複合体に含まれる
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で近縁
本種と異なり最適生長温度が20°C
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Ceratocystis thulamelensis
本種と同じくCeratocystis fimbriata種複合体に含まれる
最適生長温度が25°C
コロニーが本種より暗色の帯オリーブ色
本種と異なり菌糸体が疎ら
生長速度が本種より遅い
ITS、β-チューブリン、TEF-1α遺伝子を用いた分子系統解析で明瞭に区別される