2021年7月12日 (仮訳)Keratinophyton属の分子系統:従来Chrysosporium属とされていた菌の包含と4新種の記載 Labuda, R. et al., 2021. Molecular systematics of Keratinophyton: the inclusion of species formerly referred to Chrysosporium and description of four new species. IMA fungus. Available at: https://imafungus.biomedcentral.com/articles/10.1186/s43008-021-00070-2 [Accessed July 12, 2021] 【R3-08588】2021/7/12投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ オーストリア、イタリア、およびスロバキアにおいて土壌試料から分離された菌を検討し、Keratinophyton属4新種を記載した。 Chrysosporium属の10種をKeratinophyton属に移した。 本属菌の新たな検索表を作成した。 Slovak Republic, Tatranská Lomnica (新種) Keratinophyton gollerae Labuda, Bernreiter, Kubátová, Schüller & Strauss 語源…Sabine Strauss-Goller氏に献名 【よく似た種との区別】 Keratinophyton minutisporum アナモルフ菌である 節間生分生子を欠く ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子が短い 本種と異なり分生子表面が平滑~微細な粗面でない 本種と異なりPDA 25°Cにおけるリバースが暗黄色でない 本種と異なり30°Cで生育可能 ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Keratinophyton wagneri アナモルフ菌である 節間生分生子を欠く ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子表面が平滑~微細な粗面ではなく疣状 本種と異なりラケット菌糸を欠く 本種と異なり30°Cで生育可能 本種よりPDA 25°Cでの生長が速い ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Keratinophyton straussii アナモルフ菌である ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種よりPDA/SDA 15°Cでの生長が大幅に遅い 本種と異なりPDA 30°Cで良好に生育する 本種と異なり分生子が8°Cで発芽可能という特徴を欠く ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Keratinophyton clavisporum 土壌菌である アナモルフ菌である 節間生分生子を欠く 分生子表面が平滑 ラケット菌糸を有する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスロバキアではなく中国などに分布する 本種と異なり植物の根の土壌から分離される 本種と異なり分生子が倒卵状~棍棒形ではなく長楕円形~棍棒形 本種と異なりPDA 25°Cでのリバースが白色~帯黄色ではなく中央部が褐色、縁部が淡黄色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Austria, Tulln and der Donau, IFA Tulln (新種) Keratinophyton lemmensii Labuda, Bernreiter, Kubátová & Schüller 語源…Marc Lemmens氏に献名 【よく似た種との区別】 Keratinophyton durum ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり有性世代が知られている 本種と異なり分節型分生子を欠く ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Keratinophyton qinghaiense 土壌菌である アナモルフ菌である 節間生分生子を有する 分生子表面が平滑 30°Cで良好に生育する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストリアではなく中国などに分布する 本種と異なり堆肥ではなく畑地土壌などから分離される 本種と異なり分生子が倒卵形~棍棒形ではなく楕円形、棍棒形~円筒形 本種と異なりラケット菌糸を欠く 本種と異なりPDA 25°Cでのリバースがレモン色ではなく帯黄色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Italy, Vieste (新種) Keratinophyton straussii Labuda, Bernreiter, Kubátová & Schüller 語源…Joseph Strauss氏に献名 【よく似た種との区別】 Keratinophyton linfenense 土壌菌である アナモルフ菌である 節間生分生子を欠く 30°Cで良好に生育する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイタリアではなく中国などに分布する 本種と異なり根圏土壌などから分離される 本種と異なり分生子が楕円形または紡錘形 本種と異なり分生子表面が平滑 本種と異なりPDA 25°Cでのリバースが白色で中央部が僅かに帯黄色なのではなく白色~淡黄色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Keratinophyton gollerae アナモルフ菌である ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種よりPDA/SDA 15°Cでの生長が大幅に速い 本種と異なりPDA 30°Cで良好に生育するという特徴を欠く 本種と異なり分生子が8°Cで発芽可能 ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Keratinophyton minutisporosum アナモルフ菌である 30°Cで良好に生育する ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり節間生分生子を有する 本種とPDA 25°Cでのリバースの色が異なる 本種とPDA 25°Cでの生長速度が異なる 本種と異なり30°Cで生育不能 本種と異なり強いケラチン分解活性を示すという特徴を欠く ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Keratinophyton wagneri アナモルフ菌である ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子形成細胞が通常膨大するのではなく膨大しないか時に膨大する 本種より分生子の平均サイズが大きい 本種より分生子表面が粗面の疣状である 本種と異なりSDA培地において培養継続後に明橙色ではなく暗褐色 本種よりPDA 30°Cでの生長が遅い 本種と異なりPCA培地で帯桃色色素を産生する 本種と異なりケラチン分解活性が非常に強いのではなく中程度である ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Slovak Republic, Tatranská Lomnica (新種) Keratinophyton wagneri Labuda, Bernreiter, Kubátová & Schüller 語源…Martin Wagner氏に献名 【よく似た種との区別】 Keratinophyton minutisporosum アナモルフ菌である ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子のサイズが小さい 本種よりPDA 25°Cでの生長が速い ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Keratinophyton straussii アナモルフ菌である ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子形成細胞が膨大しないか時に膨大するのではなく通常膨大する 本種より分生子の平均サイズが小さい 本種より分生子表面が粗面の疣状でない 本種と異なりSDA培地において培養継続後に暗褐色ではなく明橙色 本種よりPDA 30°Cでの生長が速い 本種と異なりPCA培地で帯桃色色素を産生しない 本種と異なりケラチン分解活性が中程度ではなく非常に強い ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Keratinophyton clavisporum (Zhang, Han & Liang) Labuda & Bernreiter 旧名:Chrysosporium clavisporum Y.W. Zhang, Y.F. Han & Z.Q. Liang 【よく似た種との区別】 Keratinophyton gollerae 土壌菌である アナモルフ菌である 節間生分生子を欠く 分生子表面が平滑 ラケット菌糸を有する ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国などではなくスロバキアに分布する 本種と異なり植物の根の土壌から分離されるという特徴を欠く 本種と異なり分生子が長楕円形~棍棒形ではなく倒卵状~棍棒形 本種と異なりPDA 25°Cでのリバースが中央部が褐色、縁部が淡黄色ではなく白色~帯黄色 ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Keratinophyton echinulatum (Hubka, Mallátová, Čmoková & Kolařík) Labuda & Bernreiter 旧名:Chrysosporium echinulatum Hubka, Mallátová, Čmoková & M. Kolařík (新組み合わせ) Keratinophyton fluviale (Vidal & Guarro) Labuda & Bernreiter 旧名:Chrysosporium fluviale Vidal & Guarro (新組み合わせ) Keratinophyton hubeiense (Zhang, Han & Liang) Labuda & Bernreiter 旧名:Chrysosporium hubeiense Yan W. Zhang, Y.F. Han & Z.Q. Liang (新組み合わせ) Keratinophyton linfenense (Liang, Liang & Han) Labuda & Bernreiter 旧名:Chrysosporium linfenense Z.Q. Liang, J.D. Liang & Y.F. Han 【よく似た種との区別】 Keratinophyton straussii 土壌菌である アナモルフ菌である 節間生分生子を欠く 30°Cで良好に生育する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国などではなくイタリアに分布する 本種と異なり根圏土壌などから分離されるという特徴を欠く 本種と異なり分生子が紡錘形または楕円形 本種と異なり分生子表面が平滑でない 本種と異なりPDA 25°Cでのリバースが白色~淡黄色ではなく白色で中央部が僅かに帯黄色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Keratinophyton minutisporosum (Vidal & Guarro) Labuda & Bernreiter 旧名:Chrysosporium minutisporosum P. Vidal & Guarro 【よく似た種との区別】 Keratinophyton wagneri アナモルフ菌である ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子のサイズが大きい 本種よりPDA 25°Cでの生長が遅い ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Keratinophyton straussii アナモルフ菌である 30°Cで良好に生育する ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり節間生分生子を欠く 本種とPDA 25°Cでのリバースの色が異なる 本種とPDA 25°Cでの生長速度が異なる 本種と異なり30°Cで生育可能 本種と異なり強いケラチン分解活性を示す ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Keratinophyton pannicola (Corda) Labuda & Bernreiter 旧名:Chrysosporium pannicola (Corda) Oorschot & Stalpers (基礎異名はCapillaria pannicola Corda) (新組み合わせ) Keratinophyton siglerae (Cano & Guarro) Labuda & Bernreiter 旧名:Chrysosporium siglerae Cano & Guarro (新組み合わせ) Keratinophyton submersum (Vidal & Guarro) Labuda & Bernreiter 旧名:Chrysosporium submersum P. Vidal & Guarro (新組み合わせ) Keratinophyton qinghaiense (Han, Liang & Liang) Labuda & Bernreiter 旧名:Chrysosporium qinghaiense Y.F. Han, J.D. Liang & Z.Q. Liang 【よく似た種との区別】 Keratinophyton lemmensii 土壌菌である アナモルフ菌である 節間生分生子を有する 分生子表面が平滑 30°Cで良好に生育する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストリアではなく中国などに分布する 本種と異なり畑地土壌などではなく堆肥から分離される 本種と異なり分生子が楕円形、棍棒形~円筒形ではなく倒卵形~棍棒形 本種と異なりラケット菌糸を有する 本種と異なりPDA 25°Cでのリバースが帯黄色ではなくレモン色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される