2015年10月18日 (仮訳)広義のDraba vernaに共に生じる2種のべと病菌、Hyaloperonospora erophilaeおよび新種H. praecoxの形態および系統 Voglmayr, H. & Göker, M., 2011. Morphology and phylogeny of Hyaloperonospora erophilae and H. praecox sp. nov., two downy mildew species co-occurring on Draba verna sensu lato. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-010-0699-9 [Accessed October 17, 2015]. 【R3-02295】2015/10/18投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 広義のDraba vernaに発生したべと病菌2種の形態学的検討および分子系統解析を行い、片方をHyaloperonospora praecoxとして新種記載した。 もう片方のH. erophilaeについては、本論文で初めて診断に有用な病徴、吸器、造卵器を含む詳細な記載を掲載した。 形態および分子に基づき、両種が1か所において同一の宿主個体群に感染していたことが示された。 Austria, Wien, 3rd Distr. (Landstraße), Botanical Garden of the University (HBV), margin of a gravel road (新種) Hyaloperonospora praecox Voglmayr & Göker 語源…早期の(一年の早い時期に生じることから) 【よく似た種との区別】 Hyaloperonospora erophilae 同所的に分布する(オーストリア、ドイツ) 同じ広義のDraba vernaなどを宿主とする 造卵器のサイズが類似している 卵胞子のサイズが類似している 分生子柄の形態が類似している 分生子の形態が類似している 分生子のサイズの範囲が大幅に重なることがある 本種と異なり局所(葉および基部のロゼット)ではなく全身に感染する 本種と異なり病徴が不明瞭ではなく明瞭 本種より造卵器が暗色の帯赤褐色 本種より分生子のサイズが僅かに小さい 本種と異なり吸器が常に顕著な洋梨形なのではなく浅裂する小嚢状 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基配列に13%を超える差異) Hyaloperonospora arabidopsidis ドイツに分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードに含まれる) 本種と異なり吸器が常に顕著な洋梨形なのではなく初め洋梨形で成熟すると心形かまたは浅裂する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Hyaloperonospora erophilae (Gäum.) Göker, Voglmayr ※Peronospora drabae-majusculaeを本種のシノニムとした。 ※本種のレクトタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Hyaloperonospora praecox 同所的に分布する(オーストリア、ドイツ) 同じ広義のDraba vernaなどを宿主とする 造卵器のサイズが類似している 卵胞子のサイズが類似している 分生子柄の形態が類似している 分生子の形態が類似している 分生子のサイズの範囲が大幅に重なることがある 本種と異なり全身ではなく局所(葉および基部のロゼット)に感染する 本種と異なり病徴が明瞭ではなく不明瞭 本種より造卵器が明色 本種より分生子のサイズが僅かに大きい 本種と異なり吸器が浅裂する小嚢状ではなく常に顕著な洋梨形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基配列に13%を超える差異) Hyaloperonospora drabae 同じイヌナズナ属植物を宿主とする ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードに含まれる) 本種と異なり広義のDraba vernaではなくD. nemorosaを宿主とする ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される