2020年1月25日 (仮訳)複数遺伝子の系統および形態データに基づき、従来D. pinea f. sp. cupressiとして認識されてきた菌が独立の新種Diplodia cupressiであることが支持された Alves, A., Correia, A. & Phillips, AJL. 2006. Multi-gene genealogies and morphological data support Diplodia cupressi sp. nov., previously recognized as D. pinea f. sp. cupressi, as a distinct species. Fungal Diversity. Available at: http://www.fungaldiversity.org/fdp/sfdp/23-1.pdf [Accessed January 25, 2020] 【R3-06985】2020/1/25投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 地中海地域においてイトスギ属に潰瘍病を引き起こす、従来Diplodia pinea f. sp. cupressiとして認識されてきた菌を再検討した。 形態学的検討および分子系統解析の結果、この菌がD. pineaとも米国産のD. mutilaとも異なる独自の系統を形成することが示されたため、D. cupressiとして新種記載した。 本種は分子系統解析ではBotryosphaeria tsugaeにより近縁であったが、分生子のサイズがずっと大きいことなど容易に区別された。 Israel, Bet Dagan (新種) Diplodia cupressi A.J.L. Phillips & A. Alves 語源…イトスギ属の 【よく似た種との区別】 Diplodia pinea 南アフリカに分布する 分生子に初め隔壁を欠く ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオランダにおける分布が知られている 本種と異なりイトスギ属およびビャクシン属ではなくマツ属植物などを宿主とする多犯性菌である 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり分生子が初め無色ではなく初めから褐色 本種と異なり分生子壁の内面に装飾を有する 本種と異なり分生子の隔壁が発芽直前に生じる ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Botryosphaeria stevensii 子嚢のサイズの範囲が重なる 分生子が無色 分生子が厚壁 分生子に初め隔壁を欠く ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国、ポルトガル、スペイン、オランダなどにおける分布が知られている 本種と異なりナツメヤシ属、ブドウ属、ナシ属、モクセイ属植物などを宿主とする 本種より子嚢胞子のサイズがずっと小さい 本種より分生子の幅がやや狭い ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Botryosphaeria tsugae 分生子が無色 分生子に初め隔壁を欠く ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりカナダに分布する 本種と異なりイトスギ属およびビャクシン属ではなくツガ属植物を宿主とする 本種より子嚢のサイズが大きい 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種より分生子のサイズがずっと大きい ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される