2024年6月19日 (仮訳)中国において落果に発生するXylaria属菌の多遺伝子系統解析および分類学的研究 Zhu, A-H. et al. 2024. Multi-gene phylogenetic and taxonomic contributions to Xylaria (Ascomycota) associated with fallen fruits from China. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/124944/ [Accessed June 18, 2024] 【R3-11806】2024/6/19投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国において落果に発生するXylaria属菌の調査を実施し、X. aleuriticolaとX. microcarpaの2新種を記載した。 前者はAleurites moluccana落果上に発生し、子座が二叉分岐して子嚢胞子が楕円形~紡錘形、後者はマメ科の莢に生育し、子座が小型で子嚢胞子が淡褐色、発芽溝が直線状で目立たないことなどで特徴づけられた。 また、中国新産種としてX. liquidambarisを報告するとともに、中国で報告された落果や種子に関連する本属菌の検索表を掲載した。 中国雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州 景洪市西双版納原始森林公園 (新種) Xylaria aleuriticola Hai X. Ma, A.H. Zhu & Yu Li 語源…Aleurites属に生息する 【よく似た種との区別】 Xylaria culleniae アジアに分布する 子座が二叉分岐する 子嚢胞子のサイズが類似している ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する 本種と異なりAleurites属ではなくCullenia属植物に生じる 本種と異なり子座が結実部において1回しか二叉分岐しない 本種と異なり子嚢胞子が無色の鞘と非細胞性の付属糸に包まれる ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xylaria euphorbiicola 同じトウダイグサ科植物に生じる 果実に生じる ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくブラジルなどに分布する 本種と異なりAleurites属ではなくトウダイグサ属植物に生じる 本種と異なり子座が分枝しない 本種と異なり子座に子嚢殻の隆起を欠く 本種と異なり子座が褐色縞模様の最外層に覆われる 本種より子嚢の先端リングのサイズが小さい 本種と異なり子嚢の先端リングが盤状 ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xylaria ianthinovelutina 中国に分布する 子座が分枝する 子座の結実部表面が綿毛状 ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりマルティニークにおける分布が知られている 本種と異なりAleurites属ではなくマメ科植物などに生じる 本種と異なり果実ではなく莢などに生じる 本種より子座が頑丈である 本種より子座の不稔頂部が短い 本種ほど子座が二叉分岐せず、不稔頂部が鋭くない 本種より子嚢胞子のサイズが大きい ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xylaria luzonensis 本種と異なりAleurites属ではなくソシンカ属植物などに生じる 本種と異なり果実ではなく莢などに生じる 本種より子座のサイズが小さい 本種より子嚢殻のサイズが小さい 本種より子嚢の先端リングのサイズが僅かに小さい 本種と異なり子嚢胞子が淡褐色 Xylaria apeibae 果実に生じる 子座の形態が類似している 本種と異なりAleurites属ではなくApeiba属植物などに生じる 本種より子座のサイズが小さい 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子が淡褐色 Xylaria fabaceicola アジアに分布する ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する 本種と異なりAleurites属ではなくマメ科植物などに生じる 本種と異なり果実ではなく莢などに生じる 本種より子座のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子が淡褐色~褐色 本種と異なり子嚢胞子に無色の鞘と付属糸を伴う ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州大渡崗郷関坪村 (新種) Xylaria microcarpa Hai X. Ma & Yu Li 語源…小さな果実の(子座のサイズから) 【よく似た種との区別】 Xylaria fabacearum アジアに分布する 同じマメ科植物に生じる 莢に生じる 子座が小型 子嚢胞子の長さが類似している ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する 本種と異なり子座が時に分枝する 本種と異なり子座表面が綿毛状でない 本種と異なり子嚢胞子が褐色~暗褐色 本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が不明瞭な直線状ではなく明瞭な直線状 ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xylaria luzonensis 同じマメ科植物に生じる 本種より子座のサイズが大きい 本種と異なり子座が分枝する 本種より子嚢殻のサイズが小さい 本種より子嚢胞子のサイズが小さい Xylaria ianthinovelutina 中国に分布する 同じマメ科植物に生じる 莢に生じる 子座の結実部表面が綿毛状 ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりマルティニークにおける分布が知られている 本種より子座のサイズが大きい 本種と異なり子座が分枝しないのではなく分枝する 本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が全長より僅かに短い直線状 本種と異なり子嚢胞子が無色の鞘と非細胞性の付属糸に包まれる ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xylaria culleniae アジアに分布する 同じマメ科植物に生じる 莢に生じる 子座表面が綿毛状 ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する 本種と異なりAleurites属ではなくCullenia属植物に生じる 本種より子座のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が全長より僅かに短い直線状 本種と異なり子嚢胞子が無色の鞘と非細胞性の付属糸に包まれる ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xylaria aethiopica 同じマメ科植物に生じる 莢に生じる ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくエチオピアなどに分布する 本種より子座のサイズが大きい 本種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい 本種と異なり子嚢胞子が褐色~暗褐色 本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が不明瞭な直線状ではなく明瞭な直線状 本種と異なり子嚢胞子に付属糸を有する ITS+RPB2+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (中国新産種) Xylaria liquidambaris J.D. Rogers, Y.M. Ju & F. San Martín フウノミフデタケ