2023年7月27日 (仮訳)複数遺伝子の系統解析により確立されたValsaria属新種および胞子の装飾の分類学的意義 Pem, D. et al., 2019. Multigene phylogenetic analyses to establish new Valsaria species and taxonomic significance of spore ornamentation. PLOS ONE. Available at: https://journals.plos.org/plosone/article/file?id=10.1371/journal.pone.0217982 [Accessed July 27, 2023] 【R3-10824】2023/7/27投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ イタリアにおいてOstrya carpinifoliaの枯れ枝に生じた菌を検討し、Valsaria ostryaeとして新種記載した。 本種は偽子座と偽側糸を有し、子嚢胞子が暗褐色2細胞であることなどで特徴づけられた。 複数遺伝子に基づく分子系統解析で近縁分子系統解析を実施し、種の定義において胞子の装飾が有用であること、本属菌が宿主特異的でないことなどを記述した。 Italy, Province of Forlì-Cesena [FC], Santa Sofia, Camposonaldo (新種) Valsaria ostryae D. Pem, R. Jeewon, Camporesi & K.D. Hyde 語源…アサダ属の 【よく似た種との区別】 Valsaria insitiva 子座が偽子座状である 子嚢が二重壁である 子嚢に短い円筒形のリングを含む 子嚢胞子が暗褐色 子嚢胞子が楕円形 外子座が偽柔組織からなる nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と子嚢胞子の狭窄の様子が異なる 本種と異なりアサダ属ではなくブドウ属、カエデ属、イチジク属、ハナズオウ属などの植物を宿主とする 本種と異なり子嚢胞子の1細胞あたりの油滴数が2-3ではなく0 本種より偽側糸の幅が広い nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Valsaria lopadostomoides ヨーロッパに分布する nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりアサダ属ではなくコナラ属植物などを宿主とする 本種より子座のサイズが大きい 本種より子嚢が長い 本種と異なり子嚢胞子の装飾が微細な疣状~網目状でない nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Valsaria rudis イタリアに分布する 形態的に類似している nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりアサダ属ではなくコナラ属植物などを宿主とする 本種より子座のサイズが大きい 本種より子嚢果のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子の1細胞あたりの油滴数が2-3ではなく0 本種より偽側糸の幅が広い nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される