2014年11月30日 (仮訳)Melanconiella属の複数遺伝子に基づく系統分類 Voglmayr, H. et al., 2012. Multigene phylogeny and taxonomy of the genus Melanconiella (Diaporthales). Fungal Diversity. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s13225-012-0175-8 [Accessed November 30, 2014]. 【R3-01329】2014/11/30投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ nrLSUに基づく分子系統解析によりMelanconiella属の単系統性を確かめた。 形態学的検討および複数遺伝子に基づく分子系統解析を行い、本属に6新種を含む13種と1新変種を認めた。 また、Diaporthe carpinicolaなど5種を本属に移すなどの分類学的措置を行い、本属の全種を含む検索表を掲載した。 Austria, Niederösterreich, Michelbach Markt, Mayerhöfen (新組み合わせ) Melanconiella carpinicola (Fuckel) Voglmayr & Jaklitsch 旧名:Diaporthe carpinicola Fuckel ※基礎異名Diaporthe carpinicolaのレクトタイプおよび本種のエピタイプ指定を行った。 ※原記載に基づき、Diaporthe kunzeanaを本種の明らかなシノニムとした。 【よく似た種との区別】 Melanconiella elegans クマシデ属植物を宿主とする 子嚢胞子が無色 分生子が無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヨーロッパではなく北米に分布する 本種と異なりCarpinus betulusではなくC. carolinianaを宿主とする nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melanconiella chrysomelanconium 同所的に分布する(同一の基質に発生することもある) Carpinus betulusを宿主とする 子嚢胞子が無色 本種と異なり分生子が無色ではなく暗褐色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Austria, Wien, Floridsdorf, Marchfeldkanalweg (新種) Melanconiella chrysodiscosporina Voglmayr & Jaklitsch 語源…黄金のDiscosporina属(子座の色とアナモルフの類似性から) 【よく似た種との区別】 Melanconiella chrysomelanconium 同所的に分布する(同じ基質に発生することもある) 同じCarpinus betulusを宿主とする 子嚢胞子が無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり開けた場所に限って生息すると見られる 本種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい 本種と異なり分生子が無色ではなく暗褐色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melanconiella chrysorientalis 分生子が無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりCarpinus betulusではなくC. orientalisを宿主とする 本種より分生子の幅が広い 本種より分生子のQ値が小さい nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melanconiella hyperopta 同所的に分布する(ヨーロッパ) 同じCarpnius betulusを宿主とする 子嚢胞子が無色 分生子のサイズが類似している 分生子が無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子が規則的な円筒形でない 本種と異なり分生子に2つの大型の油滴を含むという特徴を欠く nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Austria, Wien, Floridsdorf, Marchfeldkanalweg (新種) Melanconiella chrysomelanconium Voglmayr & Jaklitsch 語源…黄金の 【よく似た種との区別】 Melanconiella chrysodiscosporina 同所的に分布する(同じ基質に発生することもある) 同じCarpinus betulusを宿主とする 子嚢胞子が無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり開けた場所に限って生息する傾向がない 本種より子嚢胞子のサイズが僅かに小さい 本種と異なり分生子が暗褐色ではなく無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melanconiella chrysorientalis 子嚢胞子が無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子が暗褐色ではなく無色 本種と異なりCarpinus betulusではなくC. orientalisを宿主とする 本種より子嚢胞子のサイズが僅かに小さい nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melanconiella carpinicola 同所的に分布する(同一の基質に発生することもある) Carpinus betulusを宿主とする 子嚢胞子が無色 本種と異なり分生子が暗褐色ではなく無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Croatia, Istria, Barbariga (新種) Melanconiella chrysorientalis Voglmayr & Jaklitsch 語源…黄金のCarpinus orientalisの 【よく似た種との区別】 Melanconiella chrysodiscosporina 分生子が無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりCarpinus orientalisではなくC. betulusを宿主とする 本種より分生子の幅が狭い 本種より分生子のQ値が大きい nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melanconiella chrysomelanconium 子嚢胞子が無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子が無色ではなく暗褐色 本種と異なりCarpinus orientalisではなくC. betulusを宿主とする 本種より子嚢胞子のサイズが僅かに小さい nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Melanconiella decorahensis (Ellis) Sacc. ※基礎異名Melanconis decorahensisのレクトタイプを指定した。 【よく似た種との区別】 Melanconiella spodiaea 子嚢胞子のサイズが類似している 子嚢胞子が暗褐色 分生子が暗褐色 本種と異なりヨーロッパおよび北米ではなくヨーロッパのみに分布する 本種と異なりカバノキ属ではなくクマシデ属植物を宿主とする 本種と異なり外子座が淡灰色~暗灰色または褐色でない 本種と異なり子嚢胞子に無色で幅広い帽状の付属物を有する 本種と異なり分生子が豆形でない nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される USA, New York, Ringwood, Lloyd-Cornell Preserve (新種) Melanconiella echinata Voglmayr & Jaklitsch 語源…トゲの(外子座から顕著に孔口が突出する様子から) 【よく似た種との区別】 Melanconiella elegans 米国に分布する Carpinus carolinianaを宿主とする 本種と異なり”ectostromatic disc”から多数の孔口が突出してトゲ状に見えるという特徴を欠く 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子が僅かに屈曲した紡錘状ではなく紡錘状 nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される USA, Maryland, Prince George’s County,Beltsville/Greenbelt, Beaver Dam Road (新種) Melanconiella elegans Voglmayr & Jaklitsch 語源…美しい(外子座の外見から) 【よく似た種との区別】 Melanconiella ellisii かつて同種と見なされていた 北米に分布する 同じCarpinus carolinianを宿主とする 子嚢の形態が類似している 子嚢胞子の形態が類似している 子嚢胞子が無色 アナモルフの形態が類似している 本種と異なり”ectostromatic disc”が淡灰色~暗灰色または暗褐色ではなく淡黄色~明るい黄色~淡褐色 本種と異なり孔口が”disc”においてほとんどの場合規則的に配列するのではなく縁部に位置する 本種と異なり”central column”が黄色・オリーブ灰色・帯褐色でなく灰色~帯褐色 本種と異なり”ectostromatic disc”の形状が規則的な円形・多角形・楕円形などではなくほとんどの場合不規則形 ITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melanconiella echinata 米国に分布する Carpinus carolinianaを宿主とする 本種と異なり”ectostromatic disc”から多数の孔口が突出してトゲ状に見えるという特徴を有する 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子が紡錘状ではなく僅かに屈曲した紡錘状 nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melanconiella carpinicola クマシデ属植物を宿主とする 子嚢胞子が無色 分生子が無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり北米ではなくヨーロッパに分布する 本種と異なりCarpinus carolinianaではなくC. betulusを宿主とする nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Melanconiella ellisii (Rehm ex Ellis & Everh.) Voglmayr & Jaklitsch 旧名:Diaporthe ellisii Rehm ex Ellis & Everh. ※本種のレクトタイプを指定した。 【よく似た種との区別】 Melanconiella elegans かつて同種と見なされていた 北米に分布する 同じCarpinus carolinianを宿主とする 子嚢の形態が類似している 子嚢胞子の形態が類似している 子嚢胞子が無色 アナモルフの形態が類似している 本種と異なり”ectostromatic disc”が淡黄色~明るい黄色~淡褐色ではなく淡灰色~暗灰色または暗褐色 本種と異なり孔口が”disc”においてほとんどの場合縁部に位置するのではなく規則的に配列する 本種と異なり”central column”が灰色~帯褐色でなく黄色・オリーブ灰色・帯褐色 本種と異なり”ectostromatic disc”の形状がほとんどの場合不規則形ではなく規則的な円形・多角形・楕円形など ITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melanconiella spodiaea “ectostromatic disc”の形態が類似している 孔口の形態が類似している nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり北米ではなくヨーロッパに分布する 本種と異なりCarpinus carolinianaではなくC. betulusおよびC. carolinianaを宿主とする 本種と異なり子嚢胞子が無色ではなく暗褐色 本種と異なり分生子が無色ではなく暗褐色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Melanconiella flavovirens (G.H. Otth) Voglmayr & Jaklitsch 旧名:Diaporthe flavovirens G.H. Otth ※基礎異名Diaporthe flavovirensのレクトタイプを指定した。 Austria, Niederösterreich, Gaaden, Badener Bürgerspitalswald (新組み合わせ) Melanconiella hyperopta (Nitschke ex G.H. Otth) Voglmayr & Jaklitsch 旧名:Diaporthe hyperopta Nitschke ex G.H. Otth ※本種のエピタイプを指定した。 【よく似た種との区別】 Melanconiella chrysodiscosporina 同所的に分布する(ヨーロッパ) 同じCarpnius betulusを宿主とする 子嚢胞子が無色 分生子のサイズが類似している 分生子が無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子が規則的な円筒形 本種と異なり分生子に2つの大型の油滴を含む nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melanconiella hyperopta var. orientalis ヨーロッパに分布する 子嚢胞子が無色 分生子が無色 ITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本変種と異なりCarpinus betulusではなくC. orientalisを宿主とする 本変種より子嚢胞子のサイズが僅かに小さい 本変種より分生子のサイズが僅かに小さい ITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Croatia, Istria, Krnica (新変種) Melanconiella hyperopta var. orientalis Voglmayr & Jaklitsch 語源…Carpinus orientalisの 【よく似た種との区別】 Melanconiella hyperopta ヨーロッパに分布する 子嚢胞子が無色 分生子が無色 ITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本変種と異なりCarpinus orientalisではなくC. betulusを宿主とする 本変種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい 本変種より分生子のサイズが僅かに大きい ITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Austria, Kärnten, St. Margareten im Rosental (新種) Melanconiella meridionalis Voglmayr & Jaklitsch 語源…南の(ヨーロッパにおける地理的分布から) 【よく似た種との区別】 Melanconiella ostryae アサダ属植物を宿主とする 子嚢胞子が無色 子嚢胞子が紡錘状で末端が狭い円形~類尖形 子嚢胞子に帽子状の付属物を欠く 本種と異なりヨーロッパではなく北米に分布する 本種と異なりOstrya carpinifoliaではなくO. virginianaを宿主とする 本種より子嚢胞子のサイズが顕著に小さい 本種と異なり分生子が無色ではなく暗褐色 本種と異なり分生子の赤道付近が淡色 (新組み合わせ) Melanconiella ostryae (Dearn.) Voglmayr & Jaklitsch 旧名:Diaporthe ostryae Dearn. ※基礎異名Diaporthe ostryaeのレクトタイプを指定した。 【よく似た種との区別】 Melanconiella meridionalis アサダ属植物を宿主とする 子嚢胞子が無色 子嚢胞子が紡錘状で末端が狭い円形~類尖形 子嚢胞子に帽子状の付属物を欠く 本種と異なり北米ではなくヨーロッパに分布する 本種と異なりOstrya virginianaではなくO. carpinifoliaを宿主とする 本種より子嚢胞子のサイズが顕著に大きい 本種と異なり分生子が暗褐色ではなく無色 本種と異なり分生子の赤道付近が淡色でない (その他掲載種) Melanconiella spodiaea (Tul.) Sacc. 【よく似た種との区別】 Melanconiella decorahensis 子嚢胞子のサイズが類似している 子嚢胞子が暗褐色 分生子が暗褐色 本種と異なりヨーロッパおよび北米ではなくヨーロッパのみに分布する 本種と異なりクマシデ属植物ではなくカバノキ属を宿主とする 本種と異なり外子座が淡灰色~暗灰色または褐色 本種と異なり子嚢胞子に無色で幅広い帽状の付属物を欠く 本種と異なり分生子が豆形 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melanconiella ellisii “ectostromatic disc”の形態が類似している 孔口の形態が類似している nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヨーロッパではなく北米に分布する 本種と異なりCarpinus betulusおよびC. carolinianaではなくC. carolinianaでを宿主とする 本種と異なり子嚢胞子が暗褐色ではなく無色 本種と異なり分生子が暗褐色ではなく無色 nrLSUおよびITS+LSU+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される