2021年2月10日 (仮訳)北米北極圏に産した新規および稀な地衣生菌類と地衣類 Zhurbenko, MP., Laursen, GA. & Walker, DA. 2005. New and rare lichenicolous fungi and lichens from the North American Arctic. Mycotaxon. Available at: http://www.mycotaxon.com/vol/abstracts/92/92-201.html [Accessed February 10, 2021] 【R3-08132】2021/2/10投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 北米北極圏産の地衣類および地衣生菌類の調査を実施し、それぞれアナウロコゴケ属、ニクイボゴケ属地衣に生じるPronectria dillmaniaeとP. walkerorumの2新種を記載した。 新組み合わせFlavocetraria minusculaを提唱した。 また、北米新産種として2種、アラスカ州および北米北極圏新産種として1種、北米北極圏新産種として1種、アラスカ州新産種として1種をそれぞれ報告した。 USA, NW Alaska, 140 km E of Kotzebue, middle Kobuk River, NW margin of the Great Kobuk Sand Dunes (新種) Pronectria dillmaniae Zhurb. 語源…本種のホロタイプ標本の採集者であるMarilyn & Donald Walker氏に献名 【よく似た種との区別】 Pronectria terrestris 地衣生菌である 本種と異なりアナウロコゴケ属ではなくThrombium属地衣などに生じる 本種と異なり子器がごく淡い帯黄色~赤色 本種より子嚢が短い 本種より子嚢の幅が広い 本種と異なり子嚢が狭棍棒形 本種と異なり子嚢胞子が子嚢において1列に通常重なり合って配列するのではなく子嚢中位において2列で配列する 本種より子嚢胞子が長い 本種より子嚢胞子の長さ/幅比が大きい 本種と異なり子嚢胞子表面が平滑 Pronectria dealbans 地衣生菌である 本種と異なりアナウロコゴケ属ではなくミドリゴケ属地衣などに生じる 本種より子嚢が短い 本種より子嚢の幅が広い 本種と異なり子嚢が膨大する 本種より子嚢胞子が長い 本種と異なり子嚢胞子が隔壁部分で狭窄しないのではなく狭窄する Pronectria verrucariae 同じアナウロコゴケ属地衣に生じる 本種と異なり子嚢が8胞子性ではなく2-4胞子性 本種より子嚢胞子が長い 本種と異なり子嚢胞子が成熟時淡橙色 Nectria tatrensis 同じアナウロコゴケ属地衣に生じる 本種と異なり子嚢殻が短い白色菌糸に覆われる 本種より子嚢胞子のサイズが大きい Nectriopsis indigens 同じアナウロコゴケ属地衣に生じる 本種と異なり子嚢果表面が毛状 本種と異なり子嚢が8胞子性ではなくしばしば4胞子性 本種より子嚢胞子のサイズが大きい Canada, North West Territories, Canadian Arctic Archipelago, Prince Patrick Is., 2 km S of Mould Bay weather station (新種) Pronectria walkerorum Zhurb. 語源…本種のタイプ標本の採集を支援したKaren Dillman氏に献名 【よく似た種との区別】 Pronectria robergei 米国アラスカ州に分布する 同じニクイボゴケ属地衣に生じる 形態的に類似している(かつてのこの種の報告が本種の可能性がある) 本種と異なりロシアにおける分布が知られている 本種と異なりツメゴケ属およびヤイトゴケ属地衣などに生じる 本種と異なり宿主組織に局所的な漂白を生じる 本種より子嚢が短い 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種ほど子嚢胞子表面が小粒状でない 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が常に1 本種と異なり殻壁が2層からなる 本種と異なり殻壁がしばしば黄色で淡色 Nectriopsis indigens 同じトリハダゴケ科地衣に生じる 本種と異なりニクイボゴケ属ではなくトリハダゴケ属地衣やその他の多様な岩上生地衣に生じる 本種と異なり子嚢果表面が毛状 本種と異なり子嚢がしばしば4胞子性 Pronectria pertusariicola 同じトリハダゴケ科地衣に生じる 本種と異なりニクイボゴケ属ではなくトリハダゴケ属地衣などに生じる 本種と異なり子嚢果が20-100個凝集する 本種より子嚢胞子が長い 本種より子嚢胞子の幅が狭い 本種と異なり子嚢胞子が卵状 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が1 Pronectria tibellii 地衣生菌である 本種と異なりニクイボゴケ属ではなくハナゴケ科地衣などに生じる 本種より子嚢胞子のサイズが小さい Pronectria echinulata 地衣生菌である 本種と異なりニクイボゴケ属ではなくムカデゴケ科地衣などに生じる 本種と異なり子嚢果が宿主地衣体の隆起し退色した領域に生じる 本種より子嚢果のサイズが小さい 本種と異なり子嚢果が橙褐色 本種と異なり子嚢果がKOHで暗色に呈色する 本種と異なり子嚢胞子が子嚢において2列で配列する 本種と異なり子嚢胞子が脆い 本種と異なり子嚢胞子が楕円状卵状 本種と異なり子嚢胞子表面が小刺状 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が1 本種と異なり殻壁側面が帯褐色 (アラスカ州新産種) Agonimia tristicula (Nyl.) Zahlbr. ツブゴケ (北米、米国新産種) Biatorella contigua N.S. Golubk. & Piin (新組み合わせ) Flavocetraria minuscula (Elenkin & Savicz) Ahti, Poryadina & Zhurb. 旧名:Cetraria cucullata f. minuscula Elenkin & Savicz 【よく似た種との区別】 Flavocetraria cucullata 同所的に分布する(米国アラスカ州) 同時に発生することがある 形態的に類似している(この種の品種とされてきた) 地衣成分が一致する 本種と異なりベーリング海峡両岸ではなく極地-亜寒帯域に広範に周極分布するとみられる 本種より地衣体のサイズが大きい 本種より裂片の幅が狭い 本種より裂片が管状で先端がヘルメット形 (その他掲載種) Fuscopannaria viridescens P.M. Jørg. & Zhurb. (アラスカ州、北米北極圏新産種) Pycnothelia papillaria (Ehrh.) L.M. Dufour (北米北極圏新産種) Steinia geophana (Nyl.) Stein