(仮訳)ウクライナ産Tricholoma matsutakeの新知見および複数遺伝子座系統解析に基づく分類学的・生物地理学的再検討
Aoki, W. et al. 2022. New findings on the fungal species Tricholoma matsutake from Ukraine, and revision of its taxonomy and biogeography based on multilocus phylogenetic analyses. Mycoscience. Available at: https://www.jstage.jst.go.jp/article/mycosci/63/5/63_MYC584/_article [Accessed August 14, 2024] 【R3-11975】2024/8/14投稿

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3行まとめ

ウクライナからTricholoma matsutakeを報告し、本種の既知の分布域を大きく拡大するとともに、モミ属樹木を宿主として記録した。
複数遺伝子座に基づく分子系統解析により、本種において遺伝的に異なる2つの集団を認めた。
長野県産の標本を本種のエピタイプ標本として指定した。
長野県中川村大草桑原

(ウクライナ新産種)

Tricholoma matsutake (S. Ito & S. Imai) Singer
マツタケ
※本種のエピタイプ標本を指定した。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Tricholoma magnivelare(アメリカマツタケ)
形態的に非常に類似している(種内変異により識別できない場合もある)
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
ITS、IGS1、rpb2tef-1、β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりユーラシアではなく北米などに分布する
本種と子実体の色が異なる
本種と担子胞子のサイズが異なる
tef-1、β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tricholoma anatolicum
アジアに分布する
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
ITS、IGS1、rpb2tef-1、β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりトルコ、モロッコなどに分布する
本種より担子胞子のQ値が大きい
ITS、IGS1、rpb2tef-1、β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tricholoma bakamatsutake(バカマツタケ)
同所的に分布する(日本)
同時に発生することがある
ITS、IGS1、β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり主にマツ科植物ではなくブナ科植物を宿主とする
本種より担子器が短い
本種より担子器の長さ/幅比が小さい
本種より担子胞子のサイズが有意に小さい
ITS、IGS1、β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tricholoma murrillianum
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
ITS、IGS1、rpb2tef-1、β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりユーラシアではなくカナダなどに分布する
本種より担子器の長さ/幅比が大きい
ITS、IGS1、rpb2tef-1、β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される