2020年6月13日 (仮訳)ロシア新産の地衣類 (1):サハリン州産の極東ロシアおよびアジア域ロシア新産種 Konoreva, L. et al., 2020. New records to the lichen biota of Russia, 1 – Sakhalin Region, with new records for the Russian Far East and the Asian part of Russia. Botanica Pacifica. Available at: http://botsad.ru/media/aux/bp/BP_2020_9_2_konoreva.pdf [Accessed June 13, 2020] 【R3-07407】2020/6/13投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 39種の地衣類をサハリン州(択捉島、国後島、色丹島を含む)から報告した。 そのうちCarbonicola myrmecinaなど6種を極東ロシア新産種として報告した。 また、その他に極東ロシア南部、サハリン州、択捉島、国後島における新産種が含まれた。 (サハリン州新産種) Anamylopsora pulcherrima (Vain.) Timdal (サハリン州新産種) Arthonia punctiformis Ach. ホシゴケ 【よく似た種との区別】 Arthonia radiata 本種より地衣体が明瞭 本種ほど子器が浅くない 本種と異なり子器が稀にしか分枝しないという特徴を欠く (極東ロシア新産種) Carbonicola myrmecina (Acharius) Bendiksby & Timdal 【よく似た種との区別】 Carbonicola antracophila 本種と異なり地衣体の小鱗片の色が淡色の縁部を除き一様という特徴を欠く 本種と異なり地衣成分としてフマルプロトセトラル酸類およびプロトセトラル酸類を含む 本種と異なり地衣成分として”colensoic acid complex”を含まない (極東ロシア南部新産種) Cladonia borealis S. Stenroos 【よく似た種との区別】 Cladonia coccifera 形態的に類似している(従来区別されてこなかった) 本種と地衣成分が異なる 本種と系統的に異なる(先行研究) Cladonia pleurota(アカミゴケ) 本種と地衣成分が異なる 本種と系統的に異なる(先行研究) Cladonia diversa 本種と地衣成分が異なる (極東ロシア南部新産種) Cladonia gracilis subsp. turbinata (Ach.) Ahti ウグイスゴケ 【よく似た種との区別】 Cladonia phyllophora(マダラハナゴケ) 本亜種と異なり子柄皮層がクモの巣状 Cladonia cervicornis(オオバハナゴケ) 本亜種と異なり杯状体が伸長する (極東ロシア南部新産種) Cladonia stygia (Fr.) Ruoss 【よく似た種との区別】 Cladonia rangiferina(ハナゴケ) 本種と異なり子柄基部が黒色でない 本種と異なり”pycnidial gel”が赤色という特徴を欠く (サハリン州新産種) Scytinium subtile (Schrad.) Otálora, P.M. Jørg. & Wedin 【よく似た種との区別】 Scytinium tenuissimum 本種と異なり地衣体の小鱗片の縁部が裂ける 本種より子器のサイズが大きい 本種と異なり子器が球形魚眼状ではなく壺形 (極東ロシア新産種) Chaenotheca hispidula (Ach.) Zahlbr. (サハリン州新産種) Fuscidea austera (Nyl.) P. James 【よく似た種との区別】 Fuscidea mollis 本種と異なり地衣体が疣状~小区画状という特徴を欠く 本種と異なり子器が圧着されるという特徴を欠く 本種と異なり髄層がアミロイドでない (サハリン州新産種) Fuscidea submollis Mas. Inoue (極東ロシア南部新産種) Alyxoria culmigena (Lib.) Ertz (サハリン州、択捉島新産種) Lecanora cinereofusca H. Magn. ヤマトチャシブゴケ 【よく似た種との区別】 Lecanora pulicaris 本種と異なり子器縁部が平滑 本種と異なり子器が無柄 本種と異なり地衣成分としてフマルプロトセトラル酸を含む (サハリン州新産種) Lecanora polytropa (Ehrh.) Rabenh. 【よく似た種との区別】 Lecanora intricata 本種と異なり地衣体が凸形の小区画からなる明瞭~小粒状という特徴を欠く 本種と異なり子器が黒色を帯びないという特徴を欠く 本種と異なり子器縁部が裂けたり円鋸歯状でないという特徴を欠く (サハリン州新産種) Lecanora sulphurea (Hoffm.) Ach. 【よく似た種との区別】 Lecanora atrosulphurea 岩上生地衣である 地衣体が黄緑色 粉芽を欠く 本種と呈色反応が異なる (極東ロシア南部新産種) Lecidea carpathica (Körb.) Szatala 【よく似た種との区別】 Lecidea stigmatea 本種と子実下層の色が異なる 本種と果殻内部の色が異なる Buellia spurious 本種と異なり子嚢胞子が褐色 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が1 (択捉島新産種) Rhizoplaca melanophthalma (DC.) Leuckert ナナバケチャシブゴケ (サハリン州新産種) Amygdalaria panaeola (Ach.) Hertel & Brodo (サハリン州新産種) Lecidea lapicida (Ach.) Ach. 【よく似た種との区別】 Porpidia spp. 地衣体が岩上生 形態的に類似している(混同のおそれがある) 地衣体が痂状 地衣体が淡色 子器がレキデア型 子器が黒色 Lecidea confluens 本種より地衣体が濃色 本種と異なり地衣成分としてコンフルエンチン酸を含む Lecidea praenubila 髄層の呈色反応が同一 本種より地衣体が濃色 本種と異なり地衣体表面に光沢がある Lecidea plana 本種と異なり果殻が暗緑色ではなく黄灰色 本種と異なり髄層がI陽性ではなくI陰性 (極東ロシア新産種) Porpidia hydrophila (Fr.) Hertel & A.J. Schwab (サハリン州新産種) Porpidia macrocarpa (DC.) Hertel & A.J. Schwab タカネヘリトリゴケ 【よく似た種との区別】 Porpidia crustulata 本種より子器のサイズが小さい 本種より果托の縁が狭い (択捉島新産種) Mycoblastus affinis (Schaer.) T. Schauer フタゴクロアカゴケ 【よく似た種との区別】 Mycoblastus sanguinarius(クロアカゴケモドキ) 本種と異なり子器基部が淡色でない 本種と異なり子嚢が2胞子性でない (サハリン州新産種) Chaenothecopsis debilis (Sm.) Tibell 【よく似た種との区別】 Chaenothecopsis transbaikalica 本種と異なり柄がHNO3+赤紫色でない Chaenothecopsis sanguinea 本種と異なり柄がHNO3+赤紫色でない Chaenothecopsis pusilla(フレルケピンゴケ) 本種より子嚢が短い 本種ほど隔壁のコントラストが明瞭でない Chaenothecopsis vainioana 本種と異なり柄がHNO3+赤紫色でない (サハリン州新産種) Hypogymnia subobscura (Vain.) Poelt (択捉島新産種) Melanelixia glabratula (Lamy) Sandler & Arup 【よく似た種との区別】 Melanelixia fuliginosa(トゲオリーブゴケモドキ) 形態的に類似している(長らく同種と考えられてきた) 本種と異なり樹皮生でない 本種と異なり地衣体が帯オリーブ緑色~褐色でない Melanelixia subaurifera 形態的に類似している(この種の標本において粉芽が不明瞭な場合、混同のおそれがある) 本種と異なり髄層にパッチ状の橙色色素を欠く (択捉島新産種) Melanohalea exasperata (De Not.) O. Blanco, A. Crespo, Divakar, Essl., D. Hawksw. & Lumbsch (国後島新産種) Nephromopsis nephromoides (Nyl.) Ahti & Randlane オオアワビゴケ 【よく似た種との区別】 Nephromopsis laii 形態的に類似している(混同のおそれがある) 本種と異なり偽盃点が表面に直接生じるのではなく主に地衣体下面において褐色の畝の上に生じる 本種と異なり偽盃点が中型~大型ではなく小型 本種と異なり偽盃点が扁平または凹形ではなく扁平 (択捉島新産種) Physcia caesia (Hoffm.) Hampe ex Fürnr. コフキシロムカデゴケ 【よく似た種との区別】 Physcia dubia ロシアに分布する 本種と異なり髄層がK+黄色ではなくK陰性 Physcia tribacoides 本種と異なり粉芽塊が頭状でない 本種と上皮層の斑点が異なる Physcia subalbinea 本種と異なり粉芽塊が頭状ではなく唇形 (サハリン州新産種) Physcia dubia (Hoffm.) Lettau 【よく似た種との区別】 Physcia caesia(コフキシロムカデゴケ) ロシアに分布する 本種と異なり髄層がK陰性ではなくK+黄色 Physcia tenella 本種と異なりシリアを有する Physcia tribacia 本種と異なり異なり縁部の裂片が複数回二叉分岐するという特徴を欠く 本種と粉芽塊の形態が異なる 本種と異なり上皮層が繊維菌糸組織でない Physcia subalbinea 本種と異なり髄層がK陰性ではなくK+黄色 (極東ロシア新産種) Micarea nigella Coppins 【よく似た種との区別】 Micarea contexta 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が0ではなく1 (極東ロシア南部新産種) Rhizocarpon expallescens Th. Fr. 【よく似た種との区別】 Rhizocarpon caeruleoalbum 本種と異なり果殻がK+紫赤色ではなくK+黄色 本種と異なり地衣成分として地衣体にスチクチン酸を含む Rhizocarpon chioneum 本種と異なり子実上層が明るい緑色~青黒色でない 本種と異なり子実上層がK陰性ではなくK+紫赤色 (サハリン州新産種) Rhizocarpon hochstetteri (Körb.) Vain. 【よく似た種との区別】 Rhizocarpon richardii 形態的に類似している 本種と異なり髄層がI陰性ではなくI+青色 Rhizocarpon polycarpum 形態的に類似している 本種と異なり髄層がI陰性ではなくI+青色 Rhizocarpon infernulum 本種より子嚢胞子のサイズが小さい (極東ロシア南部新産種) Rhizocarpon superficiale (Schaer.) Malme 【よく似た種との区別】 Rhizocarpon eupetraeoides(フタゴチズゴケ) 本種と異なり子器縁部が灰白色でない 本種と果殻の形態が異なる 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なりK+赤色 (サハリン州新産種) Scoliciosporum chlorococcum (Graewe ex Stenh.) Vezda ニセマキミゴケ 【よく似た種との区別】 Scoliciosporum sarothamni 形態的に類似している(本種の標本が小粒状でこの種の標本が不稔の時に識別困難なことがある) 地衣体が緑色のことがある 本種と異なり粉芽塊がC陰性ではなくC+赤色 本種ほど子嚢胞子の形状が直線状でない Scoliciosporum umbrinum(マキミゴケ) 本種ほど子嚢胞子の形状が直線状でない (サハリン州新産種) Scoliciosporum intrusum (Th. Fr.) Hafellner 【よく似た種との区別】 Micarea subnigrata 形態的に類似している(誤同定のおそれがある) 本種と異なり子実上層が褐色 本種と異なり共生藻がMicarea型である (極東ロシア南部新産種) Caloplaca stillicidiorum (Vahl) Lynge 【よく似た種との区別】 Caloplaca cerina 本種と異なり地上またはその周辺の様々な基質ではなく樹皮に生じる (アジア域ロシア新産種) Polycauliona phlogina (Acharius) Arup, Frödén & Søchting 【よく似た種との区別】 Lepraria incana 形態的に類似している(本種が不稔で、この種が橙灰色の場合に混同のおそれがある) Leproplaca chrysodeta 樹皮に生じることがある 本種と異なり湿った環境に選好性がある 本種より地衣体が帯褐橙色である 本種と異なり地衣体に小区画を完全に欠く 本種と異なり子器を欠く Flavoplaca flavocitrina 樹皮生地衣である 形態的に類似している(誤同定されてきた) 本種と異なり小区画の大部分が粉芽塊に変化しない Coppinsiella ulcerosa 形態的に類似している(時に誤同定される) 本種と粉芽塊の形態が異なる (極東ロシア新産種) Placynthiella oligotropha (J.R. Laundon) Coppins & P. James (サハリン州新産種) Sarea difformis (Fr.) Fr. (サハリン州新産種) Umbilicaria rossica (Dombr.) N.S. Golubk. 【よく似た種との区別】 Umbilicaria pensylvanica 形態的に類似している(しばしば混同される)