2020年1月1日 (仮訳)アオカビ属の新節にはパツリン、ピリピロペン類、またはその他の生理活性化合物を産生する新種が含まれる Houbraken, J. et al., 2016. New sections in Penicillium containing novel species producing patulin, pyripyropens or other bioactive compounds. Persoonia. Available at: https://www.ingentaconnect.com/content/nhn/pimj/2016/00000036/00000001/art00010 [Accessed January 1, 2020] 【R3-06914】2020/1/1投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 複数遺伝子に基づく分子系統解析の結果から、アオカビ属Penicillium亜属に新節OsmophilaおよびRobsamsoniaを提唱した。 本節にPenicillium robsamsoniiなど4新種を含めた。 これらの種はそれぞれ中国の土壌、デンマークのネズミの糞(2種)、中国・デンマーク・イタリア・米国・カナダの土壌やヤドリギの葉などからそれぞれ分離された。 中国黒竜江省湯原県大亮子河森林農場 (新種) Penicillium compactum L. Wang & Houbraken 語源…密な(分生子柄の形態から) 【よく似た種との区別】 Penicillium coprobium 分生子柄表面が平滑 MEA培地での分生子の色が暗鈍緑色 CREA培地での生育が良好 エールリヒ反応陰性 パツリン、ピリピロペン類、メレアグリン、ロケフォルチンCを産生する BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード6に含まれる) 本種と異なり糞から分離される 本種よりフィアライドが短い 本種より分生子のサイズが小さい 本種よりCYA培地での生長が速い 本種と異なりCYA培地でのリバースが暗い帯黒褐色ではなく黄褐色~帯灰褐色 本種と異なりYES培地でのリバースが褐色、暗褐色ではなくクリーム色~カレー色~オリーブ色 本種と異なりシクロピアミンを産生する 本種と異なりキノラクタチンを産生しない BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Denmark, Høve Strand (新種) Penicillium fimorum Frisvad & Houbraken 語源…糞の 【よく似た種との区別】 Penicillium robsamsonii 同所的に分布する(デンマーク) ネズミの糞から分離される 分生子柄表面が粗面 BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード6に含まれる) 本種よりフィアライドが短い 本種より分生子が短い 本種より分生子の幅が広い 本種よりCYA培地での生長が遅い 本種と異なりCYA培地でのコロニー表面がビロード状ではなく束状 本種と異なりCYA培地でのリバースが褐色ではなく淡褐色 本種と異なりYES培地でのリバースが褐色ではなく淡褐色 本種と異なりMEA培地での分生子の色が鈍緑色~暗緑色ではなく鈍緑色 本種と異なりCREA培地での生長度合が弱いのではなく中程度 本種と異なりエールリヒ反応陰性ではなく陽性 本種と異なりピリピロペン類、ロケフォルチンC、キノラクタチンを産生する BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Denmark, Høve Strand (新種) Penicillium robsamsonii Frisvad & Houbraken 語源…Robert A. Samson氏に献名(70歳の誕生日の記念) 【よく似た種との区別】 Penicillium fimorum 同所的に分布する(デンマーク) ネズミの糞から分離される 分生子柄表面が粗面 BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード6に含まれる) 本種よりフィアライドが長い 本種より分生子が長い 本種より分生子の幅が狭い 本種よりCYA培地での生長が速い 本種と異なりCYA培地でのコロニー表面が束状ではなくビロード状 本種と異なりCYA培地でのリバースが淡褐色ではなく褐色 本種と異なりYES培地でのリバースが淡褐色ではなく褐色 本種と異なりMEA培地での分生子の色が鈍緑色ではなく鈍緑色~暗緑色 本種と異なりCREA培地での生長度合が中程度ではなく弱い 本種と異なりエールリヒ反応陽性ではなく陰性 本種と異なりピリピロペン類、ロケフォルチンC、キノラクタチンを産生しない BenA、CaM、RPB2、BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国青海省可可西里 (新種) Penicillium samsonianum L. Wang, Frisvad, Hyang B. Lee & Houbraken 語源…Robert A. Samson氏に献名(70歳の誕生日の記念) 【よく似た種との区別】 Penicillium osmophilum BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード4に含まれる) 本種と異なり子嚢果を形成する 本種と異なりCYA培地でのリバースが褐色ではなく赤褐色を帯びる 本種と異なりCREA培地で酸性化合物を産生するという特徴を欠く BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される