2021年3月22日 (仮訳)ヨーロッパ、特にスイス産のうどんこ病菌の新種、新産種、および初の配列データ Bolay, A. et al., 2021. New species, new records and first sequence data of powdery mildews (Erysiphaceae) from Europe with special emphasis on Switzerland. Österreichische Zeitschrift für Pilzkunde. Available at: https://www.univie.ac.at/oemykges/wp-content/uploads/2021/03/OZP_28_-Bolay_Erysiphales.pdf [Accessed March 22, 2021] 【R3-08251】2021/3/22投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ Abelia ×grandifloraを宿主とするErysiphe abeliana、Passiflora coeruleaを宿主とするPhyllactinia cruchetiiをそれぞれ新種記載した。 また、Microsphaera abeliaeのエピタイプ標本を指定した。 ヨーロッパ新産種となるNeoerysiphe aloysiaeのほか、数種についてスイスからの分布および宿主の新記録を報告した。 Switzerland, Vaud, Prangins, Maison communale (新種) Erysiphe abeliana Bolay & U. Braun 語源…ツクバネウツギ属の 【よく似た種との区別】 Erysiphe abeliicola 同じスイカズラ科植物を宿主とする 閉子嚢殻の付属糸が二叉分岐する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりフランスおよびスイスではなく日本などに分布する 本種と異なりツクバネウツギ属ではなくDiabelia属植物を宿主とする 本種より閉子嚢殻の付属糸がかなり長い 本種と異なり閉子嚢殻の付属糸が剛直ではなく屈曲状 本種と異なり閉子嚢殻の付属糸の末端小枝先端が直線状ではなく屈曲状 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Erysiphe chifengensis 同じスイカズラ科植物を宿主とする 閉子嚢殻の付属糸が規則的に二叉分岐し、末端小枝の先端が直線状 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスイス、フランスではなく中国などに分布する 本種と異なりツクバネウツギ属ではなくイワツクバネウツギ属植物を宿主とする 本種より閉子嚢殻のサイズが大きい 本種と異なり閉子嚢殻の付属糸の数が7-11ではなく(5–)10–20(–23) 本種より閉子嚢殻の付属糸がかなり短い 本種より分生子柄脚細胞が短い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Switzerland, Vaud, Morges, rue des Tanneurs 1 (新種) Phyllactinia cruchetii Bolay & U. Braun 語源…スイスの植物学者および菌学者、Paul Cruchet氏に献名 【よく似た種との区別】 Phyllactinia betulae ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より閉子嚢殻の付属糸が長い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phyllactinia linderae ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より閉子嚢殻の付属糸が長い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 岡山県真庭市蒜山下長田 (その他掲載種) Microsphaera abeliae Homma ※本種のエピタイプ標本を指定した。 (その他掲載種) Erysiphe alphitoides (Griffon & Maubl.) U. Braun & S. Takam. (その他掲載種) Erysiphe macleayae R.Y. Zheng & G.Q. Chen (その他掲載種) Erysiphe punicae T.M. Achundov (その他掲載種) Erysiphe thuemenii U. Braun (その他掲載種) Pseudoidium passiflorae (Politis) U. Braun & R.T.A. Cook (その他掲載種) Erysiphe eschscholziae Pastirč. & Jankovics (その他掲載種) Erysiphe deutziae (Bunkina) U. Braun & S. Takam. (その他掲載種) Erysiphe malvae V.P. Heluta (その他掲載種) Erysiphe convolvuli DC. (その他掲載種) Erysiphe guarinonii (Briosi & Cavara) U. Braun & S. Takam. (その他掲載種) Erysiphe howeana U. Braun (その他掲載種) Erysiphe pseudoacaciae (P.D. Marchenko) U. Braun & S. Takam. (その他掲載種) Erysiphe pulchra (Cooke & Peck) U. Braun & S. Takam. (その他掲載種) Golovinomyces depressus (Wallr.) V.P. Heluta (スイス新産種) Golovinomyces monardae (G.S. Nagy) M. Scholler, U. Braun & Anke Schmidt 【よく似た種との区別】 Golovinomyces verbenae 同じクマツヅラ属植物を宿主とする 本種と異なり分生子柄の脚細胞が通常屈曲状なのではなく常に直線状 (ヨーロッパ新産種) Neoerysiphe aloysiae (Wolcan, S. Takam. & Havryl.) S. Takam. (その他掲載種) Podosphaera macrospora (U. Braun) U. Braun & V. Kummer (スイス新産種) Podosphaera pruinosa (Cooke & Peck) U. Braun & S. Takam. (その他掲載種) Podosphaera solanacearum U. Braun ※この他にカラクサケマン属植物およびPseudofumaria luteaを宿主とするErysiphe属の一種を掲載した。