(仮訳)ロシア産の稀な多孔菌類の記録 (1):AntrodiellaGelatoporiaIrpexOxyporusPilatoporus、およびPorpomyces
Spirin, WA. & Zmitrovich, IV. 2003. Notes on some rare polypores, found in Russia 1. Genera Antrodiella, Gelatoporia, Irpex, Oxyporus, Pilatoporus and Porpomyces. Karstenia. Available at: https://karstenia.fi/notes-on-some-rare-polypores-found-in-russia-i-genera-antrodiella-gelatoporia-irpex-oxyporus-pilatoporus-and-porpomyces/ [Accessed October 28, 2021] 【R3-08912】2021/10/28投稿

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3行まとめ

ロシア、ニジニ・ノヴゴロド州においてトウヒ属樹木、サンクトペテルブルクにおいてヤマナラシ属樹木にそれぞれ生じた菌をGelatoporia griseoincarnataOxyporus schizoporoidesとして新種記載した。
ロシア新産種としてAntrodiella farinaceaA. incrustansIrpex semisupiniformis、およびPilatoporus ibericus(アルメニア・ジョージア新産種でもある)を報告した。
また、Gloeoporus amorphus var. vassilkoviiA. incrustansのシノニムであることを確かめたほか、ヨーロッパロシア産Antrodiella属菌の検索表を作成した。
Russia, Nizhny Novgorod region, Arzamas district, reserve ‘Pustynsky’

(新種)

Gelatoporia griseoincarnata Spirin & Zmitrovich
語源…灰肉色の
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【よく似た種との区別】
Gelatoporia pannocincta
ロシアに分布する
本種と異なりトウヒ属ではなくカバノキ属樹木などに生じる
本種と異なり子実体縁部が明瞭な繊維状ではなく切り立っており境界が明瞭
本種と異なり孔口のサイズが非常に小さい
本種と異なり肉にルーペで暗色の線がみられる
本種と異なり子実体形成菌糸層が同質という特徴を欠く
本種と異なり子実下層菌糸の間に帯黄色の物質が含まれる
Gelatoporia subvermispora
孔壁縁部の菌糸が膨大する
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子の幅が狭い
Russia, St. Petersburg, Rzhevka

(新種)

Oxyporus schizoporoides Zmitrovich & Spirin
語源…Schizopora属類似の(子実体形成菌糸層の菌糸の類似性から)
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【よく似た種との区別】
Oxyporus obducens
ロシアに分布する
同じヤマナラシ属樹木に生じる
孔口のサイズの範囲が重なる
グレオシスチジアを欠く
“basal hyphae”の幅の範囲が重なる
本種より担子胞子が短い
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく広楕円形
本種と異なり”basal hyphae”のルーメンが幅狭いのではなく通常
本種と異なり厚壁胞子が知られている
Oxyporus similis
同じヤマナラシ属樹木に生じる
担子胞子のサイズの範囲が重なる
グレオシスチジアを欠く
厚壁胞子を欠く
本種と異なりロシアではなく米国などに分布する
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく楕円形
Oxyporus corticola(ザイモクタケ)
ロシアに分布する
“basal hyphae”の幅の範囲が重なる
厚壁胞子を欠く
本種と異なりヤマナラシ属ではなくカバノキ属樹木などに生じる
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子が長い
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく卵状~楕円形
本種と異なりグレオシスチジアを欠くのではなく有する
本種と異なり”basal hyphae”のルーメンが幅狭いのではなく通常
Oxyporus populinus(シロサルノコシカケ)
子実体表面がコケに覆われることがある
孔口のサイズが同等
担子胞子が類球形または広楕円形
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が顕著な類球形である

(その他掲載種)

Antrodiella americana Ryvarden & Gilbertson
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【よく似た種との区別】
Antrodiella faginea
ロシアに分布する
広葉樹に生じる
担子胞子のサイズの範囲が重なる
グレオシスチジアがしばしば良好に発達する
本種と異なり子実体が常に背着生なのではなく傘状、半背着生~背着生
本種より孔口のサイズが大きい
本種よりグレオシスチジアが短い

(その他掲載種)

Antrodiella faginea Vampola & Pouzar
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【よく似た種との区別】
Antrodiella americana
ロシアに分布する
広葉樹に生じる
担子胞子のサイズの範囲が重なる
グレオシスチジアがしばしば良好に発達する
本種と異なり子実体が傘状、半背着生~背着生ではなく常に背着生
本種より孔口のサイズが小さい
本種よりグレオシスチジアが長い

(ロシア新産種)

Antrodiella farinacea Vampola & Pouzar
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【よく似た種との区別】
Antrodiella hoehnelii
ロシアに分布する
本種と異なりInonotus radiatusが腐朽させた材に生じる
本種と異なり子実体上面が疣状または房状
本種より子実下層の骨格菌糸の幅が広い
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が涙状で嘴状突起に向かって明瞭に先細りになるのではなく屈曲する
Antrodiella semisupina(ニカワオシロイタケ)
ロシアに分布する
子実体が半背着生
子実層托が真の孔口状
担子胞子のサイズの範囲が重なる
シスチジアを欠く
骨格菌糸がKOHで溶解しない
菌糸にクランプを有する
本種と異なりニレ属ではなくほとんどの場合ツリガネタケが腐朽させたハンノキ属、カバノキ属、またはヤナギ属樹木に生じる
本種と異なり担子胞子が涙形でない

(その他掲載種)

Antrodiella foliaceodentata (Nikolajeva) Gilbertson & Ryvarden
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(ロシア新産種)

Antrodiella incrustans (Berkeley & M.A. Curtis ex Cooke) Ryvarden
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(その他掲載種)

Gelatoporia subvermispora (Pilát) Niemelä
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(ロシア新産種)

Irpex semisupiniformis (Murrill) Saarenoksa & Kotiranta
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【よく似た種との区別】
Irpex pseudozilingianus
本種と異なりキコブタケ属、ツガサルノコシカケ属、カワウソタケ属などの菌によって腐敗した材に生育する
本種より担子器が短い
本種と異なり担子胞子が広楕円形でない

(ロシア、アルメニア、ジョージア新産種)

Pilatoporus ibericus (Melo & Ryvarden) Kotlaba & Pouzar
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(新組み合わせ、ロシア北西部、フィンランド新産種)

Porpomyces balaenae (Niemelä) Spirin & Zmitrovich
旧名:Ceriporiopsis balaenae Niemelä
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(新組み合わせ)

Porpomyces albonigrescens (Núñez, Parmasto & Ryvarden) Spirin & Zmitrovich
旧名:Ceriporiopsis albonigrescens Núñez
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