(仮訳)日本における葉さび病のもう一つの病原菌、Phakopsora montana
Ono, Y. et al., 2012. Phakopsora montana, another grapevine leaf rust pathogen in Japan. Journal of General Plant Pathology. … Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s10327-012-0401-y [Accessed September 24, 2015].
【R3-02223】2015/09/24投稿

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3行まとめ

日本からブドウ葉さび病 (GLR) の新規病原菌、Phakopsora montanaを新種記載した。
接種試験により、本種が異種寄生性を有し、精子-さび胞子世代の宿主がミヤマハハソであることが確かめられた。
本種は日本におけるGLRの病原菌として一定の割合を占め、形態的に類似したP. meliosmae-myrianthaeとの混合感染が生じている可能性もあった。
栃木県日光市上三依

(新種)

Phakopsora montana Y. Ono & Chatasiri
語源…山の(ヤマブドウを宿主とすることから)
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【よく似た種との区別】
Phakopsora meliosmae-myrianthae
同所的に分布する(日本)
同じブドウ属植物を夏胞子-冬胞子世代の宿主とする
同じアワブキ属植物を精子-さび胞子世代の宿主とする
同じブドウ葉さび病の病原菌である
精子器のサイズの範囲が重なる
護膜の細胞のサイズの範囲が重なる
さび胞子のサイズの範囲が重なる
さび胞子側面の壁の厚さの範囲が重なる
糸状体のサイズの範囲が重なる
糸状体の壁の厚さの範囲が重なる
夏胞子のサイズの範囲が重なる
夏胞子の壁の厚さの範囲が重なる
夏胞子の発芽孔が赤道面に配列するか散在する
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁(先行研究)
冬胞子のサイズの範囲が重なる
冬胞子の壁の厚さの範囲が重なる
冬胞子が2-5層をなす
本種と異なり精子-さび胞子世代の宿主がミヤマハハソではなくアワブキである
本種よりさび胞子の頂部の壁が厚い
本種と異なり夏胞子の発芽孔の数が4-6ではなく6で稀に4

(新組み合わせ)

Phakopsora meliosmae-myrianthae (Henn. & Shirai) Y. Ono
旧名:Aecidium meliosmae-myrianthae Henn. & Shirai

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【よく似た種との区別】
Phakopsora montana
同所的に分布する(日本)
同じブドウ属植物を夏胞子-冬胞子世代の宿主とする
同じアワブキ属植物を精子-さび胞子世代の宿主とする
同じブドウ葉さび病の病原菌である
精子器のサイズの範囲が重なる
護膜の細胞のサイズの範囲が重なる
さび胞子のサイズの範囲が重なる
さび胞子側面の壁の厚さの範囲が重なる
糸状体のサイズの範囲が重なる
糸状体の壁の厚さの範囲が重なる
夏胞子のサイズの範囲が重なる
夏胞子の壁の厚さの範囲が重なる
夏胞子の発芽孔が赤道面に配列するか散在する
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁(先行研究)
冬胞子のサイズの範囲が重なる
冬胞子の壁の厚さの範囲が重なる
冬胞子が2-5層をなす
本種と異なり精子-さび胞子世代の宿主がアワブキではなくミヤマハハソである
本種よりさび胞子の頂部の壁が薄い
本種と異なり夏胞子の発芽孔の数が6で稀に4なのではなく4-6