(仮訳)商用の水溶性ヘパリン溶液から分離された新種、Phialocephala urceolata
Wang, W. et al., 2009. Phialocephala urceolata, sp. nov., from a commercial, water-soluble heparin solution. Mycologia. Available at: https://doi.org/10.3852/08-066 [Accessed May 24, 2018].
【R3-05154】2018/5/25投稿

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3行まとめ

米国ミズーリ州においてヘパリン溶液 (pH 2.5) の汚染菌として分離された菌を検討し、Phialocephala urceolataとして新種記載した。
本種はフィアライドが骨壺形で分生子柄の軸に沿って疎らに分布し、培養下での生長が本属菌としては最も遅いことなどで特徴づけられた。
本種は分子系統解析でエンドファイトのPhialocephala属菌に近縁であることが示され、酵素活性や分離源などから天然では酸性環境の材に生息すると推測された。
USA, Missouri, Hazelwood

(新種)

Phialocephala urceolata W. Wang & McGhee
語源…骨壺形の(フィアライドの形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phialocephala fortinii
栄養菌糸の表面が平滑~水疱状
コロニーが暗オリーブ色
ポリフェノールオキシダーゼ活性を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくフィンランド、スイスなどに分布する
本種と異なりヘパリン溶液の汚染菌ではなく根のエンドファイトなどとして分離される
本種と異なりフィアライドが不規則に配列するのではなく倒円錐状に配列し筆状体をなす
本種と異なりフィアライドが骨壺形ではなくほとんどの場合円筒形
本種と異なり菌核を形成する
本種よりコロニーの生長がずっと速い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phialocephala sphaeroides
ポリフェノールオキシダーゼ活性を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくカナダなどに分布する
本種と異なりヘパリン溶液の汚染菌ではなく根のエンドファイトなどとして分離される
本種と異なりフィアライドが不規則に配列するのではなく大きな球形の頭部をなす
本種よりフィアライドが長い
本種と異なりフィアライドが骨壺形ではなく円筒形
本種と異なり栄養菌糸表面が水疱状ではなく平滑
本種と異なり培養下で橙褐色の色素を拡散する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phialocephala dimorphospora
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくカナダなどに分布する
本種と異なりヘパリン溶液の汚染菌ではなくウッドパルプなどから分離される
本種と異なりフィアライドが不規則に配列するのではなく倒円錐状に配列し筆状体をなす
本種と異なりフィアライドが骨壺形ではなくほとんどの場合円筒形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phialocephala compacta
フィアライドの形状が類似していることがある
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくドイツなどに分布する
本種と異なりヘパリン溶液の汚染菌ではなく樹皮などから分離される
本種と異なりフィアライドが不規則に配列するのではなくまとまった球形菌核状の頭部をなす
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phialocephala scopiformis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくドイツなどに分布する
本種と異なりヘパリン溶液の汚染菌ではなく枝などから分離される
本種と異なりフィアライドが不規則に配列するのではなくまとまった分枝する箒状の頭部をなす
本種と異なりフィアライドが長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phialocephala lagerbergii
フィアライドの配列が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくスウェーデンなどに分布する
本種と異なりヘパリン溶液の汚染菌ではなく材などから分離される
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される