(仮訳)日本産アンズタケ類の系統解析および新種Cantharellus anzutakeの記載
Ogawa, W. et al., 2018. Phylogenetic analyses of Japanese golden chanterelles and a new species description, Cantharellus anzutake sp. nov. Mycoscience. Available at: https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S134035401730116X [Accessed October 22, 2022] 【R3-09989】2022/10/22投稿

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3行まとめ

日本においてCantharellus cibariusと同定されてきた種を再検討し、C. anzutakeとして新種記載した。
本種は宮城県から沖縄県まで日本各地の森林地帯に分布し、海岸のマツ林から冷温帯-亜高山帯まで見られた。
本種はヨーロッパ産C. cibariusに形態的に類似していたが系統的に異なり、インド産の同属他種とも形態的に異なっていた。
長野県茅野市永明寺山

(新種)

Cantharellus anzutake W. Ogawa, N. Endo, M. Fukuda & A. Yamada
語源…和名のアンズタケから
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Cantharellus cibarius(アンズタケ)
形態的に類似している(従来この種に同定されていた)
子実体が傷ついたり乾燥したりすると弱く帯赤褐色に変色する
傘が円形または波打つ
子実層托が直線状で頂部にかけて畝が多いが基部には少ない
ITS1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスウェーデンなどにおける分布が知られている
本種と異なり傘が淡黄色~橙黄色ではなく明黄色~橙黄色
本種と異なり子実層托が白色~レモン色ではなく明黄色
本種と異なり柄が白色~淡黄色ではなく明黄色または淡黄色
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種より傘表皮菌糸が厚壁
ITS1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus applanatus
アジアに分布する
ITS1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本ではなくインドなどに分布する
ITS1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus natarajanii
アジアに分布する
ITS1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本ではなくインドなどに分布する
ITS1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus elongatipes
アジアに分布する
ITS1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本ではなくインドなどに分布する
ITS1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus tenuithrix
tef-1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本ではなく北米などに分布する
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と担子胞子の形状が異なる
tef-1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus flavus
tef-1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり柄が帯黄色
本種より担子胞子が長い
tef-1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus pallens
tef-1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と子実体の色が異なる
本種と子実体の変色性が異なる
tef-1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus subalbidus
tef-1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と子実体の色が異なる
本種と子実体の変色性が異なる
tef-1および5.8S+ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus yunnanensis
東アジアに分布する
tef-1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本ではなく中国などに分布する
本種より傘の直径が小さい
本種より柄が長い
本種より柄の幅が狭い
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が淡オリーブ色
本種と異なり担子胞子が楕円形
tef-1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される