2014年2月16日 (仮訳)Chaetomium indicumとその類縁種の系統学的評価および3新種の記載、C. funicolaとC. indicumのエピタイプ指定 Wang, XW. et al., 2014. Phylogenetic assessment of Chaetomium indicum and allied species, with the introduction of three new species and epitypification of C. funicola and C. indicum. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/10.1007/s11557-013-0955-x [Accessed February 1, 2014]. 【R3-00399】2014/02/16投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 従来6種が含まれていたChaetomium indicumグループを、子嚢果および子嚢胞子の形態、生長温度、分子系統の観点から検討した。 複数遺伝子を用いた分子系統解析で、Chaetomium indicumグループは単系統群を形成し、8つの系統がよく支持された。 また、C. pratenseなど3種を新種記載し、C. dolichotrichumを独立種として認め、2種のエピタイプを指定した。 中国青海省黄南チベット族自治州 (新種) Chaetomium pratense X.W. Wang & L. Cai 語源…草地の 【よく似た種との区別】 Chaetomium indicum Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の直径が150 μmを超える 子嚢果の壁が絡み合い菌組織 子嚢果の毛に2型を持たない 子嚢果の毛が典型的には剛直でない 子嚢果の毛の表面が疣状 子嚢が棍棒形 最大生長温度が34°C ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢果の毛が下半分から分枝する 本種と異なり子嚢果の毛が頂部で屈曲することがある 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子が広卵形ではなく卵形 ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Chaetomium funicola Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の直径が150 μmを超える 子嚢果の壁が絡み合い菌組織 子嚢果の毛が典型的には剛直でない 子嚢果の毛の表面が疣状 子嚢が棍棒形 ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢果の毛に2型がある 本種と異なり子嚢果の毛が下半分でも分枝したり、分枝しないこともある 本種と異なり子嚢果の毛が頂部で屈曲することがある 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子が広卵形ではなく卵形~楕円形 本種より最大生長温度が高く、34°Cではなく37°C ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Chaetomium subfunicola Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の直径が150 μmを超える 子嚢果の壁が絡み合い菌組織 子嚢果の毛が典型的には剛直でない 子嚢果の毛が屈曲しない 子嚢果の毛の表面が疣状 子嚢胞子の長軸が7.5 μmに達する ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢果の毛に2型がある 本種と異なり子嚢果の毛が下半分でも分枝したり、分枝しないこともある 本種と異なり子嚢が棍棒形ではなく倒卵形 本種と異なり子嚢胞子が広卵形ではなく卵形~広卵形 本種より最大生長温度が高く、34°Cではなく37°C ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国雲南省文山市 (新種) Chaetomium subfunicola X.W. Wang & L. Cai 語源…Chaetomium funicolaに似た Asgari & Zare (2011) は、本種をChaetomium funicolaと同定していた。 【よく似た種との区別】 Chaetomium funicola Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の壁が絡み合い菌組織 子嚢果の毛に2型がある ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析でごく近縁 形態的に類似している 本種と異なり子嚢が倒卵形ではなく棍棒形 本種より子嚢胞子のサイズが小さい ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Chaetomium cancroideum Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の毛に2型がある 子嚢果の毛の表面が疣状 子嚢果の毛が剛直でない ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析でごく近縁 本種より子嚢果のサイズが小さく、直径150 μmに達しない 本種と異なり子嚢果の壁が絡み合い菌組織ではなく多角菌組織 本種と異なり子嚢果の毛が分枝しないことがない 本種と異なり子嚢果の毛が直立せず屈曲する 本種と異なり子嚢が倒卵形ではなく棍棒形 本種より子嚢胞子の長軸が短く、6.5 μm以下 本種と異なり子嚢胞子が卵形~広卵形ではなく卵形 ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Chaetomium pratense Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の直径が150 μmを超える 子嚢果の壁が絡み合い菌組織 子嚢果の毛が典型的には剛直でない 子嚢果の毛が屈曲しない 子嚢果の毛の表面が疣状 子嚢胞子の長軸が7.5 μmに達する ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢果の毛に2型を持たない 本種と異なり子嚢果の毛が上半分のみで分枝し、分枝しないことがない 本種と異なり子嚢が倒卵形ではなく棍棒形 本種と異なり子嚢胞子が卵形~広卵形ではなく広卵形 本種より最大生長温度が低く、37°Cではなく34°C ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国新疆ウイグル自治区石河子市 (新種) Chaetomium ramosissimum X. W. Wang & L. Cai 語源…最も分枝する 【よく似た種との区別】 Chaetomium erectum Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の直径が平均150 μmを超える 子嚢果の壁が絡み合い菌組織 子嚢果の毛に2型を持たない 子嚢果の毛の表面が疣状 子嚢果の毛が顕著に剛直 子嚢果の毛の先端が屈曲しない 子嚢が棍棒形 子嚢胞子の長軸が7.5 μmに達する 子嚢胞子が卵形~レモン形 最大生長温度が41°C ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析でごく近縁 本種と異なり子嚢果の毛が上半分のみで分枝する 本種と異なり子嚢胞子がレモン形でない 本種より最長生長温度が低く、41°Cではなく37°C ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Chaetomium dolichotrichum Ames ※本種はvon Arx et al. (1986) ではChaetomium funicolaのシノニムとして扱われた。 【よく似た種との区別】 Chaetomium funicola Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の毛に2型がある 子嚢果の毛が剛直でない 子嚢果の毛が頂部または下部で分枝するか、または分枝しない 子嚢が棍棒形 最大生長温度が37°C ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢果のサイズが大きく、平均直径が150 μmを超える 本種と異なり子嚢果の壁が多角菌組織ではなく絡み合い菌組織 本種と異なり子嚢果の長い毛の表面が平滑ではなく疣状 本種と異なり子嚢果の毛が鈍角で分枝することがない 本種と異なり子嚢果の毛が頂部で屈曲することがある 本種より子嚢胞子のサイズが短く、長軸が6.5 μm以下 本種と異なり子嚢胞子が卵形ではなく卵形~楕円形 ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Chaetomium cancroideum Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の直径が150 μmを超えない 子嚢果の壁が多角菌組織 子嚢果の毛に2型がある 子嚢果の毛が剛直でない 子嚢が棍棒形 子嚢胞子が卵形 ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析でごく近縁 本種と異なり子嚢果の長い毛の表面が平滑ではなく疣状 本種と異なり子嚢果の毛が分枝しないことがない 本種と異なり子嚢果の毛が鈍角に分枝することがない 本種と異なり子嚢果の毛の頂部が直立せず内側に屈曲する 本種より子嚢胞子のサイズが小さく、長軸が6.5 μm以下 本種より最大生長温度が低く、37°Cではなく36°C ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Chaetomium reflectum Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の壁が多角菌組織 子嚢果の毛に2型がある 子嚢果の毛が剛直でない 子嚢が棍棒形 子嚢胞子が卵形 ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢胞子が左右非対称になることがある 本種より子嚢胞子のサイズが小さく、長軸が6.5 μm以下 本種より最大生長温度が低く、37°Cではなく36°C ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Bamberg, Germany (その他掲載種) Chaetomium funicola Cooke ※本種のエピタイプを指定した。 【よく似た種との区別】 Chaetomium pratense Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の直径が150 μmを超える 子嚢果の壁が絡み合い菌組織 子嚢果の毛が典型的には剛直でない 子嚢果の毛の表面が疣状 子嚢が棍棒形 ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢果の毛に2型を持たない 本種と異なり子嚢果の毛が上半分のみで分枝し、分枝しないことがない 本種と異なり子嚢果の毛が頂部で屈曲することがない 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子が卵形~楕円形ではなく広卵形 本種より最大生長温度が低く、37°Cではなく34°C ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Chaetomium subfunicola Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の壁が絡み合い菌組織 子嚢果の毛に2型がある ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析でごく近縁 形態的に類似している 本種と異なり子嚢が棍棒形ではなく倒卵形 本種より子嚢胞子のサイズが大きい ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Chaetomium cancroideum Chaetomium indicumグループに含まれる 形態的に類似している 子嚢果の毛に2型がある 子嚢果の毛が内側に屈曲する(伝統的にはこの形質で区別されていたが、両種にこの形質が認められた) 子嚢が棍棒形 子嚢胞子の長軸が6.5 μmに達しない ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で区別できないほど近縁 本種より子嚢果のサイズが小さく、直径150 μmに達しない 本種と異なり子嚢果の壁が絡み合い菌組織ではなく多角菌組織 本種と異なり子嚢果の毛が分枝しないことがない 本種と異なり子嚢胞子が卵形~楕円形ではなく卵形 本種より最大生長温度が低く、37°Cではなく36°C Chaetomium dolichotrichum Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の毛に2型がある 子嚢果の毛が剛直でない 子嚢果の毛が頂部または下部で分枝するか、または分枝しない 子嚢が棍棒形 最大生長温度が37°C ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢果のサイズが小さく、直径150 μmに達しない 本種と異なり子嚢果の壁が絡み合い菌組織ではなく多角菌組織 本種と異なり子嚢果の長い毛の表面が疣状ではなく平滑 本種と異なり子嚢果の毛が鈍角で分枝することがある 本種と異なり子嚢果の毛が頂部で屈曲することがない 本種より子嚢胞子のサイズが長く、長軸が6.5 μmを超える 本種と異なり子嚢胞子が卵形~楕円形ではなく卵形 ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国雲南省文山市 (その他掲載種) Chaetomium indicum Corda ※本種のエピタイプを指定した。 【よく似た種との区別】 Chaetomium pratense Chaetomium indicumグループに含まれる 子嚢果の直径が150 μmを超える 子嚢果の壁が絡み合い菌組織 子嚢果の毛に2型を持たない 子嚢果の毛が典型的には剛直でない 子嚢果の毛の表面が疣状 子嚢が棍棒形 最大生長温度が34°C ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢果の毛が上半分でのみ分枝する 本種と異なり子嚢果の毛が頂部で屈曲することがない 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子が卵形ではなく広卵形 ITS+LSUおよびITS+LSU+β-チューブリン+EF1-α+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される