2016年10月27日 (仮訳)Cirrenalia属およびCumulospora属のアナモルフ菌の系統分類学的検討および8新属4新種の記載 Abdel-Wahab, MA. et al., 2010. Phylogenetic evaluation of anamorphic species of Cirrenalia and Cumulospora with the description of eight new genera and four new species. Mycological. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-010-0661-x [Accessed October 26, 2016]. 【R3-03420】2016/10/27投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ エジプトおよび日本で採集された螺旋状の分生子を形成するアナモルフ菌を検討した。 分子系統解析の結果、Cirrenalia属およびCumulospora属の多系統性が明らかになったことから、8新属6新組み合わせを提唱した。 また、螺旋状の胞子を形成する海生菌の属レベルの検索表を掲載した。 Egypt, Port Said, Mediterranean Sea coast (新種) Halazoon melhae Abdel-Aziz, Abdel-Wahab & Nagah. 語源…(属名)アラビア語で「螺旋」(分生子の形状から)/(種小名)アラビア語で「海水中で生育する」 【よく似た種との区別】 Lulwoana uniseptata 本種と異なりエジプトではなくタイなどに分布する 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が帯赤褐色ではなく暗褐色~黒色 本種と異なり分生子が基部から頂部にかけてサイズを増し、色が濃くなるという特徴を欠く 本種と異なり分生子のコイル数が1/2-6ではなく1-3 Halazoon fuscus 分生子の発達初期の形態が類似している 本種と異なりエジプトではなく日本などに分布する 本種と異なり分生子の細胞がコイル状で球をなすという特徴を欠く Egypt, Port Said, Mediterranean Sea coast (新種) Moleospora maritima Abdel-Wahab, Abdel-Aziz & Nagah. 語源…(属名)塊の胞子(分生子の形状から)/(種小名)海の 【よく似た種との区別】 Halenospora varia 海生菌である 分生子が幼時コイル状で成熟すると塊をなす 分生子に数百の小さな細胞が含まれる 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が黒色でない 本種と異なり分生子が未熟な子嚢果あるいは菌核様でない ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ルルワーシア科ではなくズキンタケ科クレードに含まれる) Cumulospora marina 海生菌である エジプトに分布する 分生子が幼時コイル状で成熟すると塊をなす 本種と異なり熱帯~温帯に広く分布する 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が黒色でない 本種と異なり分生子が未熟な子嚢果あるいは菌核様でない Moromyces varius エジプトに分布する 海生菌である 分生子が幼時コイル状で成熟すると塊をなす 本種と異なり日本およびタイにおける分布が知られている 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が黒色でない 本種と異なり分生子が未熟な子嚢果あるいは菌核様でない nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードBではなくDに含まれる) Egypt, Mediterranean Sea (新種) Moheitospora fruticosae Abdel-Wahab, Abdel-Aziz & Nagah. 語源…(属名)アラブ語で「海」+胞子/(種小名)Suaeda fruticosaの 【よく似た種との区別】 Cirrenalia pallescens 分生子のサイズの範囲が重なる 本種と異なりエジプトではなく中国などに分布する 本種と異なり海生ではなく土壌から分離される 本種と異なり分生子の細胞数が通常0-2ではなく2-3 本種と異なり分生子の細胞同士の結合部に帯を有するという特徴を欠く 本種と異なり分生子がゼラチン質の鞘に包まれるという特徴を欠く Glomerulispora mangrovis nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる) 本種と異なりエジプトではなく日本に分布する 本種より分生子の細胞のサイズがずっと小さい 本種より分生子の細胞数が多い nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Moheitospora adarca 海生菌である 分生子のサイズが類似している 分生子の形状が類似している 分生子が成熟すると石垣状に見える nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる) 本種と異なりエジプトではなく米国に分布する nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 沖縄県東村慶佐次湾 (新種) Glomerulispora mangrovis Abdel-Wahab & Nagah. 語源…(属名)小塊の胞子/(種小名)マングローブの 【よく似た種との区別】 Moheitospora fruticosae nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる) 本種と異なり日本ではなくエジプトに分布する 本種より分生子の細胞のサイズがずっと大きい 本種より分生子の細胞数が少ない nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Moheitospora adarca nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる) 本種と異なり日本ではなく米国に分布する 本種より分生子の細胞のサイズがずっと大きい 本種より分生子の細胞数が少ない nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Torpedospora radiata nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる) nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Cirrenalia macrocephala (Kohlm.) Meyers & R.T. Moore (新組み合わせ) Halazoon fuscus (I. Schmidt) Abdel-Wahab, K.L. Pang 旧名:Cirrenalia fusca I. Schmidt. 【よく似た種との区別】 Halazoon melhae 分生子の発達初期の形態が類似している 本種と異なり日本などではなくエジプトに分布する 本種と異なり分生子の細胞がコイル状で球をなす Hydea pygmea 分生子頂部の細胞の形態が類似している 本種と異なり分生子が暗色に着色しない nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードCではなくクレードIに含まれる) (新組み合わせ) Hydea pygmea (Kohlm.) K.L. Pang & E.B.G. Jones 語源…(属名)Kevin Hyde博士に献名 旧名:Cirrenalia pygmea Kohlm. 【よく似た種との区別】 Halazoon fuscus 分生子頂部の細胞の形態が類似している 本種と異なり分生子が暗色に着色する nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIではなくクレードCに含まれる) (新組み合わせ) Matsusporium tropicale (Kohlm.) E.B.G. Jones & K.L. Pang 語源…(属名)媽祖(中国の海の女神、海生菌であることから)+胞子 旧名:Cirrenalia tropicalis Kohlm. 【よく似た種との区別】 Lulworthia grandispora nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードHに含まれる) nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Moheitospora adarca (Kohlm., Volkm.-Kohlm. & O.E. Erikss.) Abdel-Wahab, Abdel-Aziz & Nagah. 旧名:Cirrenalia adarca Kohlm., Volkm.-Kohlm. & O.E. Erikss. 【よく似た種との区別】 Moheitospora fruticosae 海生菌である 分生子のサイズが類似している 分生子の形状が類似している 分生子が成熟すると石垣状に見える nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる) 本種と異なり米国ではなくエジプトに分布する nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Glomerulispora mangrovis nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTBMクレードに含まれる) 本種と異なり米国ではなく日本に分布する 本種より分生子の細胞のサイズがずっと小さい 本種より分生子の細胞数が多い nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Cumulospora marina I. Schmidt 【よく似た種との区別】 Moromyces varius 海生菌である 本種と異なり分生子がロゼット状ではなく石垣状または不規則な螺旋状 本種と異なり分生子の細胞が小型の基部の細胞および大型の頂部の細胞などに分化するのではなく球形で互いにいくぶん類似している nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードGではなくDに含まれる) (新組み合わせ) Moromyces varius (Chatmala & Somrith.) Abdel-Wahab, K.L. Pang, Nagah., Abdel-Aziz & E.B.G. Jones 語源…(属名)ウェールズ語で「海」+菌 旧名:Cumulospora varia Chatmala & Somrith. 【よく似た種との区別】 Cumulospora marina 海生菌である 本種と異なり分生子が石垣状または不規則な螺旋状ではなくロゼット状 本種と異なり分生子の細胞が球形で互いにいくぶん類似しているのではなく小型の基部の細胞および大型の頂部の細胞などに分化する nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードDではなくGに含まれる) Lulwoana uniseptata 本種と異なり分生子が初めコイル状でのちにもつれた結び目状をなすのではなく顕著なコイル状 nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードDではなくAに含まれる) Moleospora maritima エジプトに分布する 海生菌である 海生菌である 分生子が幼時コイル状で成熟すると塊をなす 本種と異なり日本およびタイにおける分布が知られていない 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり分生子が黒色 本種と異なり分生子が未熟な子嚢果あるいは菌核様 nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードDではなくBに含まれる) (新組み合わせ) Hiogispora japonica (Sugiy.) Abdel-Wahab & Nagah. 語源…(属名)日本語の「檜扇」+胞子(分生子の形状から) 旧名:Cirrenalia japonica Sugiyama