2018年12月1日 (仮訳)3遺伝子座データを用いたMultifurca属の系統学的・生物地理学的・分類学的再評価 Wang, X-H. et al., 2018. Phylogeny, biogeography and taxonomic re-assessment of Multifurca (Russulaceae, Russulales) using three-locus data. PLOS ONE. Available at: https://doi.org/10.1371/journal.pone.0205840 [Accessed November 30, 2018] 【R3-05725】2018/12/1投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ Multifurca属を対象に分子系統解析を実施し、本属が2つの主要な亜属レベルのクレードに分かれることを示した。 2つの新亜属のうちFurcata亜属はチチタケ型の種からなるのに対し、Multifurca属はベニタケ型の種を含んでいた。 オーストラリア産のM. australisおよびコスタリカ産のM. mesoamericanaを新種記載し、本属菌の検索表を掲載した。 Australia, Queensland, near Landsborough, north of Brisbane (新種) Multifurca australis Halling, T. Lebel & Buyck 語源…オーストラリアの 【よく似た種との区別】 Multifurca aurantiophylla 同じMultifurca亜属に含まれる 傘が類白色 柄が類白色 子実層グレオシスチジアが良好に発達する 子実層グレオシスチジアが襞実質の深部から生じる 偽シスチジアを欠く 菌糸体シスチジアの形態がほぼ同一 ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストラリアではなくニューカレドニアなどに分布する 本種と異なりフトモモ科ではなくナンキョクブナ属植物を宿主とする 本種より子実体のサイズがずっと小さい 本種より傘のサイズが小さい 本種ほど柄が中心生でない 本種と異なりグレオシスチジアが膨大する 本種と異なり顕著な傘シスチジアを有する 本種と異なり菌糸体シスチジアに二次隔壁が生じることがある ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Multifurca zonaria 同じMultifurca亜属に含まれる ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストラリアではなく中国などに分布する 本種と異なりフトモモ科ではなくフタバガキ科およびブナ科植物を宿主とする 本種と異なり傘が類白色ではなく淡い帯黄褐色~黄褐色 本種と異なり柄が類白色ではなく淡い帯黄褐色~黄褐色 本種と異なり子実層グレオシスチジアが良好に発達しない 本種と異なり偽シスチジアを有する ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Costa Rica, Puntarenas, Coto Brus, Las Mellizas, La Amistad Lodge, near Parque Internacional La Amistad (新種) Multifurca mesoamericana Buyck & Halling 語源…メソアメリカの 【よく似た種との区別】 Multifurca furcata 同じFurcata亜属に含まれる 担子胞子表面の装飾が疣状 ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりコスタリカではなく米国などに分布する 本種と異なり中米固有のコナラ属植物を宿主とするという特徴を欠く 本種より子実体がいくぶん肉質 本種と異なり傘が鈍い帯桃色~帯黄褐色ではなく明黄色~橙黄色 本種ほど傘表面の環紋が顕著でない 本種と異なり傘表面に強い粘性を有するのではなく乾燥している ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Multifurca ochricompacta (Bills & O.K. Mill.) Buyck & V. Hofstetter ウズゲツチイロタケ 【よく似た種との区別】 Multifurca roxburghiae 同じMultifurca亜属に含まれる マツ科およびブナ科植物の樹下に生じる 子実層グレオシスチジアに2つの型を有する 顕著な傘シスチジアを欠く 子実層グレオシスチジアが良好に発達する 子実層グレオシスチジアが襞実質の深部から生じる 偽シスチジアを欠く ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドおよび中国などではなく米国などに分布する 本種と異なり子実体の臭いが樹脂臭ではなくシトロネラの鼻を突く臭い 本種ほど担子胞子の装飾が良好に発達しない ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Multifurca aurantiophylla (Buyck & Ducousso) Buyck & V. Hofstetter 【よく似た種との区別】 Multifurca australis 同じMultifurca亜属に含まれる 傘が類白色 柄が類白色 子実層グレオシスチジアが良好に発達する 子実層グレオシスチジアが襞実質の深部から生じる 偽シスチジアを欠く 菌糸体シスチジアの形態がほぼ同一 ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりニューカレドニアなどではなくオーストラリアに分布する 本種と異なりナンキョクブナ属ではなくフトモモ科植物を宿主とする 本種より子実体のサイズがずっと大きい 本種より傘のサイズが大きい 本種より柄が中心生である 本種と異なりグレオシスチジアが膨大するという特徴を欠く 本種と異なり顕著な傘シスチジアを有するという特徴を欠く 本種と異なり菌糸体シスチジアに二次隔壁が生じることがあるという特徴を欠く ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Multifurca zonaria 同じMultifurca亜属に含まれる ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 根状菌糸束の表面性状が非常に類似している 本種と異なりニューカレドニアなどではなく中国などに分布する 本種と異なりナンキョクブナ属ではなくフタバガキ科およびブナ科植物を宿主とする 本種と異なり傘が類白色ではなく淡い帯黄褐色~黄褐色 本種と異なり柄が類白色ではなく淡い帯黄褐色~黄褐色 本種と異なり子実層グレオシスチジアが良好に発達するという特徴を欠く 本種と異なり偽シスチジアを有する 本種と異なり菌糸体シスチジアに二次隔壁が生じることがあるという特徴を欠く ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Multifurca roxburghiae Buyck & V. Hofstetter 【よく似た種との区別】 Multifurca ochricompacta(ウズゲツチイロタケ) 同じMultifurca亜属に含まれる マツ科およびブナ科植物の樹下に生じる 子実層グレオシスチジアに2つの型を有する 顕著な傘シスチジアを欠く 子実層グレオシスチジアが良好に発達する 子実層グレオシスチジアが襞実質の深部から生じる 偽シスチジアを欠く ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国などではなくインドおよび中国などに分布する 本種と異なり子実体の臭いがシトロネラの鼻を突く臭いではなく樹脂臭 本種より担子胞子の装飾が僅かに良好に発達する ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Multifurca zonaria (Buyck & Desjardin) Buyck & V. Hofstetter 【よく似た種との区別】 Multifurca aurantiophylla 同じMultifurca亜属に含まれる ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 根状菌糸束の表面性状が非常に類似している 本種と異なり中国などではなくニューカレドニアなどに分布する 本種と異なりフタバガキ科およびブナ科ではなくナンキョクブナ属植物を宿主とする 本種と異なり傘が淡い帯黄褐色~黄褐色ではなく類白色 本種と異なり柄が淡い帯黄褐色~黄褐色ではなく類白色 本種と異なり子実層グレオシスチジアが良好に発達する 本種と異なり偽シスチジアを欠く 本種と異なり菌糸体シスチジアに二次隔壁が生じることがある ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Multifurca australis 同じMultifurca亜属に含まれる ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国などではなくオーストラリアに分布する 本種と異なりフタバガキ科およびブナ科ではなくフトモモ科植物を宿主とする 本種と異なり傘が淡い帯黄褐色~黄褐色ではなく類白色 本種と異なり柄が淡い帯黄褐色~黄褐色ではなく類白色 本種と異なり子実層グレオシスチジアが良好に発達する 本種と異なり偽シスチジアを欠く ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される United States of America, Texas, Newton Co., Bleakwood (その他掲載種) Multifurca furcata (Coker) Buyck & V. Hofstetter ※本種のエピタイプ標本およびレクトタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Multifurca pseudofurcata 同じFurcata亜属に含まれる 形態的に類似している(この種に誤同定されていた/乳液以外に識別可能な点がない) ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国などではなく中国に分布する 本種と異なり乳液に変色性を欠くか、鈍い帯黄緑色になるか、または襞を淡い帯褐色に染める ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Multifurca orientalis X.H. Wang 【よく似た種との区別】 Multifurca pseudofurcata 同じFurcata亜属に含まれる アジアに分布する 形態的に類似している(隠蔽種の関係にある) ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Multifurca pseudofurcata X.H. Wang 【よく似た種との区別】 Multifurca furcata 同じFurcata亜属に含まれる 形態的に類似している(この種に誤同定されていた/乳液以外に識別可能な点がない) ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく米国などに分布する 本種と異なり乳液に変色性を欠くか、鈍い帯黄緑色になるか、または襞を淡い帯褐色に染めるという特徴を欠く ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Multifurca orientalis 同じFurcata亜属に含まれる アジアに分布する 形態的に類似している(隠蔽種の関係にある) ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 ITS+nrLSU+rpb2およびnrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Multifurca stenophylla (Berk.) T.Lebel, CW.Dunk, & TW.May