2021年6月10日 (仮訳)中国南東部産のCarya cathayensisに病原性を有する新種、Phytophthora cathayensis Morales-Rodríguez, C. et al., 2021. Phytophthora cathayensis sp. nov., a new species pathogenic to Chinese Hickory (Carya cathayensis) in southeast China. Fungal Systematics and Evolution. Available at: https://www.ingentaconnect.com/content/wfbi/fuse/2021/00000007/00000001/art00006 [Accessed June 10, 2021] 【R3-08492】2021/6/10投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国浙江省においてCarya cathayensisに深刻な病害を引き起こした卵菌を検討し、Phytophthora cathayensisとして新種記載した。 本種および同じクレード4に属する近縁種を含む分子系統樹、形質比較表などを掲載した。 本種のC. cathayensisおよびC. illinoensisに対する病原性を樹皮下接種試験により確かめるとともに、米国から中国への移入の可能性を示した。 中国浙江省杭州市臨安区湍口鎮 (新種) Phytophthora cathayensis C. Morales-Rodríguez, Y. Wang & A. Vannini 語源…Carya cathayensisの 【よく似た種との区別】 Phytophthora alticola 遊走子嚢が永存性 造精器が側着性 ホモタリックである 生育適温が25°Cである 最大生長温度が30°C ITS+β-tub+cox1+hsp90に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード4に含まれる) 本種と異なり中国ではなく南アフリカなどに分布する 本種と異なりペカン属ではなくユーカリ属、アカシア属植物などを宿主とする 本種と異なり遊走子嚢柄が放射状の菌糸膨大部から生じ、時に側着するのではなく非常に頻繁に側着する 本種と異なり遊走子嚢柄が分枝することがある 本種より遊走子嚢のサイズが大きい 本種より遊走子嚢の長さ/幅比が小さい 本種と異なり遊走子嚢が通常卵状で長卵状、レモン形のこともあり乳頭状で稀に半乳頭状なのではなく、卵状、倒洋梨形、またはねじれ、乳頭状でしばしば2つの乳頭突起を有し、稀に2裂する 本種より造卵器の平均サイズが大きい 本種より卵胞子の平均サイズが大きい 本種と異なり卵胞子表面平滑ではなく僅かに波状 本種より卵胞子の壁が厚い 本種より造精器のサイズが小さい 本種と異なり厚壁胞子を欠く 本種より最小生長温度が高い 本種より致死温度が高い 本種より生育適温、V8A培地での生長が遅い ITS+β-tub+cox1+hsp90に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phytophthora arenaria 遊走子嚢が永存性 卵胞子の平均サイズが類似している 造精器が側着性 ホモタリックである 生育適温が25°Cである ITS+β-tub+cox1+hsp90に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード4に含まれる) 本種と異なり中国ではなくオーストラリアなどに分布する 本種と異なり遊走子嚢柄が分枝することがある 本種より遊走子嚢のサイズが大きい 本種より遊走子嚢の長さ/幅比が小さい 本種と異なり遊走子嚢が通常卵状で長卵状、レモン形のこともあり乳頭状で稀に半乳頭状なのではなく、通常卵状で倒洋梨形、またはねじれることもあり、乳頭状で稀に2-3つの乳頭突起を有するか2裂する 本種より造卵器の平均サイズが大きい 本種と異なり卵胞子表面が平滑ではなく僅かに波状 本種より卵胞子の壁が厚い 本種と異なり卵胞子が充満性および非充満性ではなく非充満性 本種より造精器の幅が狭い 本種と異なり厚壁胞子を欠く 本種より最大生長温度が高い 本種より最小生長温度が高い 本種より生育適温、V8A培地での生長が遅い ITS+β-tub+cox1+hsp90に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phytophthora boodjera 遊走子嚢が永存性 造精器が側着性 ホモタリックである ITS+β-tub+cox1+hsp90に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード4に含まれる) 本種と異なり中国ではなくオーストラリアに分布する 本種と異なりペカン属ではなくユーカリ属、Banksia属、Corymbia属植物などを宿主とする 本種と異なり遊走子嚢柄が放射状の菌糸膨大部から生じ、時に側着するのではなく非常に頻繁に側着する 本種と異なり遊走子嚢柄が分枝することがある 本種より遊走子嚢のサイズが大きい 本種より遊走子嚢の長さ/幅比が小さい 本種と異なり遊走子嚢が通常卵状で長卵状、レモン形のこともあり乳頭状で稀に半乳頭状なのではなく、卵状、レモン形、ピーナッツ形、またはねじれ、乳頭状で稀に2つの乳頭突起を有するか2裂する 本種より造卵器の平均サイズが大きい 本種より卵胞子の平均サイズが大きい 本種と異なり卵胞子表面が平滑ではなく僅かに波状 本種より卵胞子の壁が厚い 本種と異なり卵胞子が充満性および非充満性ではなく非充満性 本種より造精器のサイズが小さい 本種と異なり厚壁胞子を欠く 本種より生育適温が高い 本種より最大生長温度が高い 本種より最小生長温度が高い 本種より致死温度が高い 本種より生育適温、V8A培地での生長が遅い ITS+β-tub+cox1+hsp90に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phytophthora quercetorum 遊走子嚢が分枝しない 遊走子嚢が永存性 造精器が側着性 造精器のサイズの範囲が重なる 厚壁胞子が末端生 ITS+β-tub+cox1+hsp90に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード4に含まれる) 本種と異なり中国ではなく北米などに分布する 本種と異なりペカン属植物ではなくオーク類などを宿主とする 本種と異なり遊走子嚢柄が放射状の菌糸膨大部から生じ、時に側着するのではなく節間生のことがある 本種より遊走子嚢のサイズが大きい 本種より遊走子嚢の長さ/幅比が小さい 本種と異なり遊走子嚢が通常卵状で長卵状、レモン形のこともあり乳頭状で稀に半乳頭状なのではなく、卵状~長形、球形、ピーナッツ状のねじれた形状のこともあり、主に乳頭状 本種と異なりホモタリックではなくへテロタリックである 本種より造卵器の平均サイズが大きい 本種より卵胞子の平均サイズが大きい 本種より卵胞子の壁が厚い 本種と異なり卵胞子が球形~僅かに類球形ではなくしばしば基部がコンマ形である 本種と異なり卵胞子が充満性および非充満性ではなく顕著な非充満性 本種より生育適温が低い 本種より最大生長温度が高い 本種より致死温度が高い 本種より生育適温、V8A培地での生長が遅い ITS+β-tub+cox1+hsp90に基づく分子系統解析で明瞭に区別される