2021年7月4日 (仮訳)米国カリフォルニア州およびオレゴン州において森林樹木に潰瘍病および葉枯病を引き起こす新種、Phytophthora nemorosa Hansen, EM. et al., 2003. Phytophthora nemorosa, a new species causing cankers and leaf blight of forest trees in California and Oregon, U.S.A. Mycotaxon. Available at: https://ucanr.edu/sites/rizzolab/files/142700.pdf [Accessed July 4, 2021] 【R3-08564】2021/7/4投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 米国カリフォルニア州およびオレゴン州の森林において分離された卵菌の一種を検討し、Phytophthora nemorosaとして新種記載した。 本種は宿主のオーク類に突然死を引き起こしたほか、葉枯病や梢枯病の病徴を生じた。 本種はP. ramorumと宿主範囲および病徴が顕著に類似していたが、ホモタリックである点や生長特性が異なり、分子系統解析でも区別された。 Humboldt County, CA, USA (新種) Phytophthora nemorosa E.M. Hansen, P.W. Reeser, J.M. Davidson, M. Garbelotto, K. Ivors, L. Douhan & D.M. Rizzo 語源…森林の 【よく似た種との区別】 Phytophthora ramorum 米国に分布する 同じコナラ属植物を宿主とする 病徴の外観が同一である 本種と異なり厚壁胞子を有する 本種と異なりホモタリックでない 本種よりコロニーの生長が速い 本種より最適生長温度が高い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phytophthora ilicis 造精器が底着性 遊走子嚢が半乳頭状 ホモタリックである ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりモチノキ属植物のみが宿主として知られている 本種より造卵器のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phytophthora hibernalis 造精器が底着性 遊走子嚢が半乳頭状 ホモタリックである 本種と異なり主に柑橘類を宿主とする 本種より遊走子嚢の柄が長い Phytophthora quercina ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり造精器が底着性ではなく主に側着性 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phytophthora pseudosyringae ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり造精器が底着性ではなく主に側着性 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phytophthora phaseoli 造精器が底着性 遊走子嚢が半乳頭状 ホモタリックである ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり主にライマメを宿主とする 本種より造卵器のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phytophthora psychrophila 同じコナラ属植物を宿主とする 森林に生息する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種より造卵器のサイズが大きい 本種より遊走子嚢が僅かに丸くない 本種と異なりコロニーに顕著な模様を生じるのではなく模様を生じない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される