2021年7月21日 (仮訳)Penicillium属Exilicaulis節の有毒物質産生性の2新種、P. krskaeおよびP. silybiの同定に用いた多相分類学的アプローチ Labuda, R. et al., 2021. Polyphasic Approach Utilized for the Identification of Two New Toxigenic Members of Penicillium Section Exilicaulis, P. krskae and P. silybi spp. nov. Journal of Fungi. Available at: https://www.mdpi.com/2309-608X/7/7/557 [Accessed July 21, 2021] 【R3-08615】2021/7/21投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ オーストリアの実験室において空中からコンタミ菌として分離された菌を検討し、Penicillium krskaeとして新種記載した。 また、米国オレゴン州においてオオアザミ属植物からエンドファイトとして分離された菌を検討し、P. silybiとして新種記載した。 両種はExilicaulis節に含まれ、シクロヘキシミド耐性を有し、前者からはクロロエモジン誘導体の新規2成分、後者からはスキリンおよびオキシスキリンがそれぞれ単離された。 Austria, Tulln an der Donau (新種) Penicillium krskae Labuda, Kubátová, C. Schüller & J. Strauss 語源…マイコトキシン分析の専門家、Rudolf Krska教授に献名 【よく似た種との区別】 Penicillium silybi 分生子の平均サイズが類似している MEA-CX250(シクロヘキシミド250 ppm添加)培地で生育可能 CREA培地で酸産生を示す 赤色色素を産生する BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストリアではなく米国に分布する 本種と異なり空中ではなくオオアザミ属植物から分離される 本種と異なり分生子表面が光学顕微鏡下で平滑~微細な粗面~粗面ではなく粗面~条線状 本種と異なり分生子表面がSEM下で粗面ではなく浅裂状~網目状 本種と異なりCYA 15°Cで生育可能 本種よりCREA培地での生長が速い Penicillium chalabudae 分生子の平均サイズが類似している CREA培地で酸産生を示す BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストリアではなくウクライナなどに分布する 本種と異なり空中ではなく土壌などから分離される 本種と異なり分生子表面が光学顕微鏡下で平滑~微細な粗面~粗面ではなく粗面 本種と異なり分生子表面がSEM下で粗面ではなく瘤状 本種と異なりCYA 15°Cで生育可能 本種と異なりMEA-CX250(シクロヘキシミド250 ppm添加)培地で生育不能 本種よりCREA培地での生長が遅い 本種と異なり赤色色素を産生しない BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium kurssanovii 形態的に類似している BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストリアではなくウクライナなどに分布する 本種と異なり空中ではなく土壌などから分離される 本種より分生子の平均サイズが大きい 本種と異なり分生子表面が光学顕微鏡下で平滑~微細な粗面~粗面ではなく粗面 本種と異なり分生子表面がSEM下で粗面ではなく瘤状 本種と異なり菌糸体が黄色~橙色~桃色ではなく白色 本種と異なりCYA培地での胞子形成が乏しいのではなく良好 本種と異なりCYA 15°Cで生育可能 本種と異なりCYA 37°Cで生育不能 本種と異なりMEA-CX250(シクロヘキシミド250 ppm添加)培地で生育不能 本種よりCREA培地での生長が遅い 本種と異なり赤色色素を産生しない 本種と異なりCREA培地で酸産生を示さないことがある 本種と異なり7-ヒドロキシペスタロチン、ペスタロチン、パキシリンを産生しない BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium restrictum BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストリアではなくホンジュラスなどに分布する 本種と異なり空中ではなく土壌などから分離される 本種より分生子の平均サイズが大きい 本種と異なり分生子表面が光学顕微鏡下で平滑~微細な粗面~粗面ではなく粗面~小刺状 本種と異なり分生子表面がSEM下で粗面ではなく小刺状~刺状 本種と異なりCYA 15°Cで生育可能 本種と異なりMEA-CX250(シクロヘキシミド250 ppm添加)培地で生育不能 本種よりCREA培地での生長が遅い 本種と異なり赤色色素を産生しない 本種と異なりCREA培地で酸産生を示さないことがある BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される USA, Oregon, Josephine County, Horizon Herbs (新種) Penicillium silybi Labuda, Kubátová, Raja & Oberlies 語源…オオアザミ属の 【よく似た種との区別】 Penicillium krskae 分生子の平均サイズが類似している MEA-CX250(シクロヘキシミド250 ppm添加)培地で生育可能 CREA培地で酸産生を示す 赤色色素を産生する BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくオーストリアに分布する 本種と異なりオオアザミ属植物ではなく空中から分離される 本種と異なり分生子表面が光学顕微鏡下で粗面~条線状ではなく平滑~微細な粗面~粗面 本種と異なり分生子表面がSEM下で浅裂状~網目状ではなく粗面 本種と異なりCYA 15°Cで生育不能 本種よりCREA培地での生長が速い Penicillium chalabudae 分生子の平均サイズが類似している CREA培地で酸産生を示す キトレオロセイン、クロロキトレオロセインなどを産生する BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくウクライナなどに分布する 本種と異なりオオアザミ属植物ではなく土壌などから分離される 本種と異なり分生子表面が光学顕微鏡下で粗面~条線状ではなく粗面 本種と異なり分生子表面がSEM下で浅裂状~網目状ではなく瘤状 本種と異なりMEA-CX250(シクロヘキシミド250 ppm添加)培地で生育不能 本種より35°Cおよび37°Cでの生長が一般的に速い 本種とCREA培地での培養性状が異なる 本種よりCREA培地での生長が遅い 本種と異なり赤色色素を産生しない 本種と異なりエモジン、エンドクロシン、オキシスキリン、スキリンを産生しない BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium kurssanovii BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくウクライナなどに分布する 本種と異なりオオアザミ属植物ではなく土壌などから分離される 本種より分生子の平均サイズが大きい 本種と異なり分生子表面が光学顕微鏡下で粗面~条線状ではなく粗面 本種と異なり分生子表面がSEM下で浅裂状~網目状ではなく瘤状 本種と異なりCYA 37°Cで生育不能 本種と異なりMEA-CX250(シクロヘキシミド250 ppm添加)培地で生育不能 本種よりCREA培地での生長が遅い 本種と異なり赤色色素を産生しない 本種と異なりCREA培地で酸産生を示さないことがある BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium restrictum BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくホンジュラスなどに分布する 本種と異なりオオアザミ属植物ではなく土壌などから分離される 本種より分生子の平均サイズが大きい 本種と異なり分生子表面が光学顕微鏡下で粗面~条線状ではなく粗面~小刺状 本種と異なり分生子表面がSEM下で浅裂状~網目状ではなく小刺状~刺状 本種と異なりMEA-CX250(シクロヘキシミド250 ppm添加)培地で生育不能 本種よりCREA培地での生長が遅い 本種と異なり赤色色素を産生しない 本種と異なりCREA培地で酸産生を示さないことがある BenA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される